コロナによる社会隔離後に、おもてなしにと重宝していたお店もいくつもなくなってまい落胆もしていますが…頑張っているお店もあるんですっ。そしてとびきり素敵なお店もあるんです!
少なくとも数年前からあったようなのに知らなかった
割と最近カフェ使いをして驚くほど気に入ってたのだけど、ここは料理食べないと書けないでしょー、と思ってたら、「こちら、どうでしょう?」と、お誘いが!
こういうのを、天啓という( ・`ω・´)b(大げさ)
というわけで、改めて出向いたのですが…
地味よねーwww
ここの数件隣にあるカフェにはチョイチョイ行ってたのですが、割に最近まで気づかなかった。ここががあレストランだって。
入り口はバイクに埋もれてるわ、その先は暗くて鬱蒼としてるわ。客人をこの入り口に立たせるのはちょっとばかり気が引けますが、その先ですよ。
門をくぐって数歩進むと、もうこんなに違う風情。
そしてベトナムらしい、お供え物。街中のどんなにお洒落たお店でも、こういうお供え物をしているところが多いのがホーチミン(もしくはベトナム各地かも)。
壁の、幹の断面を並べたデコレーションも素敵ね〜(^・^)
それを抜けるとさらにシン…とした一瞬の間があり、その先に…?
入り口があり、通されるままに奥に向かったその右手。
わあっ、中庭的に池がある!
なんて素敵な!
ベトナムの人は縁起的にか、水辺を好む傾向があると聞いてます。例えば新しいマンションを建てる際にも、敷地にわざわざ池を掘って「レイクサイド」と銘打ったり。風水的なものが中華圏から入ってきてるのかなー。
ここの池も多分作られたものなんですが、その四方を囲むように、各々の辺で違う趣の客席も作られてました。
メインは先ほどの入り口からさらに奥に進んだ場所と左手になるのですが、客の入りが多い時や、大人数での宴会時にはこちらを使わせてもらったりもするのでしょう。
それにしても、どこのお部屋も雰囲気あって素敵だなー。休憩時間に入ったのか、賄いを食べてたスタフさんたちがくつろいでいるところに(邪魔してごめんね)的に会釈をしたら…
私の大好きなこちらの方の屈託のない笑顔で会釈を返してきてくれて、可愛かったなー(*´ω`)
通り道のあちこちに、今となっては貴重なソンべ焼きが無造作にカゴに守られて飾られてるのも贅沢。
もう、今風合いで焼ける釜がなくなってるんですよね。ソンべの釜は今もあるけど、それは電気の釜であって、仕上がりの風合いがずいぶん違う。
それはそれでとても愛らしいのですが、昔の窯のこの風合いは、もう得られない。アンティーク。
さっきほどの池を眺めながらのお席だったらこちらがおすすめ。私なんかは涼しい方がいいので屋内派ですが(笑)、欧米の方とかは敢えてのお外がお好きなので、そういう方をおもてなしする機会があれば選択肢の一つに。
で、先ほどの池を反対側から見たところですが、素敵よねー。ってか贅沢。ちょっと写真を撮り損ねたのですが、この牧歌的な雰囲気の背後には近影的なビルが並び、まさに「今」のホーチミンを切り取る一枚が撮れそうです。(いや撮っとけよ)
ま、また絶対行くからその時こそ…(。-_-。)
場所は変わってメイン会場。チェッカー時のフロアにギンガムチェックを合わせるセンスよ。
ストラクチャには木の枝を活用したり、デコレーションにも自然素材のものを多く使ってるのですが、そこに直線的なパターンを適量活用して組み合わせるという上級コーデ。
どこのデザイナーさんが入ってるんだろうなー。
こんな個室もあったりします。
やだ、使いたい。
日本だと、個室を構えるレストランでそこをリザーブする、なんていうと大層なことになりがちですが、ベトナムだと手の届く範囲でそれが楽しめるからいいよねー。人数は集めないとだけどw
豊富なメニューですがローカル向けの上級編
まずは席に着きましょう。場所によってその趣はそれぞれなんですが、私たちの座った席の横には細い木の幹を積んだ壁で仕切りがあって、居心地が良い。木肌っていいよね。
そしてナプキンを西洋風にセッティングした、「ちょっとええとこ感」。
ぶっちゃけましょう。メニューは正直、初心者には読み解きにくい内容です。
英語も添えられてはいるのですが、基本、食材+調理法の羅列。その二つが把握できる人にはわかりやすいことこの上ないけど、それでも絵的なものは描けない。
旅行者さんにもぜひご紹介したいお店ではあるけど、メニューの解読は相当大変そう。敢えてそうしているのか、客層も全てローカルの方だったし、外国人のお客さなは稀なのかも。
そしてご覧の通り、麺料理とかでも200kオーバー、ということは、おそらくポーションが大きいんですよね。
高級店だからこの価格、というところも確かにあるのですが、この価格でもローカルの方がこれだけ昼から賑わっているというのは、コスパは悪くないと見た方が良い。
且つ、シェアできるものが多いと読む方が無難で、この価格でもある程度の人数で来て分けて食べれば、結果的にリーズナブルに収まるよね、パターン。
でも日本円にしてみれば千円アップくらいから。こんだけ素敵なお店なんだし、そのくらいはするよね、と人数分+数品、とか、様子を見ないままに頼むと、えらい量になってビビったことが過去にいったい何回あったかw
なので、価格帯と客層を見て、高いだけの店じゃないと踏んだら、最初は控えめに頼み、様子を見て追加するようにしています。1度しか頼めないわけじゃなし、料理初見のお店は用心深く。
ま、在住者の方だったら持ち帰りさせてもらえるので、頼み過ぎてもそれはそれ、なんですけどね。
ところでこのセッティング、素敵じゃないです?特に箸置き。箸ケース?
