ダラット情報を検索したら必ずと言って良いほど出てくるこちらの施設。ベタすぎて敬遠しがち?それがですね…っ。
クレイジーハウス
概要はネットにもたくさん上がっていいると思うのですが、一応ご説明しますと…
モスクワ大学で建築学の博士号を取得したベトナムの建築家、ダン・ヴェト・ガーさんによる作品。
彼女は、共産党の要職に就かれていたチュオン・チン氏の娘さん。女性の建築家さんだったのですね。知らなかった。
その造形は有機的で不規則な曲線が複雑に重なる構成となっていて、思い浮かぶのはスペインのガウディ。そのテイストは異なりますが、テーマとして取り上げているのが自然界の有機物であるという点では同じかも。
私、ガウディ好きなんですよね。好きすぎて、新婚旅行はバロセロナ。ほぼガウディの建築物を見に行くことを目的とした旅でした。
特徴的、というか唯一無二と言って良い造形を誇る施設。写真スポットとしては大人気で、日中は一般公開されていて、多くのお客さんで賑わっています。
ただここ、宿泊もできるんですよね。へーっ、ホテルとしても機能してたんだ?と、率直な興味から、その情報を聞いた3分後にはホテルを予約。まだそんなに旅行客が多くないのか、どの部屋も空いてて選び放題でした(^・^)
ガーさん、他にもたくさんダラット市内で建築物を手がけられてたらしいのですが、個人的な理想を突き詰めたたいという重いから突き詰めたのがこちらの建物なのだそう。
しかし個人でこんな大掛かりなものを作ったために大きいな負債を抱えてしまったため、その負債緩和のために一般の閲覧を解放し、宿泊施設も作ったのか。
おおっ、ならば尚更、この建物保全のためにも積極的に宿泊をせねば!しかもそんなにお高いわけじゃないですしね。宿泊がそんな意味合いを持つのなら、もっと早くに泊まりに行けばよかった!
お部屋もウニョウニョ
到着するとすぐに部屋に通してくれ…私が今回選んだ、瓢箪のお部屋。
象徴のでっかい瓢箪の置物がありますね(笑)
その場にいても次の視線の先にあるものが予測できない曲線のデザイン。有機体の中に取り込まれたような感覚が。
置かれている家具類もウニョウニョ。私は好きですw
この茶器はよく見かけるものではありますが、こういう自然のものモチーフの中にある方がしっくりくる気がしますね。なんか妙に似合ってた。
ちなみにこの瓢箪、暖炉になるそうです。火事とかの心配ないんかい?!
あとまあ南国だけど、Da Latは本当に冷える時期があるんだなーって感じですんえ。この時期(7月)の昼間はは十分に暑かったですが😅
そしてエアコンがない。
外は暑かったけど、屋内はそんなでもなかったし、夜は肌寒いくらいの気温だったので、冷やすためのエアコンディショニングは必要ないんでしょうね。
エアコンがない代わり、ダラットの、ある程度位以上のお宿のお風呂には、しっかりしたボイラーがついてることが多い気がします。
言うても、まだ10件もダラットのホテルには泊まれていないのですが、その少ない中でもほとんどがしっかりとしたボイラー付きでした。
まあ、この気候で水しか出なかったから、街が風邪ひきさんでいっぱいになっちゃいますものね(笑)
しっかし風呂まで徹底されたウニョウニョ感。そしてそれが決して散漫になっていないのは、自分的には好みだったり。
お部屋に泊まるに当たって
さて、お部屋のデザインは好きだったのですが、2、3、事前に知っておいた方が良いなと言うことがいくつか。
荷物が多いときは注意
まずこの瓢箪ルームは、5階でした。そしてそこにはエレベーターがない(・∀・)
階段は段差が浅く、割に位上がりやすかったことと、段数がそんなに多くなかったので、運動不足の私でも「無理ー!」ってほどではありませんでしたが、荷物が多いときは注意。
現在お部屋が17、だったかな?あると聞いてるのですが、どこのお部屋が何回か、まではホテル予約サイトにはなかった気がするので、事前に問い合わせるのもアリかと思います。
鍵が錠前
こちらのお宿のお部屋の鍵は、これ。
わあっ、錠前www
ぶっちゃけセキュリティが万全とは言えないでしょう。
しかし確かにここで電子カードキー、と言うのも違う。自然を支配するのではなく、「自然と共存しよう」というガー氏のポリシーとも違ってしまう。
だからその点では錠前の方が良いとは思うのですが、この時代。セキュリティに関してはこれを是としない方もおられるかと思います。
なので、こういうスタンスが許容できいない方は事前に知っておいた方が良いかなと。
