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ホーチミンの歴史を積み重ねて来た花香るチェー ~ Che Hien Khanh

ジャスミンの花が散り浮く甘やかなチェースイーツ

ホーチミンに店を構えて半世紀以上。コロナどころか、戦争を超えて「そこにあり続けるお店」。こんな素敵な「ベトナムのお店」があったなんて!!

チェーの魅力

チェーとはベトナムのおやつの一つで、いろんな食材をほんのり甘いシロップに浮かべたり、緑豆餡などと混ぜる、「日本で言うところのぜんざいみたいなもの」とよく言われます。

私は全く別物だと思ってますが。
このスイーツを最初に食べた時は…

なんだこの、薄らぼんやりした味の食い物は(-“-;)

などと不遜なことを思ってました。
が、日本のぜんざいより圧倒的にさっぱりとしており、滋養のある食材をふんだんに使ったチェーは、暑い気候のこの国ならではという魅力も持ち、今となっては私の大好物に。

しかし行きつけていたお店が数年前に突然なくなり、すっかり足が遠のいてましたが…?

こんな素敵なお店があったとは。

コロナどころか、戦争を超えて来たお店

どこもが大変な思いをした社会隔離期間中の飲食店事情。その中にあってこちらのお店は、そもそも名前が知られていたのか、コロナ期間中に大繁盛をしたのだとか。

おそらくは、みんな知ってはいるけどわざわざ出かけてまで食べるには、チェーって安すぎるんですよね。それこそ、18kとか20kとか100円以下。近所にあるならともかく、タクシー代まで使って食べに行くものじゃない。

しかしコロナ期間中、もともと多かったデリバリーアイテムがさらに増して、さらにベトナムではお店が負担するのではなく、注文者が配達員さんに別途配送費を払うシステムが多いので…

コーヒー1杯でも気兼ねなく頼めるのですね。そしてその配送費が、距離によるけど、それこそ10kからあったりするので(50円以下…)そんなに割高になった感もない。

自分が車で出向いたら、下手したらその3倍4倍かかるのですからやすいもの、と考えた人が多かったのか、とても繁盛されたんですって。

というかそもそもこの店の創業は1966年。戦争の前。でえええーーーーーーー!!コ、コロナなんか目じゃないじゃん(・∀・;

強えぇ…。おそらく昔はもっと単価が安かったのだろうから、薄利多売もいいとこだったと思うんだけど(今でもそうだ)それでも戦禍を超えてご健在…さらに今回の苦境も大盛況で乗り切ったという…

なんか鳥肌立ちましたよ。底力といいますか、なんかこう、とてつもないパワーを感じる。

718 Nguyen Din Chieu

住所は 718 Nguyen Din Chieu Q3。待って、Nguyen Dinh Chieuって、身近なとこだとコープがある未知だわよね。あの未知、そんな番号まであったの(・∀・;

お店は小さいし地味だし、知らなきゃわざわざ入ったりはしないかも。通りがかりじゃわからない。というか、通りが狩ることも少ないエリアだ、この辺。

道を挟んだ真向かいには小さな路地があって、屋台風の麺屋さんが気になる。

 

左側の方には、人が賑わうコムタム屋さんも。いいなこのへん。ちょっと中心地からは遠いけど、車で来れば大した距離ではないし、ご飯+チェーが楽しめるなら足を延ばすのも良いと思う。

ちょっと開拓してみたいな、この辺。

店内はレトロさ満載

さて、ホーチミンでちょっとお茶をする、とか甘いものを食べる、となると、素敵なカフェが目白押しですが、私はこういうお店にも、大変心浮き立ちます。だって…

ああ、なんかとてもベトナムだ。
エアコンがなくてシーリングファン。タイルを使って水を流して掃除がしやすいようになっていて(ベトナムの方は何かというと水を流してお掃除をされる)、淡いグリーンに古くからある壁掛けの絵やお皿。

