珍しく、 ホーチミンの和食 レポ。このお店、すごいです。ベトナムの方、または諸外国の方からの評判がすごく、足を向けずにはおれず行って見たら、すごい。。。
さらにすごいのはこちらのお店。。。詳しくは記事にてゆっくり。
ホーチミンの和食 初?炉端焼きのお店
こちらのお店ができたのは知ってました。でもご存知の通り、何度「和食のお店にも足を向けねば」と思い直して行って見ても、点数が辛くなる。自分が日本人で日本食を食べ慣れているからというのがあるとしたら、感じたことをただ書くのもお店にはアンフェアな話。
というわけで、勢い、手持ちの数が少なくなってる。でもよく聞かれるんです。「和食屋さんで推すならどこ?」「接待に使える和食のお店ない?」
以前はあったけど今は無くなったとか、日常のご飯には良くても、日本人以外がたまの和食にちょっと気張っていくお店となると…
そんなかで、久しぶりのスマッシュヒット。ここすごい。評判はベトナムの方や諸外国の方から聞きました。そして実際、この店の前を通りがかると、いつも満席。よく入ってっる。相当、いろんなものを食べ慣れてる方もリピートしており、いかほどのものかと、興味を掻き立てられずにはおれず、先日行ってまいりました。
そしたら…
全てにおいて作り込まれてるコンセプト
Dong Khoi通りから Ngo Duc Ke 通りに入ったすぐのところにある、Grand Hotel敷地内1階。YENさんという、ベトナムの方には人気のお店の系列で、こちらの店舗も併設されてます。
すっごい場所ですよね。下世話な話、家賃いくらだよというところですが、相当な敷地面積を誇ってる。YENさんと入り口は一緒で、入るとSHAMOJI側に誘導されます。そして茶室の入り口のように小さな入り口を腰を屈めて入る、というアトラクションから、このお店はスタート。
最初に目に入ってくるのはYENさんの店内ですが、わお。3区のお店に行った時はどうしたもんかと思ったけれども、ここの店舗はざっと見た感じ、かなりその路線でも(どの路線だw)絞り込まれてきた感じで、印象は悪くない。
続くSHAMOJIさんの店舗内は…?
この日は上に上がってる人は見なかったけど、中二階的な作りの席も作ってて、YENさんに比べるとかなり狭い店舗内を上手く使ってスペースを使ってる。
そして1階はほとんど満席。いつも外から見てた満席ぶりより若干少なめだったけど、雨降ってたからなー。で、ほとんどがベトナムの方。この日、一人も日本人は見かけなかった。マーケティングがベトナムの方向け何だろうか。
にしては、カウンター上に置いてある炉端焼きの材料が全て日本語の表示付きで出されてる。しかも、日本ならありがちな「味のある文字」にて。すごく日本的。カウンタ上部に貼ってあるメニュー札も全部日本語。ローマ字なし。
しかし客には一人も日本人がいない。まぁまだ一度きりの訪問だから、別の日は日本人がたくさんなのかもしれないけれども、まだあまりここに行ったという人の話が入ってこない。ということは、この文字はファッションとして使われてるのか?にしては間違いもないし、むしろアート性も高いと言える。
カウンター内に見える人たちの仕事ぶりも実に日本的。というか、そもそも炭火焼きに関しては非常に長けた方の多い国だから(もしかしたら日本よりも炭火の使い手は多いんじゃないかと)炉端焼きって、ベトナムの方のオペレーションにはすごく向いたジャンルなのかも。
非常に無駄ない仕事ぶり且つ、仕込みぶりが美しいのっ。どういう方が指導に入っておられるのか存じませんが、大変見事。食べる前から(この店、すげーな…)という気合がバンバン伝わってくる。日本人の私が圧倒されるくらい。この街の日本料理屋さんにはなかなか感じられない様相。
そして同じくカウンターに置かれているものを見て驚愕するのです。
仕事ぶりとメニューが促す期待感
What do you say.
