普段1人で日本をウロウロしているときは、てきとーなお宿に泊まるん
ですが、珍しく旦那さんが一緒の時にはちょっと良いお宿。
(なんかここまでの2行で色々間違ってる気がするけど、まぁ気にするな)
旅先では食べ物はちぇりさん担当。お宿やお湯、交通機関の手配や
スケジュール管理は旦那さん担当。
……お前、食う事しかやっとらんやんけ(・∀・;
いや、言うたことあるんですよ?なんかお手伝いしましょうかって。
そしたら即座に、
「(超絶方向オンチ・時刻表詠めない)ちぇりさんに行程任せたら
どんなことになるか…( ̄◇ ̄;)」
という反論しようがない彼の真意を頂いたので大人しくお任せしている次第。
ちぇりさんが食べ物のみに専念しているのは家庭平和のためなのです( ̄ー ̄)
というわけで、途中チョイチョイ便利の良いビジネスホテルも挟みながら、
素敵なお宿にも泊まってきました♪まずはこちら。
【秀水園】(指宿)
砂蒸し風呂で有名な指宿(いぶすき)にあるお宿。
実は日本に帰るまで特に計画は立ててなくて、日本で旦那さんと合流してから
(その前は別行動だったのね。。。)見つけたのですが、決め手は…
「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選 料理部門32年連続1位」
というフレーズ。
これは食べ物のことであるにも関わらず、旦那さんが見つけてくれたヽ(・∀・)ノ
それを選んだプロと言うのがどういうプロなのかまでは書いてないので、
どの程度の信憑性があるのかは別としても、32年、ある種のランキングで
トップを張ってるってのはえらいこっちゃ。
というわけで出向いてみました(^・^)
しっとりとした佇まいで、ネットで見た「どやー!!」って感じとは正反対(笑)
お部屋も由緒正しき日本の旅館で、海が見えるのどかな風景も良い感じ。
お抹茶とお菓子で迎えてくれて、砂風呂を楽しんだ後はお目当ての御前。
おちついたお膳です。
器まで品が良い。
器まで品が良い。
茶碗蒸し、うまみ豆腐にひと口寿司。
今回前菜に小さなお寿司がつく事が多かったんだけど、これは最近の流行なのか
地域亭な事なのか。
印象的だったのはお造りで、どのお魚も非常に良く練られてる。
鮮度が一番と思われがちだったお刺身というお料理も、最近はすっかり「寝かせる」
ことが一般的になって来てて嬉しい限り。もちろん鮮度一番のプリップリ、コリッコリ
した食感の物もよいのですが、しっとりと旨味を増した色香漂うお造りと言うのは
一度食べると後には戻れぬ妖艶な魅力がありますな。
若いピチピチしたのもええけど、ねっとりと熟したもんも良い、と言うのが分かるには、
ある程度経験と歳を重ねた人にしか分からないかと思われるので、お若い方にはどうなの
かなって思いますが、こちらのお宿はご年配の方が多いと思われるので、正しい選択なの
だろうと。
コッテリに見える豚の大豆煮も余分な脂が丁寧に取り除かれてて、ふくよかに豊かなのに
後口がさっぱり。豆乳鍋に仕込まれたつみれはふわっふわ。アワビの味噌焼きは、
それまで穏やかな味付けだったところから徐々に濃さを増して行った所の頂点。
この構成が素晴らしい。
一つ一つのお料理も、なるほど、実に時間と手間がかけられていて、料理部門32年
連続1位の冠にも納得のお味だったのですが、当たり前ながら、懐石料理と言うものは
始まりから終わりまでの流れの美しさと言うのも大事。例えば初手に濃い味を持って
来られると、身体が受け付ける近くの限界をすぐに超えて、箸が進まなくなってしまう。
といって、同じようにふんわりしたままだと締まりがない。
その点こちらのこの夜のお食事は、穏やかな緩急をつけつつ、最終段階でキュッと
胃の腑が閉まる様な濃い味を配置していて、舌の上の味覚のみならず、胃の腑の事情
まで察した流れを実に滑らかに作っていて見事の一言。
正直。。。最近キツかったんですよね。お宿のご飯。豪華に見せようとするせいか、
品数ばかりが増えて終盤にはお腹がキツキツ。味わう事もままならず、といって
箸も付けずにお残しするのも申し訳なく、もうこれなんの修行だと言わんばかりに
なってしまいヒーヒー言うこと。(歳やな。。。)
