その料理の質の高さと独自性で、もうホーチミン在住の日本の方で知らない方はないんじゃないかと思われるこちらのお店の、お家レストラン的商品開発が目覚ましい。ホーチミンでは「初」と言って良いクオリティや内容のものが多くて気になりすぎたので、色々お話を聞いてみましたよ!
テイクアウトやデリバリー料理の質の高さ
IL CORDAさんの素敵の独自さは、食べた方ならご存知かと思いますが、その肉質の良さだけじゃなく、独特な調理法はちょっと他に類を見ませんよね。
しかしデリバリーやテイクアウトの質の高さも素晴らしい。社会隔離時に開始された、あの美味しいハンバーグのデリバリー、ほんっと嬉しかったですよね。
あと、ステーキ。ステーキって本当にデリバリーに向かない。
到着時までに余熱で熱が入りすぎたり、冷めて美味しく無くなったり。
デリバリー先までの距離なんて注文ごとに千差万別だから更に難しいと思うのですが…(事実、多くのお店でステーキをデリバリーしてげんなりした経験は少なくありません)
は?これデリバリーよね?
だって自分、家にいるもんね?なのにこんなステーキ食べれるの?は?
と、混乱の極み。ちょっとバグるよね。あんなのデリバリーで出してこられたら。
さらには社会隔離下にて、からあげの「たまからや」さんが立ち上がり、大人気になったのはみなさんの記憶にも新しいところ。
更にはサラダチキンに炭火焼チキン。
しかも、ただそういうものを作っているというだけではなく、お店らしい工夫をこらしてらっしゃるところがね、またね。すごくてね。
レストランが、レシピ一つを開発して提供するって大変なこと。
同じ商品でもお店で提供するのとデリバリーでは、物によっては変わってくるし、レシピはできても安定したオペレーションを確保しなければならない。
家庭の料理だと、都度違って感じられる味わいも魅力ですが、お店になったらそうは行きませんものね。なのに次から次へと、よくもまあ。。。(感心)
そしてどれもが安定していて質が高い。
これだけでもかなり驚異的に思えるのですが…?
冷凍食品が驚異的
皆さんもご利用されたことがあるかもしれませんが、冷凍のハンバーグと牛タン、お出しになられてますよね。「吟」というシリーズの冷凍食品。
家でやるように、加熱前の状態のものを冷凍→解凍して焼くのなら、まだダメージが少ない。でも調理したものを冷凍すると…?
大失敗の元(苦笑)
よほど上手にやるか、煮込みハンバーグのように水分を補ったり味の上でも物理的にも何かしらの圧をかけておかないと肉汁大放出で味がスカスカに。
それがあなた、この仕上がり。
食べた方はご存知ですよね?
真空パックにしてるままのものを湯せんで仕上がるだけで、極上ハンバーグが食べられるという…。これ、正直最初に食べた時は、いちレストランのやるこっちゃないと思いました。
大量生産を見据えて工場単位での規模でやるならともかく、レストラン単位で、しかも支店があるわけでなく、いちレストランがそこまで仕上げたと聞いた時は最初、ちょっとよくわかんなかったです。
できる、もんなの?という疑問の方が大きくて、多分成功のお祝いも上手に言えなかったんじゃなかったかな。
そんなことを言ってたら、次には牛タンを出して来た?!しかも牛出汁に寝かせた牛タンだって?!
牛タンって、ヘルシーな部位と勘違いされてるとこありますが、かなり脂の多い部分。脂が1箇所に集まってないから気づきにくいが、全体に霧のように散っている。だから、出汁のような液体のものが浸透しにくい、というイメージがあったのだけど…
染みてる。。。
ちゃんと旨味が牛タンの中に入ってて、
旨味が倍増。そこに程よい炭の香り。いや待って。牛タンをこの仕上げにするって、何が一体どうなってるの?
特に、いま高島屋さんで飲み販売されてるプレミアム牛タンなんてっ、あなたっ!!
うまいなら、ただうまいと言って食べとけばいいのに、つい(どうなってるんだ?)と考えてしまう職業病。ってことで、シェフを直撃。年末の忙しい時に手間を取らせるんじゃないよ…。
シェフにお時間いただきましたよ!
もう早速聞いちゃいますけど、あの牛タン、なんで作ろうと思いましたん?