私は、宿泊個数が少ないことと、この時期ほとんどが空き部屋だったこと、一般公開は夕刻で締め切られることから、貴重品は持ち歩くことで対処できる、と判断して「有り」でした。
何より貴重な建築物に宿泊できるというのはレアな機会ですしね。観光客さんが戻ったら、お部屋ももしかしたらとりにくくなるかもだし。
観光客がドアのすぐそばまで来ます
さて、宿泊用のお部屋は、この建物全体の構成要素の一つです。だから、もし宿泊客が入ってない場合は、見学スポットになります。
もちろんここのお部屋のドアは中から施錠できるので、中まで踏み込まれることはありませんが(笑)、日中はドアのすぐ外まで来られる可能性があります。
間近なところで知らない人の気配がすることに敏感な方は、そもそもここに泊まらない、または閉園時間までは外で過ごすなどの対策をされると良いと思います。
朝の開館時間は、8:30からだったと思います。
そんなにめちゃくちゃ早いわけじゃなので、ホテルに引きこもりっきりになる人じゃなければ、そこまで大きな問題にはならないかと。
複数人で泊まるときは電源タップ必須
こちら開業は1990年。
その後、箇所によっては回収されてるところもあるんでしょうが、その頃はまだ携帯もなかった頃。
よって、電源がそんなに便利な場所にもなければ数もありません。ので、延長コードや、複数させるタップがあると便利かも。
私なんか一人でもPC、携帯、モバイルバッテリーと充電するものがいっぱいだから、一人でも複数口タップ使ってましたよ。全然自然にやさしくないじゃないかっていう(。-_-。)
ともあれ、例えばお二人で、ご家族で、友達グループで泊まるときなんかには、あった方が便利かなーと思ったので念のため。
宿泊の利点!
それらを踏まえて、泊まってよかったなーってところ、行ってみましょう!
まずは造形が素晴らしい!
まあこれは泊まらなくても、拝観者として入場すれば体感できるのですが、イロモノ、と思われがちなこちらの施設。実際に見てみると、結構その予想を裏切られるかも。
とはいえ、私は建築の知識とかないので、あくまで「個人の感覚」なんですが…
Da Latのカラフルで澄んだ空気の中にある、愛らしく楽しげな風景と異質なような溶け込んでいるような。
プロの目から見たらどうかはわからないのですが、自分的にはもうちょっとチャチな感じかと思ってたんですが(ごめんなさいごめんなさいごめんなさい)、周りの風景と相まって、とてもいい感じの写真がたくさん撮れる。
そして個性的なものにありがちな、安っぽさは感じなかったんですよね。とてもポピュラーな観光地ではあるけど、お為ごかしてやろう、というようなセコさが感じられなかった。
これを滞在中好きなだけ堪能できるのは宿泊客の特権。
夕刻と早朝、客がいない状態の写真を撮り放題!
一般開放時間は、8:30〜18:00。
ということは、18:00 〜 翌朝 8:30 までは宿泊客のみに開放されているということ。
今は日中でもそんなにお客さんがワンサカ押し寄せてるってかんじでもないのですが、すぐにきっと混み合うと思います。
お客さんがいらっしゃる様子もまた良いものですが、興味惹かれたところで立ち止まり、存分に写真を撮りまくるのなら、一般客がおられない時に、好きなだけ堪能できるというのは、宿泊者の特権。
というか、至る所でつい足を止めて考え込んでしまうこともしばしば。
自分の場合は非常に思考を刺激されたり、問題の相似を感じさせられる場面が多く、気がつくと同じ場所で10分、15分。
これは人が少ない時にじっくり楽しめる方が良い。周りに人がいる・以内でも、そんな時間を持てる・持てないに関わってくるかもしれませんし。
どこも人工的なものなんですが、有機物の印象と対比できる無機質なガラスや直線を見つけた時の安堵感、という非常に矛盾したかにも見える感覚にも襲われるなど。
もはや現代に生きる自分には人工的なものの方が身近なものだからなあ。なんあらゆる方面からの思考思想が断片的に一気に押し寄せてきて、感情、というか、感覚と脳内が忙しい。そして楽しい。
(物理的に)自分のペースで見られる
自分のペースで見られる、というのは、観察や鑑賞のタイミングで、というのもありますが…
こういうね、細い回廊、というか通路が張り巡らされてるんですよ。しかも場所によっては容赦なく急な登り下りもあったりする。
下の写真なんて相当な下りなのに、左右のガードがほとんど無いに等しいというね(苦笑)