竹を割って作ってて、一部、筒部分を残してるだけなんですけど、可愛いよね。ベトナムらしいし(竹細工が盛んなので)。ランチョンマット部分のデザインも素敵。徹底してますな。
トラディショナルなスタイルに個性を突き詰めたレシピ
さて料理です。
3人で4品頼みました。ちょっと多めなのは承知の上です。
事前にネットでメニューは読み込んで行っていたので、ご一緒させていただいた方のご意向を聞いて絞り込み。
Young Coconut Tree Salad with Crispy Bacon
まずはパルミット(椰子の木の若芽)のサラダ。アクが無くてフレッシュなタケノコの薄切りを連想させる食感で、日本にはない、ベトナムだからこそ食べるべき食材ですが、日本人に違和感なく親和性も高い。
おまけにここのは大きなエビも乗っていて、且つそのエビがとても良い熱入れをされており、「上等なサラダ」であることは一目見れば一目瞭然。
さらにはタイトルにあるように、豚バラを塩仕込みしたものを長時間しっかり油で揚げて皮周りをカリカリに仕上げたベーコン「様」のものも混ぜられてます。いわゆる日本人が想像するベーコンではないので、そこだけご留意を。
実際食べても大変美味しく、ボリュームも満点。確かこれは180kという価格で、日本円にすれば800円ちょっと、と、このランクのお店であれば普通の価格に感じますが、こちらでは結構な金額。
でもその価値は十分に感じられ、むしろおもてなしをする際にはこのくらいの質感、ボリュームがあって欲しいと願うレベル。良き。
Deep Fried Spring Rolles with Shrimp and Century Egg
揚げ春巻きです。
私、初めて料理をいただくお店では、メニューにあるなら揚げ春巻きを頼みたがる人。なぜなら、揚げ春巻きと一口に言っても、とてもバリエーションがあるんですね。それが楽しい。
で、ここのはタイトルを見る限り、Century Eggが使われているという。ワクワク(*´ω`)
うん、やっぱりかなり大ぶりの揚げ春巻きが4本分、2分割されて出てきました。これ1片でもなかなかな大きさ。そこに花びらが散らされており、見目にも華やか。
メニューの一番最初にあったし、名物料理でもあるのでしょう。220kという金額も納得。むしろ、安いです。この味わいと分量だったら。
ご覧の通り、豚のミンチにプリップリとしたエビが入り、そこにCentury Eggが濃厚な味わいを添えてて、実にリッチな味わいです。え?だからなんだその世紀の卵ってのはってか?