「社長が牛タン好きなのと、最近店でベトナムの方が結構牛タンを食べて言ってくれるようになったので、これをカジュアルな感じで出せないかなーっていうのがきっかけでした」
でも牛出汁を入れ込むっていう発想は?
「商品化するに当たって色々やってみたんですけど、普通に塩をまぶすだけではうまい具合に味が入らなかったし、それだけのことだと、IL CORDAが出す甲斐がないなあと思って…」
確かに、あるグレードのお店が当たり前の味のものを出しても、お客さんの期待に沿わないことになるかも。ただ美味しい、だけじゃダメなのか…。
「自分たちも、やっぱりIL CORDAの、と認識してもらえる味を出したかったし、めちゃくちゃレシピ作るのに時間かけました。塩の加減を1gずつ変えたり、その味が染み込む加減を見極めるために、時間を変えたり…」
いーちーぐーらーむー!!!
そんな単位でやるんですか…もうキッチンがラボですね…。
「はい、そんな中で、お店でも人気のある牛出汁のスープを入れたらどうかなって思いつきまして」
あー!あのスープ、美味しい!カツオと合わせてあるやつですよね?あの牛出汁とカツオってのも面白い組み合わせだなーって思いました!
「ありがとうございます(笑)。で、最終的に牛出汁に漬け込んでみたら…味がいい具合に入ったんですよ。ま、偶然の思いついただけなんですが」
いやいやいや、思いついただけ、じゃなくて。
発想って経験と知識がないと繋がりませんからね。しかも今度は生半可な知識や経験値が在ると、私みたいに「牛タンに水様の調味液の味なんて入らへんでしょ」とか思い込んじゃう。
あの牛タンに出汁を入れ込むって調理法は、わたし的には結構革新的だと思ってますよ!
「ありがとうございます。でもあの商品は温め時間も割と厳密に守ってもらわないといけなくて…」
あ、それちょっと聞いたんでわたしも家で実験してみたんですよ。規定時間通りに温めたものと、そのあとちょっと長めに温めたものと。そしたら味が、全然違う?!
「そうなんですよ。やっぱり加熱温度が高かったり時間が長かったりすると、タンパク質って状態が変わりますし、ベストな条件でないと味が抜けやすいんですよね…」
なんか素人考えで、解凍されてないのはダメだってわかってたけど、温める分には多少時間が長くても問題なさそうに思ってました…(実際日本のレトルトも、グーツグツグツ長めに炊いたりしてた)違うんですね。
「はい、できれば規定のお時間、守ってもらえると美味しく食べてもらえると思います!深く切り込みを入れてるので、肉汁や旨みが逃げやすくなってるんですよね」
んじゃ切り込みを減らすというのは…
「すると今度は味が入りにくくなっちゃう」
あ、切り込みって噛み切りやすくする、とか食感のためだけじゃないんですね!?
「そうなんですよ。切り込みを入れることで馴染みにくい味が入りやすくなるって側面もあるので…」
なるほど。確かに料理って、1つの作業がいくつかの作用を持つってこと、ありますもんね。そこは気がつかなかった。しかし、この牛タンがそんな繊細なお品だったとは。
と言っても、買った人がすることは「お湯の中につけるだけ」なので、時間。時間だけしっかり守れば美味しい牛タン、食べられますっ(๑•̀‧̫•́๑)
それにしても次から次に、よー作られますね、いろんなメニュー!一個一個大変でしょうに…
「いや、楽しいですよ、IL CORDAのシェフに就任した時も、まず最初にやらせてくれと言ったのが日替わりコースだったくらいには、いろんなことを日々やっていきたいと思ってるんです。同じことのルーティンが苦手なタイプなんでしょうね(笑)」
あ、そういうタイプでしたか(笑)
もちろん安定した品質を保ちつつルーティンを続けていくこともすごいことなのですが、なるほど、こちらのシェフはそういうタイプ。
「自分が食べるものも、ローカルのお店に行って色々楽しんでますよ」
あっ、そうなんだ?!
んじゃ、ローカルの調味料なんかも?
「使ってみたいですねー」
あ、言いましたね?
わたし、よく新しい調味料見つけたら、一人じゃ全部使いきれないんで、小分けにしていろんな料理人さんに押し付けてるんですよ(笑)。お店で使う使わないは別として、今度押し付けてもいいですか?