そして高さもあるから、落ちたら一巻の終わり。めちゃくちゃ消危険。ほかの細い階段もガードが膝ぐらいまでしかない。そして道は細い。傾斜はきつい。
若い頃ほど体の柔軟さはなく、そもそも運動神経の鈍い自分がリカバリーできないことは明白→やらかした時のことを考えて、めちゃくちゃ足がすくむ!😅
そういう居場所を通らなくても、施設内を回ることはできるわけですが、先がどうなってるか予想がつかないので、うっかり進み出したら最後、その後はもう行くも恐怖帰るも恐怖(苦笑)
ですが、そこを通らないと見えない景色もある。
リスクを取らないと得られないものもあるわけです。
ちぇりさん知ってる。こういう時にパニックになるのが一番いけないんだ。体力無駄に消耗するし、注意も散漫になる。
深呼吸、深呼吸だ。そして一歩一歩、歩き出す前にイメージするんだ。無事に次の一歩を出せてるところを。
そう、それは何事をするにも同じく必要とされるメソッド。仕事をするにも人間関係を築くにも、まずは落ち着いて自分に余裕を持って、理想をイメージしつつ少しずつ…
うわーん、でもやっぱり怖いよー😭
と、半泣きだったのが現状ですけどね。。。
しかし、いつぶりだろう。恐怖で足がすくんだのは。
多分お若い方にはなんてない道だと思うんですよ。でもね、自分にはめちゃくちゃ怖かった😅
これで後ろに人が詰まってたりしたら、恥ずかしいやら焦るやらで、あんなに落ち着けなかったと思う。
よって、自分には物理的な余裕をくれる「無人」の状態が非常にありがたかったという話。
それにしてもあれ、落ちた人、いないんだろうか。
もちろんみなさん無事であってほしいが、携帯落とした人は絶対何人かいただろうなあ。。。
お子さんとかは、これらの階段を通ることはお勧めしません。そして建物の安定した地に足を下ろした時の安堵感と言ったらもう(´Д` )
ある意味日常を忘れさせてくれた時間でした。。。こわかった。。。
宿泊者だけが楽しめる朝食ダイニング
さて、自分的には命からがら(そんな大げさな)、安定した建物の中にやっと戻ってきてちょっと疲れ気味。なんだかんだで1時間半くらいは散策してしまったし。
で、目指したい場所はどこだろう?と、何がどこにあるやらわからないままに進んでいくと…?
お、なんかそれらしい雰囲気になってきた!
そう、目指すは水のトリックアートのスペース。でもこの施設、広すぎる上にい、順路的なものが全くなくて、歩くたびにいくつもの分岐があり、それらが全く違う方向に進んでて…
そもそも地図の読めない女なので見取り図なんかあったところで役に立たんし、もしも行きたい場所に行きつけなかったらやだなーと思ってたんですが…?
おーっ、この色合い!
なんだかちょっと水の世界に近づいた気がする!
間違いない!
絶対この先に目指すところがあるはずだ!!
見えた!!!
これは…
目指すエリアの二階部分だ!なんとここ、こんな構造になってたのか!!
この2階から見下ろしたところにいる、大口を開けたちぇりさんみたいなサメはここの名物。
よく、この鮫のところに「きゃー!たべられるぅ!!」みたいなポーズをとりながら立って、この2階から撮影されてる写真がアップされてる。
しかし、綺麗だな。
この屋根の部分はさっき、ウニャウニャとしたデザインの中に見つけた無機質の安堵をくれた場所だ。そうか、ここだったのか。
というわけで、下に降りてみることに。
鮫が…迫ってくるな?(笑)
それにしても…
蒼の世界が美しい。
現実にはあり得ない構成だし、全てが作り物でしか無いのは明白なんですが、光の使い方や魚の流れ、舞い方などが空気…もとい、ここでは水か。
水を動かしているような感覚すらして、水族館大好きな自分はご満悦。
鮫の歯、踏んで見た(・∀・)
鯖が鮫の虫歯の診察してるようにも見えるな。大丈夫やで、鮫の歯は多分次々に抜けては生え変わるはずだから、虫歯はあんまり心配せんでもええと思う。
その他の大きめモニュメントは、いささかわざとらしい気もしたけど、ちぇりさん知ってる。プロのモデルさんにお願いしてこういうトリックアートで写真を撮ったことがあるんだけど…
モデルさんがいいとめちゃくちゃ楽しい写真が撮れるんやで。
しかしまあ、よくよく作る込んだもんだ!
間近でみると、その造形に対しての感嘆はそこまでではないかもしれないけど、総合的に俯瞰で見ると非常に心地よいデザイン。
角度による表情の違いもすごい。
個人的にはここめっちゃくちゃ楽しい!
あ、で、忘れてましたが…
宿泊客だけ、ここで朝食をいただけるのです!