でもこんな風に仕立ててもらったら、スルリと入る。
朝食もぺろりと食べた。
ぎょーさんは食べられん、というのはこちらの胃袋事情もあるんでしょうけど、
お料理の仕上がりによってこちらの器が知らん間に代えられてしまうことが
あるのだなぁ。
そこで思い出すのが料理モチーフのドラマや創作物に見られる「客の状況を勘案
して料理する」ってやつですな。例えばこれが若い人の多い宿なら、また違った
印象になると思うのですが、一定の経験者以上には味付け、流れ、素材、調理法と
色々考える事で実に「美味しく」仕上がってる。その結果は客の為でもあり、
宿の為でもあり。実に学びの多いお料理でした。
【笠沙恵比寿】(南かごしま市)
秀水園以後の移動はレンタカーを使いました。
今、南九州復興のための補助が出ているそうで、レンタカーがビックリする程安かった(´⊙ω⊙`)
また他の土地でも約安のレンタカーとかカーシェアリングみたいなのが発達してて
すごい便利になってるみたいですね。特に交通の便が不便なエリアでの移動に来やすく使い
安くなったと言うのは、車を持たなくなった身としては有難い限り。
で、こちらのお宿。
「宿」「ゆ」て…(笑)
ちなみに個々の敷地内には博物館もあり、ちょっとしたレジャー施設となっています。
かの、水戸岡先生が設計されたと言うお宿。ここに来る事を目的にしないと、他には
あまり観光する様な所も無い感じなんですが、まさに私ら夫婦みたいに、この宿に
泊る事を目的にして来る人もいるので、水戸岡氏のお力たるや。
お宿の名前に恵比寿さんのお名前が入ってる通り、宿内のあちこちに、おえべっさんが(^・^)
そしてエリア構成から建物の中まで個性的だったけど、お部屋もこんな感じ。
ロフト付(笑)
広々としてて、外に見えるのは静かな漁港。
和室だけど、座りやすい座椅子が用意されていたりというお心遣いも沢山あって
お風呂も気持ちよく、とても快適。そして…?
お料理も評判通り。土地の料理をふんだんに盛り込んでてひと箸ひと箸が新鮮な
美味しさ。ただ前日の秀水園さんに比べると、やぱりちょっと若い人向け。
それは決してマイナス要素ではないのですが、若い人受けを狙う料理と
年配向けを狙う料理の違いが如実に現れていて、とても面白いコントラスト(^・^)
とは言え、繊細さも兼ね備えてて、盛りの演出もすばらしく、見目にも美味しい
お料理の数々。椀には南出は珍しい菊の花びらが使われてたし、お刺身の盛り籠
には氷が敷き詰められており、とても美しい。
こちらは鮮度を売りにしたお刺身だったので、秀水園さんのお造りの様な艶っぽさ
にはかけましたが、鮮度の高いプリプリ感とアッサリ感があるからこそ食べられる
たっぷりな量。あ、いっときます?
はい、あーんヾ(@⌒0⌒@)ノ
不意にラザニア的な物が入って来るとか、そこそこな量の揚げ物が半ば以降に
持って来られる当たりが若者向け(笑)。程よい量に押さえられてたので、
好みによっては良いアクセントになる感じですが、前半の流れから考えると
面白いなーと。
そこにお鍋が登場。
やっぱり豚しゃぶははずせませんやね。
で、お分かりになりますでしょうか。
固形燃料上で調理する場合、火のすぐ上にお鍋を置くのが普通ですが、鍋の下に
網が置かれてある。コレになんの意味があるかというと、火が散るんですね。
鍋底全体に。小さなお鍋とは言え火が偏ると効率が悪いし、更にそこに冷たい
お肉を入れたりすると調理がおぼつきません。
といって、この網一枚分を手入れするにもコストのかかる話。
先程のお刺身の器と言い、本当に手間を惜しんでいない。
その上にしか成り立たないお心遣いも沢山感じる。
場所柄、決して派手な宿ではないのですが、実に実に楽しみ甲斐がある。
朝食も、地の物満載で大変美味しゅうございました。
ちみっと塩分高いかなって感じは、こっちが歳だから感じた事なんですかね(笑)
【えぐち家】(日置市)
これまた周りにナンにも無い(笑)
いや、海がある。見よこの夕日。これがお部屋からの眺め。
駅からタクシーを使うしかなく、こんなに交通手段が無いなら送迎があっても
いいのになーと想うくらいの場所にあるんですが、着いてびっくり。
なんかオサレ!