炉端焼きなので魚の焼き物は何種類かあるのですが、その中の筆頭とも言えるのがこちらの鯖。完璧な浜焼きのための串打ち。火の通りを良くするための包丁の入れ方。時間を経た鯖のみは非常に脆くなるので、それまでの手入れの仕方や保存法も非常に大事なのですが(そこができてないとボロボロと身が割れる)、それらすべてが完璧にできている。
この日、この店来たのは友達と私、2人だけ。には、このサイズはちょっと大きいだろうか?と思ったのだけど、これは頼まずにいられない。そしてこれだけ、というわけにもいかないので、他のものを選ぶためにメニューを見てさらに驚愕。
日本料理、でもあるけど、日本の「炉端焼き」「居酒屋」にあるようなメニューを良く抑えてる。そこにベトナムで手に入りやすい食材、という点も考慮して、ローカルの人も受け入れやすい内容に。
今回は頼みませんでしたが、鮭のなめろうは、作ったなめろうを生で盛って、客の前でバーナーで炙るというプレゼンテーション付き。
ナス焼きとか、絶対日本のより私好きだわ。だってこの国のナスの味わいは格別。それを炭火焼きでとなると、完璧すぎて食べる前から賞賛せざるを得ないわな。
串焼きも色々。大物ばかりじゃなく、ちょい食べに頼みたくなる焼き鳥系。これも今回は頼まなかったけど、仕事ぶりを見て、他のオーダーを食べて見た限りでは、かなり美味しそうな予感。
全体に、市内に既存の居酒屋さんより若干価格は高め、だけど、高すぎてあそこはいけないねー、というほどではなく、且つ、それでも食べたいと思わせるラインナップ。わーお。
連れが来るまでの10分間ほど、ひたすら感心仕切りでメニューに見入ってました。ビールくらい先に頼めよって感じですが、これは楽しい。期待値が高まるメニューに、それを保証するかのような仕事ぶりが目の前のカウンターで繰り広げられてるんです。久しぶりに心踊る日本食屋さんでのひと時。
3種類、食べて見ました
まずは前菜的に、エビのなめろう。この国のエビは生で食べられることも多いです。海鮮料理屋さんに行くと、「Sashimi」として提供されていることも多い。けど、食材に詳しい方の話では、出どころが明確でない限り、特に養殖ではどのような条件下で育っているから安全性がわからない、と注意喚起する方も。
私もそこは確証が取れていないので、これは自己責任で食べて見て欲しいのですが、わーお。フードアナリストとしては褒められた行動じゃないことは自覚していますが、止められなかった。そして美味しかった。。
酒飲みのツボを押さえてますな。。
たまらん。
そしてこちら。ネギの豚巻き。提供されるときには、大きな「しゃもじ」の先に料理が乗せられ、お客さんに提供されます。さすがにテーブル席までは無理ですが(笑)、カウンターに座るとそういう特典があるようです(笑)
甘ダレと生の卵黄がつけダレとして提供されてます。この辺もかなり日本的。きつすぎず、緩すぎずネギが巻かれた豚肉はしっとりと仕上がり、表面ぱ薄くパリッと!焼き方の妙を存分に楽しめる一品。こんなにシンプルなのに。やっぱり美味いわ、期待通り。
それにしても…MoMo Paradice さんが、ベトナムの方に生卵を食べる習慣をかなり広げてくれたとは思っていたのですが、
ベトナムの方主流のお店でこれを出すかー。しかもこの料理にだけでなく、他の料理にも生卵を提供してた。もちろんこれだけ手広く飲食業をやっていらっしゃる方ですから、その危険性も把握して安全なものを出していらっしゃるとは思いますが、それ以前ですよね。
本来卵の生食の習慣がない土地で当然のようにこれを出してるっての。その辺の決断ラインからも攻めてるなーと。
そしてお目当の、鯖。
OMG。
皮目はパリッパリ、そして中はしっとり、と攻めているけど、きちんと中まで火は通っていて見事な焼き方。本当に、見事。大根おろしではなく生姜がそえられ、醤油は、これは好みでしょうが、九州の人間には嬉しい甘口。
完璧。
浜焼きなんて、日本でも限られたところでの名物だと思うけど、ホーチミンでこんなに完璧な鯖の浜焼きが食べられるなんて。
と、心底感心していると、パッと電気が消えまして、何事か?と思ったら、Show Time。こちら、聞いてはいたのですが、藁焼きが名物だと。それにしては普通にずっと焼いてたよな?と思ってたら…?