注文をすると入り口のこのカウンターで作ってくれるスタイルもベトナムらしい。多くの食堂的飲食店もこのスタイルのところが多いですね。

あまりに浮かれて、せっかく英語メニューもあったのに撮り忘れてしまいました…orz

壁にあるのはベトナム語のメニュー。そもそもお店の方も一切英語を喋られない感じですから、一見ハードルが高そうに見えますが…

なんと。

2002年にこちらのお店のことを記事にされた日本の方がいらしゃったようなのです!それをお店の人は大事に飾ってくださっていて…

私は全く存じあげなくて大変失礼したのですが、もしかしたら日本の方の一部では知られたお店なのかもしれませんね。

とても丁寧で愛情あふれる記事を書いてくださっていて、思わず手を合わせましたよ。だってこれ、18年前の記事。

私がホーチミンに来た8〜9年前からでも随分と様変わりをし、その頃もまた、その前から比べると随分変わって来ていたであろう上に、過酷だったはずなのです。移動すら大変だったのではないかと想像するのですが…

そのころに、こちらのお店まで辿り着いて、日本の人に紹介してくださった方がいる。「なかにし じゅん」さんという方だそうです。

もう私は勝手に「なかにし先輩っ」と、心の中で呼ばせていただいてます。なんて素敵なんだ。

チェー色々

というわけで、3人+小さなゲスト一人で行って、いきなり4つ頼むなど。
ふふふ、またこのテーブルクロスの柄が、ね。レトロで、いいわ。なんか昭和の時代の田舎の家のダイニングテーブルにあったあった、みたいな感じの。

上の写真一番手前にあるのは、メニューの一番下にある、Che Khuc Bachというベトナム式パンナコッタが入った一品。

左のコップに入ったものは、Sam Bo Luong(サンボーロン)という、何と日本人には意外な、昆布が入ったチェー。レンコンとかナツメも入ってて、当初は私も大変戸惑ったものですが…

悪くないんですよ、これが。シロップも他のものとは風味が違ってて、ちょっとブラウンシュガー的なコクがある。漢方的なメニューから来てるのかと思いますが滋養もたっぷり。いかにも体に良さそうです。

プラス、プリンヽ(・∀・)ノ
Banh Flanですな。お店によってはカラメルの代わりにベトナムコーヒーがかかっているものもあるのですが、ここのは正統派のカラメルでした。そしてプリンはしっかり目の滑らかさん。

器が、またええがねー♪
何でしょうね、家の食器として考えたときは違うなーって思うんですが、こういうレトロなお店で見ると、これが、良い。

そしてこちらは銀杏のチェー。銀杏、茶碗蒸しに2個入ってたら大ラッキーと小躍りするのに、それがこんなに一度にたくさん。。。(*´ω`)

銀杏、食べ過ぎたら中毒になるとか言いますけど、あれドンブリ数杯とかいう単位での話ですから安心していただきます。

ただお子さんとかには刺激が強いかもしれませんので気をつけてあげてくださいませ。

粒がとても大きな銀杏は、ふーっくらと炊き上げられてて噛むとモッチリ。丁寧にアクは取られていて、銀杏の綺麗な風味と、その奥にほんの少し銀杏らしい苦味が感じられるかられないか。

そして食べてる途中に、別添えでやってくる氷をザグザグ足しながら食べるのが醍醐味ですな。

日本の昔のかき氷(今のみたいにふわふわじゃない)が溶けてる最中、水分の中にザグザグとした氷が混じるのを意図的に再現するような食感。

そしてこのでっかいのはライチーヽ(・∀・)ノ
まぁチェーに使うのは缶詰ですが、このライチの香りとここ特有のシロップが、ちょっと驚くような風味を醸す。

 これは…食べた方が良いですよ。特にシロップを食べる最初の一口目は、ちょっとハッとするような風味に驚かれると思います。

その風味については、後ほどの方がわかりやすいのでちょっとひとまず。

ちなみに、お店ではお花が浮いてなかった。逆じゃね?デリバリーの時には入ってたのに、お店では入ってなかった。

多分これは意図したものではなく、単に「その時掬ったシロップに入ってあったか否か」の違いだけだと思う。別にケチって、というわけでもないと思うので、お店で注文する時は、写真を見せてお花をリクエストしてみましょう。必ず聞いてもらえるものではないかもしれませんが。

サイドメニュー?