いやぁ、ロビーからしてすてきやわぁ♡
そしてロビーに据えられたソファからの眺めはこれ。
何処の国ですかヽ(・∀・)ノ
なーんと優雅な! 失礼ながら滅多に行かない事もあって、こんなひっそりした所に
こんなに素敵な場所があったとは! お部屋もまた素敵でねー。
おーっ、モダン。(という表現も古いな)
コレの手前にダブルベッドが二つあって広々スペース。
お風呂からは海が望め、のんびり入る事ができました。
大きな温泉もまた別にあるんだけどね。
お料理は見目にも可愛く、名残鱧なんて珍しいお椀もあって面白かったのですが、
お食事だけの来訪客もあるようで、焦点の合わせどころがちょっと分かり辛かったかな。
ひと手間かけたお造りや前菜の細工ごと、焚き物の丁寧さなど、前半はとても美し
かったのですが。。。ここから潮目が変わりました。
白み魚のソテーにバターソースをかけたものだったのですが、いきなりものすご
ファミレスの味(´Д` ) そこまで繋がれて来た興が一気に削がれる。加えて
豚しゃぶに至っては、固形燃料に灯をともした際、蓋が閉じられたままだったので
出汁をまず涌かして、素材は後で持ってくるのだろうと思っていたら、中に
野菜もお肉も全てぶち込まれていい他状態。。。
そんなもん、野菜が炊ける時間、しかも低温から肉を放置すればどんなことになるか
分かりそうな物なのに、中に食材が既に入っており火加減を気をつけるようにとの
指示も無く、こちとら素材が別に出てくる物かと、固形燃料が尽きるまで待っていたので
お肉はガチガチ。お出汁自体はとても美味しく仕上げられてるのに、全く愛を感じない…
加えて、供されたゴマだれがものっすごく濃厚で、これをチミチミ舐めながら酒を
飲むと言うならまだしも、鍋の具材を付けて食べたら全ての素材がゴマだれの味一色。
折角のお出汁の良さもどこへやら。これは。。。
明らかに前半と料理人さんが違っとるやろ(´Д` )
それにしたって総料理長さんはおられるだろうに、このお鍋に於いての蛮行は一体
そういうことなのか。。。
あまりの落胆に、その流れを汲むでアートにも期待はしていなかったのですが、
うん、ねぇ…(・∀・; 見ての通り、水菓子も見た目に悲しい有様で、一応齧って
みたものの。。。。(以下略
食事だけで訪ねた場合は、恐らくコレと同等レベルが5000円オーバー。
正直、後半が残念すぎたので、その値段取られたらテーブルひっくり返してたかも。
ただしお部屋は素晴らしく良かった。ので、食事をアテにせずお部屋目当てで来るには
とても良いお宿。ってか、周りにレストランが見当たらなかったので、じゃぁ他で
食べるにしてもどーすんのよって話はあるけど。
朝食も演出は素敵だったけど、全体にかなりしょっぱい(^^;
このおかずを全部食べ切るにはラーメン丼に昔話盛りにした白米を3杯は食べないと
とても持たない。折角のしらす丼も、煮こごりか?と思わせる程濃い「特性ダレ」で
食べるようにとの事だったけども、これ、使ったらシラスの味がないなるが。。。
というわけで、こちらのちょっと調理場のコンダクターに疑問を持ってしまいましたが、
お部屋が良いので泊りにくるにはありなのかなと。お食事だけに来てたらもっと突っ込む
とこだけど(笑)、反面教師的には良い勉強になりました。料理のコラボ、時々やるけど、
よほどすりあわせておかないと、違和感のある流れ。。。というか、流れを分断させて
しまうなと。
ふむ。それぞれに良いお宿とて、この短期間に食べ比べてみると、色々得意な所
不得意な所、どんな流れに持って来ておられるのか、どのようなところに気を
配られているのか基準を甘くしているのかが如実に分かって面白い。
今回も、旦那さんに大変良い勉強をさせてもらいました。
こういうのは自分の舌で経験せんとわからんからなー(^^;
それにしたって、面白い宿が多いね、鹿児島。
九州に住んでた頃は、1泊すればゆとりの旅程が組めたので、あまりあちこちに
泊る事なく、また若い頃の話であればお外ご飯の方が楽しく、宿は寝に帰るだけで
十分、みたいなスタンスだったので、今回みたいな楽しみ方は初めての事。
日本全国、余り名前が知れてなかったり、ちょっと生き辛い場所にあるお宿で、
こういう素敵な所ってのは沢山あるんだろうなー。以前は休みが取れたら海外!
って感じだったけど、今の環境となっては日本国内も知らない場所がいっぱい、
ってか、知らない場所だらけで探検のし甲斐がありますな。
そんな風に思える様になったのは、海外に出た利点の一つかも(^・^)
熊本や鹿児島、大変なこともありましたけども、地物と方々、頑張って
おられます。もしも旅先のチョイスに悩んでおられたら、南九州、いかがですか?
美味しいもんがいっぱいですよー♪
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