Soiya! Soiya!と、一世風靡みたいな(古い…)掛け声とともに、バーナーで藁に点火!!そしてガンガンと素材を焼いてます。多分素材にはチョイスがあって、炙り焼き的カテゴリーがあったのかな。今回食べられなかったのは残念。次回は必ずや。
ちなみに藁で焼くのはパフォーマンスの意味だけではなく、炎の特性に意味があります。ガスの場合、燃焼する際に水と二酸化炭素が生成されますが、藁の場合には水が生成されません。
且つ、藁が燃える時の炎の温度は800〜900どという高温。その温度で素早く表面だけを乾いた炎で焼く。この焼き方が向く素材があるんですね。日本ではカツオが藁焼き素材の筆頭ですが、考えてみればカツオの仲間が多く売られてるホーチミンのお魚事情。これは非常に向いている調理法かもしれません。
ベトナムの方による、勢いのある日本料理
お店のつくり、コンセプト、メニュー構成、調理の技術と、こちらが圧倒されるほどの仕上がりで、且つ、オープン当初から客を離さず満員御礼状態を続けているところから、マーケティングやコマーシャルの手段も適宜なのでしょう。
そして手が出ないほどじゃないけど、一般ラインより高めの金額設定で、それを出しても惜しくないと思わせる充実の内容で、同時に客への信頼も示し、実際良い客層が集まっていると思われる、
すごいわ。正直なところ、3区のYENさんへの感想は、そこまでではありませんでした。包丁の技術などは素晴らしかったけど、酢飯がアレンジされすぎていて、私の口には合わなかったし、あの内装も。。。
でも結局のところ、あのお店は店舗を増やし、ホーチミン市内でローカルの方の支持を得ていて拡大の一途、その先に今回の一等地への進出です。私の口に合わなかったことなど瑣末なことで、ビジネスとしては大成功。そしてさらに上を目指した結果が、このSHAMOJIさんなのかなと。
このお店のおかげで、この街の日本食のスタンダードが変わるかもな、このお店が牽引していってくれるかもな、とさえ思えるほどの圧倒的なワクワク感でした。まだ食べていないメニューも多いのでリピートが必要ですが、是非そうしたいと思えるお店。
耳に入ったのも日本の方以外からなら、お店も日本の方以外からの発信で、こんなにワクワクさせられるとは。夜だけの営業のお店ですが、機会があったら是非一度。うまいですぜ。炉端焼き。
再訪しました
あまりにも興味津々すぎて、早速の再訪。
もう食関係の方の間ではものすごい評価になってますね。当然と言えば当然。私も最初からショックを受けたし、その後も早くまた行きたくてたまらなかったもの。かつてこんなに食欲をそそる和食店があっただろうか。
上は、藁焼きパフォーマンスの際に焼かれた魚をいただいたもの。どうやらあのパフォーマンスは、パフォーマンスのためのパフォーマンスらしく、注文が入ったからやるものではないっぽい。
よって決まった時間、日に決まった回数が決行されるだけなので、焼いた魚は、特に注文が入っていたということではないので、そそくさとラップをかけられ、奥に引かれようとしていたのです。なんてこと!