さてベトナムの食堂には、テーブルの上に色々な食べ物がすでにセッティングされていることがあります。これは食べた分だけ後でカウントされて請求される有料のもの。

小さなお子さんとかが興味の赴くままにバリバリ開けてると全部請求されますからお気をつけてw

その中に、こんなものが。
これ、私初めて見ました。サイドに色々なものがあるのは存じてますが、なにこれ可愛い。

Banh Phu Thue、というお菓子らしいです。
バナナの葉?を切り取って折り紙のように箱を作ってる。なにこれなにこれ、可愛い(((o(*゚▽゚*)o)))

そしてこれ、箱と蓋の合わせの箱になってるんですっ。えっ、微妙にサイズを違えて作ってるってこと?これ、絶対手作業でやってるよね(・∀・; まぁこのお店の方がやってるかはわかりませんが…

で、開けるとこんな感じ。
わあっ、なんかさらに可愛い!そして、これぞベトナム。

そこの部分から表面に渡るように葉っぱの紐をセットしていて、この紐を引っ張ると、器みっちりに詰まった生地を簡単に取り出せるという寸法。

これ、こういうとこよなっ。ベトナムの方の食に対する姿勢が表れてるのっ。

こういうことするのは「食べ手が食べやすいように」というのがありきだとは思うのですが、結局のところ、お客さんが食べやすければ、その食べ物への印象もよくなるし、そうなるとまた食べよう、ということになるわけで…

結局この食べ物への愛でもあるんですよね。そしてその愛を示すのに、手仕事を厭わない。あああもう涙でそう。こんな小さな、いくらだろうな、きっと金額もごくわずかなものに、これだけの愛を注げる人たち。なんて素敵なんだろう!

そしてこれは特段特別なことではなく、彼らには普通のことであるだろうことが、また素晴らしい。愛しいなぁ、こういうお菓子。

 

透明度から米粉ではなく、なにかしらの澱粉系、もしかしたらクズとかも使ってるかもしれませんね。その中に緑豆餡とココナツシュレッドが仕込まれてます。

水菓子ほど儚くはなく、キュッチキュッチとした感じですが、甘みは控えめで品があると言っても良いくらい。アジアンスイーツな素朴さはありつつも野暮ったすぎない。いいなこれ。

デリバリーもできちゃうんです

実はご紹介した順序とは逆に、私、話を聞いてから行けるまでの間に辛抱たまらず、食べちゃったんです、デリバリーで。

デリバリーサイト&メニュー

コロナ期間中、デリバリーで爆発的な大人気になったと聞いていたので、心当たりのあるデリバリーサイトを探したら、あったあった。

このデリバリーサイトは、今までいくつオーダーがあったかも表示されるのですが、ここは表示可能歳上限の、999が星の横に記されてますね。本当に人気なんだなぁ。

そしてメニューは、こういうデリバリーサイトを見た方が写真付きでわかりやすいかもしれません。

メニュー

どうやら各メニューに付け足されている、Gia da baogom chi phi hop 1,500d ってのは、容器代が入ってるよってことらしい。お店で食べるとその分安いですよってことなんでしょう。

そりゃそうだ。こんな金額のご商売で容器代とポータルサイトへの手数料まで考えたら商売にならない。

これで、いいと思うんですよね、他の多くの料理のデリバリーも、お店でのサービス代はかからないとはいえ、容器代って結構大変。

適宜で客側の満足度に繋がる容器であれば、乗せてもらって構わないから、快適に美味しく食べさせてほしい、と私は思うこと多いですねー。

 

プリンは安すぎるせいか、みんなたくさん食べるせいか、5個セットの価格で55kになるようです。最初55kの数字だけ見て「高!!」と思ったけど、5個だからむしろ安かった(・∀・)

そして、Banh Phu Thueもありました♪
デリバリーを頼んだ時には知らなかったから目に入らなかったわー。人間、知らないものや欲しないものは本当に目に入ってないものですな。