ピータンですヽ(・∀・)ノ
あの真っ黒で、時に黄身部分は濃灰色でどろりとしており、およそ美味しそうには見えない不気味な卵として認識されていますが、あいつ、栄養価は高いわ旨味率は高いわで大変優秀な食材。
それそのものを食べるとなると抵抗を感じる人もいるかもですが、このようにアクセント、または味の構成の一部を担う形で食べるのなら平気な人も多いかも。さりげなく、主張しなさすぎるのでどの味がそれかわからないままに食べ終わる方も多いと思いますが、めっちゃいい仕事してます。贅沢。
実はこいつがいい仕事をしすぎてて、本来スパイシーなタレがついていたのにつけ忘れ…orz つけたらつけたで絶対美味しかったはずなのに、惜しいことした。。。
Grilled Escargot Black Pepper Sauce
メニューには写真があったほうがわかりやすいけど、これはなくてよかったと思う逸品。ガイドブックなどでは「巨大タニシ」みたいな言い方をするので、さらに日本人が避けたがる。
こんなに美味しいのにイメージだけで避けられるならまだましで、紹介もされないから避けるために知られることもないという残念な事態になりがちな食材。
メニューには、Escargotと書かれてますが、当然ながらカタツムリでもなく、またタニシとも違うリンゴガイと呼ばれる種類の貝で、清廉でもありながら旨味がしっかりとあり、実に食べやすい食材でもあるのです。
ガイドブックに載っている料理は、これの肉詰めであることが多いのですが、この料理はシンプルにグリルされたもの。味わいは、サザエの壺焼きよろしく醤油ベース。
そこにベトナム特産のブラックペッパーがたっぷりと効き、甘みも加わってちょっとピリッとした甘辛ダレのようになっていてグッとくる。これ自分だけじゃないと思う。
日本人には「そこに胡椒持ってくる?」と思うかもですが、すんなりと受け入れられるはず。いやむしろ「なにこれ美味しい!」と、馴染みがありながらも好まれる味だと思う。
独断と偏見で私が勝手に注文し、どうしても食べてもらえなかったら私が一人で片付けるか、という覚悟を持っていつも注文してるのですが、ご一緒させてもらった方も大変気に入ってくださったらしく、一安心(*´ω`)
「こんな貝料理があるんだ?!」から始まり「今まで食べた貝料理の中でも出色…」のお言葉までいただきました。冥利につきる(๑•̀‧̫•́๑)
Steamed Red Cargo Rice served with Grilled Pork Skweres
これは実は隣の方々頼んでて、お皿が可愛くて頼んでみたくて、オーダー取ってくれてる肩に(ねねっ、あの隣が頼んでる丸いお皿の料理、なに?)と聞いて頼みました。
スタッフさんは隣のテーブルを覗きに行って確認、こちらにメニューでどれかを教えてくれてのオーダー成立。
日本だとちょっとお行儀悪いやり方かもしれませんが、ベトナムではよくある話で、もっとローカルなお店に行って周りがどんな料理を頼んでるのかなーなんてキョロキョロしてたら、
「あ、見る?」とばかりに別のテーブルの人が席に連れてってくれたり、店員さんが腕を取ってあっちこっちのテーブルを見せて回ってくれたりすることすらあるくらい。おおらかw
で、とてもシンプルなのですが、赤米と豚の串焼き。豚は柔らかさとジューシーさを保ったまま、というか、甘辛い下味にしっかりとつけ込まれていたのか、焼かれてもジューシーさを逃さないように調理されており美味。
かなり味が濃いのでビールが進むわ、飯は進むわ。でもまたこの添えられてるRed Riceというのが大変美味しい。
いわゆる日本人が期待するご飯とは様相がずいぶん違います。ポロポロです。一粒一粒が薄い皮に覆われている感がありますが、口に触るというほどではなく、かすかにプチプチした食感。
「この食感、楽しい!」
という感想をいただきましたが、そうなんです、楽しい美味しさがあるんですw 糖質はさほど高くない味わいでアッサリで、むしろその食感の存在感の方が大きい気がしますが、ともあれ、美味しい。
美味しくて、ついつい豚肉がん無視して米だけ食べ進めてしまう事態にw または先ほど食べた貝のソースがお椀の中に残っており、そこにこのコメを投入、混ぜて食べたら、はーい美味しー!
誰も「こうして食べるぞ!」とは言ってませんでしたが、みんな無言でそれをやってて、うんめうんめと食べていたというねw
ベトナムはお米の国。日本もお米の国ですが、ベトナムはもっと多種多様なお米を楽しみます。好き嫌いはあるでしょうが、せっかくこの地に来たり住むなら、色々試してみたくないです?
自分で買って炊くまではしなくても、レストランでの機会にぜひ(^・^)
住んでる人間がワクワクする空間
突飛なサービスがあったり、目新しいものばかりが揃っているわけじゃないのですが、ベトナムらしさが溢れたアイテムや、自然素材とカラフルさの組み合わせ、
そして普段目にすることが少ない、でもベトナムでは昔からあり、一部の人には生活に根付いているアイテムなどがインテリアとして使われていて…
ホーチミンに住んで8年以上。
未だにときめいてしまいましたよ、この街のレストランに入って。1600件もレビュー書いて来て散々巡ったつもりだったけど、まーだまだですな、こりゃ(・∀・)
とてもチャーミング、且つ料理のプレゼンも味もよく、個室対応もできればカジュアルにサクッと使いもできるお店。
抜かりました。
こんなお店を知らなかったとは。
私が大好きな飲食店オーナーさんも、こちらのお店がお好きと聞きました。知ってる方は、やはり良いところをご存知ですなぁ。心を新たに、さらに食べ歩かなければー(๑•̀‧̫•́๑)
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お店情報
Bep Nha Luc Tinh
37 Nam Ky Khoi Nghia Q1
Time : 08:00 – 22:00
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