もちろん部屋を予約する時か、チェックイン時にその意思は伝えておかなければなりません。完全予約制。
わあああああ。ここで食事をいただけるのかー!
だよな、ここはカフェにはできない。なぜなら日中はたくさんの観光客で賑わうからだ。
宿泊客もフルブッキングならそれなりの賑わいになるのかもしれませんが、この時は、館内を巡ってる時にも1人にしか会わなかったし、この会場は独り占めだ!
ウーーーワーーーーー!
ジャンクで好きー!!!(笑)
ちなみに朝食はブンボーフエ。
ちょっとシュール。
残念ながらとても美味しいとは言えない代物でしたが。。。まあよし。
いいんだ。ここにダイニングテーブルをセットしてもらって、すわりながら料理を供し、佇むことは宿泊客のみの特権なのだから!
というか、むしろ都合が良い。ダラットには食べたいものがたくさんあるので、朝食でお腹がいっぱいになりすぎてしまっては調査に支障をきたしてしまう。
温かいスープを胃の腑に落として、朝の活力のみ得るとしよう。
恐怖の階段回廊をやり過ごし、水の世界で感嘆に感嘆を重ねていたら、多少疲れもしたので、一休み、という感じ。
そして退室。
しようと思ったら反対側に行ってしまって逆戻り。
外への出口はこちら。
扉の格子が波打ち、魚が戯れてる影をあしらっているなど、最後の最後まで海の中。
そして太めをあげると天井にも。
本当にね、ここの中にいると水がそよぐ感覚を、錯覚してしまいそうになるのですよ。好きな空間だったなー。
ちょっと狂気的なところも含めて、映画:The Cellのワンシーンのようなところも多かった。
もしもお子さんづれだったりするなら写真を撮るのがたのしいでしょうし、そんなどこにでもあるデザインでもないので、かなり楽しいのでは?と、このデザインが好きな自分は推してしまう。
2022年7月時点で$28くらいでした
これは時期にもよるし、観光客が増えてきたら値上がりもされると思いますが、そんな値段でこんな体験ができたら、悪くないと思いません?
入場料は微々たるもの(60kドン・$2.5くらいかな?)だったかと思うので、差額は $25.5。そんな程度の金額で、これだけのアドバンテージをもらえるのだったら…
多少部屋が古めかしくても不便でも、お得と言わざるを得ませんな。
それに、建築学的な価値はわかりませんが、私にとっては非常に価値を感じる場所でした。なので、そんな微々たる金額でしたが、設備保全のための一助になれたのなら、こんな光栄なことはない。
なんならまた泊まりに行きたいくらい。
あの刺激はなかなか楽しい。
世にも刺激的な1つ星ホテル
こちら、星だけで宿泊施設の価値を見ると、1つ星なんですよね。ただご存知のように、星の数ってのは設備をどれだけ備えているかとか、サービスの枠をどれだけ埋めているかという点が主であって…
従業員さんの感じの良さや機転のきき方、また設備のデザインがもたらす価値などは別項目だったりします。逆にいうと、5つ星でなんでも揃ってても、「二度と来るか!」となるホテルもある。
このホテルは1つ星です。
決して設備的に優秀ではない。
ただ客に与える影響の個性としてはピカイチだ。
人の思考や行動の大本は、物理的な電気信号だったりしますよね。性格や人間性と言われるものも、電気により作られてると言える部分が確かにある。
その電気は個体が持つ個性にもよるけど、環境や状況に影響される部分も大きい。
だからこちらのような、完全なる非日常且つ生半可ではない人のイマジネーションに強引に取り込まれるような環境に置かれると、普段は隠れている自分が顔を出したりする。
こんな作用をもたらすことができる設備に星の数は関係ない。非常に稀有な存在ではなかろうか。
といわけで、
家族や友達と来て面白写真を撮るもよし。
ドネイトの心で訪れるもよし。
一人、非日常的な環境で哲学に耽るのもよし。
The Cellの精神世界的環境に我が身を置いて妄想を楽しむもよし。
いままでこれだけ多くの人に楽しみと刺激を与えているというだけでも、これは素晴らしい建築だと言えるのでは。
正直、変わり種の観光スポットだろうな、と軽く見て居たところがあった自分、伏してお詫びしたい。
お子さんが行って楽しいか?というのはあるけど、大人の方で人によっては、いろんな楽しみ方ができる場所だと思います。思った以上に素晴らしかった。
錠前だけどな。
エラベーターもないけどな。
訪れるだけでももちろん、面白いとは思いますが、宿泊も、私は価値があったと感じております(^・^)
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03 D. Huynh Thuc Khang, Da Lat
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