のちにお店に行ったら絶賛するものも、この時は一切目に入らなかった。人の意識が、新しい体験やものを見つけるのにどんなに重要かという話ですな。

届いた器がアベンジャーズ

というわけで、到着したのがこちら。

おい、キャラクター・アベンジャーズじゃねーかこれ。あひる水兵に至っては文字ロゴ入りだぞ大丈夫かこれ。

まぁ気を取り直して…まずはこの三種類。

下の写真は Che Thach Thap Cam。ライチ、銀杏、寒天その他の色々混ぜ。

そして…お気づきに、なられましたでしょうか。

そう、こちらのチェー、ジャスミンのお花が入ってるんです!シロップにもジャスミンティが使われていて、もうね、最初にデリバリーの器の蓋を開けた時の香りったらなかった!!!

Che Khuc Bach、ベトナム式のパンナコッタのチェーにも入ってます。というか、こちらのチェーのベースは基本、このジャスミンティフレーバーのシロップ。

ただこのお花は、ジャスミンティを出す際の副産物的に入っているもので、確実に、どのチェーにも入っているものであるかは約束されないようです。お店で食べた時入ってなかった。。。

この花の大きさも香りの強さも、昔に比べると随分小さくなったという話をお友達が聞いたというのを、さらに又聞きしましたが、それでも香るお花の芳香。

普段はエディブルフラワーに全く興味を示さないワタクシですが(特に美味しいものでもないので)ここのに関しては実に華やかで、なんとも個性を感じるチェー。めっちゃテンション上がっちゃいました!

そして下のは、Bach Qua – Cu Nan。

銀杏と、下のスプーンに掬ってあるのは、シャクシャクとした「クワイ」。ちょっと種類は違うかもですが、日本だとおせちに炊きものとして入っているレアな食材。

私は甘いものとして食べる習慣がなかったので慣れるまでにちょっと時間がかかりましたが、今では大好物の一品。

さらにこの下のは、Che Thach Thot Not。
お店に飾られていた、昔書かれた記事によると、おそらくはこれ、またはこれの綿状になってる観点だけ入ったのが、ここのチェーの原型のよう。

  

その後いろんな食材を加えたり、入れ替えたりしつつ、人気メニューが増えてきた様子。上の麺状の寒天は、私的にはちょっと慣れがいるかなーって感じであまり得意ではありませんでしたが…

甘いくずきりやトコロテンに慣れている方などにはいいかもしれません(^・^)

こういうところを名所という

夜はとても賑わうそうです。この日は昼に行ったのでのんびりしていましたが、近所の方と思しき常連さんがおしゃべりに興じていたり、お店の人は英語を話されないけど、とても穏やかに優しく接してくださったり。

きっと…戦前からこのお店の味を知ってて、今もたまに食べに来る、なんて方もいらっしゃるんじゃなかろうか。

飲食で50年以上続く老舗。サイゴンの、歴史の一部を担ってきていると行って良いであろう一角に、客として座らせてもらえるなんて、光栄なことだ。

そして歴史的なことだけで勧めているのではなく、大変美味しい。個性的で、まさにここにご案内する価値がある店。

大好きだったお店が閉店したり、縮小したりするお店が多くて凹む中、まだまだ知るべきお店があると思い知らされるなどしつつ、ほんのり甘いチェーを楽しめるこの幸せよ。

食べてみる価値のあるお店です。
そして、一度詣でてもバチは当たらぬお店です。

シンプルなチェーなのに、こんなに華やか。楚々としているのに、圧倒的にこちらの心を動かす魅力。チェーというものを見直しましたよ。

何より、戦禍を超えて、コロナを超えてきて尚、人々に愛されるお店がある、という事実は、多くの人、店にとっての希望じゃなかろうか。いい、お店を教えてもらいました♪

 

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お店情報

Quan Che Hien Khanh
718 Nguyen Dinh Chieu Q3
Time: 09:00 – 12:30 / 14:30 – 22:30
Spent : 50,000vnd / person

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