「あれちょうだい!!」
と言ったら出してくれたので、客に絶対出さないものではない様子。焼きたての藁の香りがついたお魚なんて、貴重やんなぁ。いくら取られたか見るの忘れたけど、大した金額じゃなかったのは確か。藁焼きパフォーマンスがあった時は、ぜひリクエストして見るといいと思います♪
魚のモツ和え。うまいし。そもそもベトナムの方もこの部位食べるんよな。調理法は違うけど。ここがうまい、とわかってくれる方たちなので、指導はあっただろうけど、道理の通った味がする。
鯖の浜焼きは外せない。やっぱり美味しい。そして私はこれに添えられてる醤油が好きだ。出身地域によって好みはあると思うんだけど、そして醤油がなくても美味しいのだけど。この醤油をつけて食べるのが好きだ。
イカクチチーズ、と言う、ちょっと言いにくい、そしてそれが何かは何と無く想像できるけど食べたことないし食うとこあるんかい?!と言う想像を掻き立てられる料理も。。。
すっげウメっす!!!ジャンキーやで?ジャンキーやけども、すっごい好きだわ、このソース。そして食べるとこ無いやろ、と思ってたイカの口は、食うところがないものを出すはずもなく、硬い茶色のクチバシのところは覗かれていてコリュコリュとした美味しいとこだけが残されてた(*´ω`)
シメには石焼の…何ごはんやったかな。明太子?結構マヨも使っててえーっっっ?と思ったけど、テーブルに運ばれてきてからも調理続行。すぐに食べてはいけません。ってか、箸をつけようとしたら「ちょい待ちー!!」と、係ではない、でもたまたまフライングしようとしてた私たちを見つけた店員さんからストップかかったw
じゅうじゅうじゅう(^・^)
炙りものなどを席に道具を持ってきて、目の前でやってくれるプレゼンがあるのは知ってましたが、どうやらこの石焼ご飯も、その一つらしい。
美味しそうな音とこまめに焼き付けてくれるしゃもじさばき。確かにこれは上手にお焦げを作ってもらった方が美味しく、おこげの概念がもしベトナムの方になかったとしたら、この焼き方、手際、様子は、お店の方に、ちゃんと食べさせてもらって覚えてるんかなぁ、と想像。
味をしてる人間と知らない人間って、手際に違いが出てくる気がする。もしかしたら忠実に習ったことを再現しているだけかもですが、とても美味しいものを作る手際で作ってくださいました。
くっそー、まだまだここのメニュー、食べてみらなあかんな。どいつもこいつも美味しいわ。
色々聞いているうちに、日本の著名で実績の高い飲食グループが指導に入られていると言うことまではわかりました。外国人相手にここまでご指導されるって素晴らしいな。そしてそれを理解して受け入れて、しっかりとモノにしているベトナムの方もすごいわ、ほんま。
何より、その会社にコネクションをつけたベトナムのオーナーの方も素晴らしい。よくぞこんな指導者と繋がり、よくぞ、ここまで学べるスタッフさんたちをお集めになっておられる。
2回目の訪問も、やはり圧巻です。すごい。はよ、3回目行って別のメニューも食べたいわぁ♪
その後店舗も増えたようですが…
2017年にご紹介して以降、何度か本店には行き、気がつくと他にもたくさん店舗ができていたのですごいな、とは思ってたのですが…
残念なことに、2区、1区のバックパッカー街エリア近く、今はなくなったのかもですが、Nguyen Hueエリアにあった店舗など展開が急すぎ、これはクオリテイ維持が大変だろうなあ…と思っていたら案の定。
食に関して信頼を置いている人が残念な目にあったという話をしてくれて以降、勤めてこちらの評判を集めるようにしてたのですが、すこぶる芳しくない。
私自身が体験していることではないので、食べ物記事としてはまだ書けませんが、どうやら開店当初のレポートで推しまくってた頃とは様子が変わってしまったようです。
もしも上記の記事を見て最近行かれてしまった方がいらっしゃったら大変もうしわけありいませんでした。私も近く様子を見に行ってみようと思いますので、今から行こうと思われてる方、御一考されるなり、行ってもまずは少量のオーダーから様子見をされることをお勧めします。
お店情報
Shamoji Robatayaki
8 Dong Khoi Q1
Time : 16:30 – -2:00
Spent : 400,000 vnd / person
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