ホイアンは市街地全体が世界遺産というだけあって、そぞろ歩くだけでもとっても素敵な風情。建物が趣がある割に、あまり色気の無い土産物屋も多いのですが、素敵なカフェやギャラリーも多く、ほんとに女子には見所満載。
そんな中で見つけたこちらのお店。
Reaching out Tea House
131 Tran Phu St., Hoi An
実は初日の夜に、お店を閉めている所に遭遇し、その締め方が、表の空間に横板を何枚もスライド式にはめ込みながら、というのが印象的だった店。
そのときはそこがカフェとは知らなかったのですが、翌日ぶらぶらしている時に、なんとなく素敵なカフェー、と思って入ったら、「これって夕べの…?」と気づいた次第(笑)
というわけで、最初から出会いは印象的だったのですが、席に着くとこんなものが。
ああ、外国人客が多いから、リクエスト事項をこれで伝えてくれってことなのかな、と思いつつ、メニューを見てると、間にこんな紙が。
徹底してるなー(笑)
オーダーも、紙にチェックして渡すだけ、かー。
ま、たしかにこれ、効率的かも。と思ってたら。。。。
お店の女の子に注文しようとして気づいた。
彼女達、耳が不自由なんだ。
手話でスタッフ同士で話をしてる。
壁には、The Beauty of Silence の文字。
そこで気づいてメニューを改めて見直すと、このティーハウスは最近出来たけど、雑貨工房なども別にあり、何かしらの障害をお持ちの方が働いておられるグループ会社ということらしい。
そうか、それであのリクエスト駒とチェッック式のメニュー。
理解したので、彼女達に呼びかけることはせず、動きを追って、目が合った時に
メニューを掲げて注文したい、の意思表示。すると、スタッフの女性がニコやかにテーブルに来てくれたので、注文用紙を渡して、内容確認。
言葉は発しないし、手話をこちらが理解しないのもわかってるから、手の仕草や表情だけのやりとりだけど、スムーズに注文。頼んだのは、お茶と珈琲の飲み比べセット。これがとても奇麗なセットで♪
彼女達が喋らないからってだけじゃなくて、とても静かな空気と時間が流れてて、ついつい長居をしてしまったのですが、お茶も珈琲も美味しくて、なんとも贅沢なティータイム。
お値段は決して高くないのだけど(一番高いこの飲み比べで、
5〜600円くらいだったかな?)すごく豊かな感じがする。
途中、お水を運んで来てくれたり、味は大丈夫だったか、と尋ねてくれたり。それらを、言葉を一切使わず伝えてくれる。
ややこしいお仕事での細かいことなどは別として、人の、嬉しい時に笑うとか、悲しい時には泣くだとか、そういう基本的なことはもちろんのこと、もう少し砕いた気持ちも、伝えよう、という気持ちがあって、解りたいという気持ちがあれば、通じるんだなーって、いつも感動する。
これ、英語やその他の外国語が苦手、昔の英語の点数が悪かっただとか、なかなか単語を覚えられないだとかって言ってる人に伝えてるんだけど、語学の技術は手に入れると便利だけれども、なにはともあれ必要なのは、伝えたい・解りたいって思う気持ちだし、それがあるなら大丈夫って。
それがないと、日本語同士でも話通じない人たくさんいるもんね。そんなことだけではどうにもなるまい、と思われたらそこまでだし、それ以上伝えようもないんだけど、こういう方達との交流があって「ありがとう」が、どちらもの気持ちに沁みたときは、確信する。
伝えよう、解りたいって思う気持ちが、やっぱり大事。
取り立ててこういう場面をピックアップすること自体、自分が彼らに対してフラットではないのではなかろうか、という思いもあるのだけれど…
随分昔、NYのオフブロードウェイで、とても小さな、静かに感動する舞台を見た時に、幕が降りた直後、みんな立ち上がって拍手を送っていたのだけど、隣の人が腕を高く振り上げて、指先をいくつかの形に変えて「言葉」を発してるのが解った。
それが何を言っているのかわからなかったけど、「言葉」てのは明確に解って、その人の様子から、舞台を賞賛していることは間違いなくて、まだ英語があまり上手じゃなかったちぇりは、日本語で賞賛を心の中でつぶやきながら、同じ気持ちを共有してるんだ、と思った瞬間…
その隣の人がこちらを向いて、「そうなのよ、私もそれ思った!良かったよね!」としか受け取れない表情を向けたかと思うと、躊躇無くハグをされたんだよね。
舞台に対する感動と、会ったことも無かった人と、しかも互いが解る言葉を全く使わずに、同じ気持ちを共有できているという確信に感動して、二人でしばらくポロポロ泣いてた。
言葉はただのツール。まず大事なのは解り合いたいという気持ち。
絶対に揺るがない信念になった。
体に何かしら不自由な所がある方に出会っても、理想としては、アメリカで何度も体験したように、フラットな心持ちと物言いで接したいとは思ってて、まぁ、そんなことを思ってる時点でフラットではないのだけれど、少なくとも行動から変えて行こう、
と、出来る限り平常心で気を使いすぎず接するようには心がけてるんだけど…
手話を使う方に出会うと、ついその舞台の時のことが細胞全部によみがえって来て、制御できずに少し涙ぐんでしまう。周りの人を驚かすだけだからと、ミゾオチにグッと力を入れて、息を詰めていないとポロっていきそうになる。
理想の自分ともかけ離れてるし、二十年も前の感情に未だに揺さぶられていることが恥ずかしく、彼女達に「ありがとう、美味しかった!」と伝えた時には、とても妙な表情になっていたと思うんだけど、それでも彼女達はその気持ちを間違いなく受け取ってくれて、まっすぐな笑顔で、ありがとう、と言ってくれた。
あの手話は、多分そういう意味。
全く個人的な感情からの想いの強さで、「だから行って下さい」とは言えないけど(笑)
お茶室としてもとても雰囲気が良く、出されてる物のクオリティも高かったと思います。ホイアンという場所の空気感も十分に満喫できるし、純粋にカフェとしてオススメです。
そしてもしも、ちょぴっとでも、ちぇりの気持ちに共感してもらえたら、ホイアンに行った際に思い出してもらえると嬉しいなーと思う店。
よろしかったら、是非一度。
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コメント
こんにちは。
て言うか お久です。
ヤッケ こと ほうすけ です。
ちぇりさんのブログを発見!
結構真面目な内容(驚)
私のブログにリンクさせてもいいでしょうか?
一言ご挨拶をと思いまして。
元気そうで何よりです。
やーーん、ヤッケさんだ!!
よくぞ見つけてくれました!(笑)
でもま、ちょっとシリアスなこと書いたのはこの回だけ(笑)
あとは大体、食いしん坊ネタですよー。
最近はちょっと旅ネタですが、ベトナムでがんばっちょります(^_-)
よろしかったら、こっちでもボチボチよろしくー♪