「あ、もちろん!嬉しいです!」
なんとフレキシブルな。
なんかこう、良いグレードのレストランの方に、料理の素人のわたしが何かをお渡しするなんておこがましい的なところもあるので、その方の人となりがわからないと申し出ることができないのですが…
やったね。おすそ分け先、一つゲット(๑•̀ㅂ•́)و✧
というか…こちらのシェフとこんなに色々話したのは初めてのことなんですけど、例えばデリバリー、例えば冷凍食品。どれも開発が大変だっただろうに、飄々としておられるというか、むしろ…
「やー、そういう機会があってよかったですよ!」
と、にこやかに言い放ってて、ちょっと驚いた。だってめちゃくちゃ大変だったはずなんですよ。あのクオリティのものを出そうと思ったら。そこは素人でもわかる。でもそれをそんな楽しそうに言っちゃうんだ(笑)
「パッキングとかは、社長が全てきっちり仕立ててくれてますしね。社会隔離の時は時間があったから専念できたし、よかったですよ」
よかった、って…ことも無げに言ってますけど、そーんな簡単なことでもないと思う。ましてやこちらのお店のクオリティ。それを安定させるオペレーションの組み立ても必要だし…
良き飲食店の皆様にはすべからく敬意を持っていたつもりではいたけど、大変なことを大変そうでなく、サラリと言ってのけるご様子をみると、敬意というか「カッケーなおい!」って気持ちになりますね。
普段、表にはあまり出てこられないシェフですが…料理に感じる独創性や安定感、誠意みたいなものは、シェフや、シェフと働くキッチンのスタッフさんたちの姿勢の表れでもあるんだろうなあ、と、今回再認識。
料理を食べてその感想と、自分が推察できることをあれこれ書いてきましたが、今回シェフと話してみて、あながち間違った推察は書いてこなかったよなあ、と、ひと安心。お店でも家でも、IL CORDA、というお店の味を楽しめるのは、ホーチミンに住む私たち、めっちゃラッキーですね♪
Pop-Upストア限定のプレミアム牛タン!
「吟」というシリーズのハンバーグと牛タンはすでに発売になってそこそこ経つので、食べられたことがある方も多いと思うんですが、その「吟」シリーズのプレミアム版が、今、高島屋のPop-Upストアでのみ、限定で販売されているそうです!
と、SNSでも何度か言ったら「売り場がわかりませんでしたー(´Д` )」という方がおられたので、ムーヴィー。
Le LoiとNam Ky Khoi Nghia の角にある入り口から入ってすぐのところにあるエスカレーターでB2まで。下りたら正面には数件の飲食店。
そういえば、先日美味しかったと伝えた、Blue Chilliってお店のタイの串焼き、この正面市場右に位置してます(笑)
で、エスカレーターを降りたら、そのレスラン群を見ながら右に曲がって突き当たりまで、と言ってもすぐなのですが、それをまた右に。
中島水産さんのイートインスペースがあり、中島水産さんがあり、そのお隣が、「吟」の売り場です。今回好評だったら、定番化してくれくれると嬉しいんだけどなー、このプレミアム。
普通バージョンも美味しかったけど、プレミアム版はそう名乗るだけあって、さらにリッチなんですですよ。お味も食感も。このシリーズはお店に行っても食べられないし(お店のはまた別食感&お味の牛タンの炭火焼)家でこんだけのものを食べられる・でもこのお値段ってのは、ちょうど良いプチ贅沢。
ちょっと前にSNSで流行ったアレじゃありませんが、外で少々なんかあっても「ま、いっか。家に帰れば、あの美味しい牛タンがあるしな?あれでビール、グビっとやれるしな?」と思ったら心の支えになろうってもの(๑•̀ㅂ•́)و✧
え?そんな単純じゃない?
え?わたし結構何度かそれで救われたよ?え?
ともあれこちらのポップアップストア、1月末までのようなので、高島屋さんまでお出かけの際には是非是非なのです♪
お家IL CORDA、幸せですよ(*´ω`)
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詳しい使い方はこちらへ⬇︎
ttps://cheritheglutton.com/cherimap-manual/
お店情報
プレミアム厚切り牛タンに関しては、高島屋さんでのポップアップストアのみの販売になります(2022年1月1日時点)
吟 gin
92-94 Nam Ky Khoi Nghia Q1
B2フロア
Time: 09:30-22:00
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