ホーチミンに限らず、ベトナムの飲食シーンには、賛同したい、そして見習いたい団体がいくつもあります。
La Boulangerie Fancaise .
恵まれない子供達への教育機関。しかも社会に出るまでを一貫してサポートする徹底対応。社会貢献として素晴らしい成果を上げている団体を、新しく知ることができました。
「あのお店」で遭遇したクロワッサン
いつものように「あのお店」、
に行った時のこと。ちょっと前までこんなものはなかったのに、クロワッサンが置いててある????
どしたのこれ?と聞いたら、パッと顔を輝かせた店主さんがご説明してくださることには。。。
La Boulangerie FrancaiseというNGO団体
La Bolangerie FrancaiseというフランスのNGO団体があるそうです。そこでは、恵まれない子供達にパンの作り方を教え、社会に出る際の技術を伝えているそうです。
フエで1998年に創設された、フランス式のベーカリー技術を教える学校。もう20年以上になられるのですね。
であれば、お聞き及びの方もいらっしゃるかもしれません。私は我が愛するZUZUさんにて知ることができました。
一年後の1999年には、生徒たちの作るパンを売ることで、この学校が必要とする経費の多くを賄うことに成功したといい、social business のモデルとなったようです。
昨年の2018年までには、90人の生徒が卒業し、その96%が就業に成功。その多くは、5つ星・4つ星のホテルの仕事に就き、12人は、自分のベーカリーを持つに至ったとか。
他国にて、自国の誇れる食文化を伝えつつ、子供達に社会で生きる技術を伝える。そしてそれには需要が生まれ、多くの人に美味しい幸せを届けるという素晴らしい事業。
ベトナムの食文化についてあれこれ言っておきながら、今まで存じ上げなくてお恥ずかしい。それを知らせてくれたZUZUさん、ありがとう。
クロワッサンのお味
で、早速買って帰ったクロワッサン。これが。。。
美しい。。。
で、なければ、私、買ってなかった。
物を買うときに私は、それが食べ物であれなんであれ、チャリティだから義理で買う、というのは作り手さんにも失礼な気がして、「良いものだから買う」または「良いものそうだから買う」という基準を持っています。
そしてこのクロワッサンが、ZUZUさんのカウンターにあるのを見たときに、明らかに美味しそうなオーラを感じた。だって。。。
この色艶、そしてエッジの立ち方。クロワッサンやデニッシュ生地で、このシャープなエッジを立たせることが、どんなに難しいかという話です。
ブーランジュリーは、きっちりと温度管理をされているのでしょう。この気候の国で自宅であっさり作れるものではありません。
ちょっと拡大。
右側のパンの下側、薄く剥がれかけている外皮部分に、その薄さを感じることができるかと思います。
そして想像して見てください。そこを指でつまんで持ち上げたとしたら…(サリサリサリっ)という音が聞こえてくるようではないですか。実に美しい層ができている。
そして割ると、この様相。
クロワッサンは、小麦を練った生地とバターを幾重にもの層にした生地を作ってから成形焼成するのですが、その際にバターが溶けると生地がダレる。ダレると層にならず、隣の層とくっついてモタつく。
上の写真のような美しい造形に仕上げるには、並々ならぬ技術が必要。見た目が成功要素を満たしていたら必ず美味しい、というものではありませんが、見た目を満たせていないものは論外です。
そして、このクロワッサンは、美味しかった。
最新鋭極上ブランド・ブーランジュリーと同じ味、または洗練さ、というのとは違いますが、しっかりとした技術の上にある誠実で素朴な味。この場合の「素朴」は「誠実」と言い換えても良い。決して未熟さを表すものではないことを知っててほしい。
「このパン美味しねーって伝えると、すっごく嬉しそうな顔するんです、子供達。そしてパンが売れていることを知ると、自信も出てくるのか、とて誇らしげな笑顔になっていって、すっごく可愛いんですよー(*´ω`)」
とは、ZUZUさんの談。その話を嬉しそうに慈しむようにされるあなたも、私から見ると十分可愛いがなw
良きものが、良きお店にたどり着き、良き人の手に渡っているようです。素晴らしい循環ですね。
その後、フランスパンも買って見ました
別の日に行くと、フランスパンがあったのでそれも買って見ました。
縦一本のクープ!!!(割れ目)
私はフランスに行ったことがないので、どうしても斜めに入っているクープを想像しがちだったので、結構衝撃。この長さに縦一本のクープ?!!!
む。。。難しそう。。ほぼん均一に美しく開かせるためには、生地の段階が非常に正しくないと難しい。ひいいいい。。。。
そしてこの不規則な気泡。フランスパンに関しては、キメが整っていない、場合によってはスライスした際、穴が開いてしまうところがあるくらい、気泡に大小がある方が、生地の状態の良さを示す、と記憶している。
パンの種類や、フランスパンの中でも場合によってはそうとも言い切れないケースがあるかもしれないけど、私はそれを一定の基準としている。
で、食べてそれが証明された。うまい。滋味深い。かなり固めなので柳葉だと溢れるんじゃないかと、慌ててパン切りナイフを取り出したんだが、その硬さも「正当な」硬さであるため、噛み締めるごとに旨みに変わる。
トルコの極上のオリーブオイルに、ハーブが入ったベトナムのライム塩を混ぜたものをつけながら食べると、細いとはいえ、50cmはあろうかという長さのフランスパンが一気になくなりかけるほどの美味しさで。。。(食べ過ぎです)
「美味しいから」買って見てください
背景として、このパンはソーシャルビジネスの側面を持っています。でもチャリティだから買ってください、とは私は言いません。
美味しいから、ご興味があれば買ってみてください。私もまた次、まだ食べてないパンオショコラを買ってみようと思っています。そしてこのフランスパン。かなり美味しい。顎が疲れるほど噛み締めたくなる美味い生地。贅沢です。
フランスパンの持ち帰り方
さて、小話を一つ。
このフランスパンを持って帰る際、ZUZUさんでは大きな紙袋を用意されて、綺麗に包んでくださっていたのですが(プラスチックの袋は使わない方向)、フランスの方にはそれがとても不思議に写るんですってねw
「乾いてるのに、なんで袋がいるの?手で持って帰ればいいじゃん!」
と、直にムンズとパンを掴み、持ち帰られるのだそうです(ZUZUさん談・笑)
「乾いてるから」???!!!(笑)
いや、言われてみれば、手でつかんでもそんなに汚くなるものでもないだろうし、近所だったら持ち帰る際の外気も大して気にならないかもしれませんが。。。
文化の違いだなぁっ(笑)
こんなところにそんな多文化との驚きの違いがあるとは知りませんでした(笑)。フランスの方、合理的( ・`ω・´)b
でもちぇりさんは握って持って帰ってたら、きっと乾いていても取り返しがなくなるほど、どこかにぶつけたり落としたりすること確実なので袋に入れてもらいましたとさ(。-_-。)
フランスパン用の布の袋、ひとつ買おうかなーw
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