さて、明けました。そろそろ1月3日ともなると、日本でも正月気分が落ち着いてくる頃。もとより暑いホーチミンにいる日本人には正月の空気を感じにくいが、実はベトナム、いまは年の暮れでもあります。
ベトナムの方にとってのお正月といえば、テト(旧正月)。来月頭にそれを控えた今は年の暮れ真っ最中。慌ただしい年の瀬が終わったかと思ったら、再度押し寄せてくる慌ただしさ。いわゆる師走なので、どうかみなさん、街中に出るときはお気をつけて過ごしてほしい。
そんな年の暮れには、風物詩的商品がいくつもあります。今日ご紹介するのは、そんなものの中の一つ。美味しいのでそろそろ日本人にも定着してほしい。
テト(旧正月前)の風物詩・お歳暮的贈り物
この時期になると、いわゆる日本で言う所のお歳暮的なものが街に飛び交う。中秋の名月時期の月餅どころの騒ぎじゃない。スーパーからデパート、街角には食品・生活用品の詰め合わせセットが派手派手しく盛られてズラリと並べられるのです。
その陳列面積のが凄まじいことと、その詰め合わせ作業を店の近くに広げてやってたりするので、通常の買い物が非常に困難になるのが玉にキズだけど、まぁそれも含めての風物詩だ。
そして別の風物詩といえば、正月用の惣菜を作ること。この惣菜の保存スパンの方が長いが、殺菌効果のあるバナナやゾン、と呼ばれる植物の葉に包んで長時間蒸たり茹でたり煮たりして作る保存食を、各家庭で手作りする、と言う風習があるそうな。
バインチュン、と呼ばれるものがポピュラーで、それに使われる食材はもち米だったり豚肉、緑豆だったりなど、描く価値で色々秘伝レシピがあるんでしょうね。
さて、それとは違いますが、Gio Thu と言うものもあるんです。
フランス文化香る庶民の味!
ホーチミンのスーパーのハムコーナーに行くと、一般的なプレスハムとは違う様子の、こんな感じのハムを見たことがないでしょうか。
見慣れない日本人には面妖そのもの。よくわかんないしウニョウニョしてるし、やーめとこ、と食べない人が多いかもしれない。
しかしっ。
私はこれを最初見た時、驚愕してハムの棚の前で30秒は立ち尽くしたと思う。だってこれ。。。
Fromage de tête(フロマージュ・ド・テート)に見える?!英語ではヘッドチーズとも言われるこの料理は、主に豚の頭部にある各部位を用いて作る煮こごりのような料理。
正直、フランスやアメリカでこの料理がどの位置にあるかは知らない。決して高級なものではないのかも。でも、豚の頭部の部位、と言う食材にあまり縁がなく、いざ作ろうとなるとかなりの手間がかかる日本人からしてみると、これは貴重品。
それがこのベトナムでは庶民の台所、コープマートに売ってるんである。なんだ、なんだこの食文化の高さは!!!!
路上で売られる、100円もしないバインミーにレバーパテが使われていると言うことに関しても驚愕だったが、なんと言うことか、このフロマージュ・ド・テーテがベトナム庶民の日常の食卓に並んでいるなんて、かっこよすぎるだろう、おい!!
冷蔵食品店の前で一人動かず、驚愕のあまり打ちのめされつつも無言で興奮する女。さぞや不気味だったろうなぁ。。。
ベトナムの Gio Thu の特徴
と、言っても私はフランスのデリ経験などが殆んどないので、違い、というか、現状を伝えるしかないんですが、Gio Thu には、ある黒い物体がゴロゴロと混ぜ込まれています。それは、「黒胡椒」。ベトナムの名産。
地味だし日本でも珍しい食材じゃないので特に推すことはないのですが、その筋(取引関係や調理関係)の方数人から聞いたのですが「ベトナムの胡椒は質の悪いものを探すのが困難」なほど、良いものが多いんですってねー。
それは胡椒そのものの品質もですが、生育環境もとても合っているらしく、生産量も相当のものらしい。そら,普段の料理に生胡椒が気軽に使われてたりするわなー。まぁお子さんにはちょっと難しいかもしれませんが、このGio Thu にも香ばしい黒胡椒がゴロゴロと使われてます。贅沢(๑•̀‧̫•́๑)
今年からのおすすめ新商品
で、なんでこの食材の話題を突如出したかと言いますと、これなんです。
今年から発売されることになった、日本ハムさんのGio Thu Bac。金の袋と銀の袋がありまして、これは銀の袋。金の袋の中身はまた別のものになっているとのことなので、Gio Thuを目当てとするなら、銀の方を。
中身はゴロンとこんな感じになってます。密閉しているビニールごと切って使うタイプですな。中身を知らずに、このまだらな状態を見たら、ちょっとびっくりされる方もいらっしゃるかもしれませんが…
お話しした通り、これはミミガーやらその他の頭部部位、その他の部分にそれぞれ調理を施してまとめた、テリーヌのようなもの。固まる要素は豚自身が持つコラーゲンで、言わばに凝り。大量生産の工程で、もしかしたらコラーゲン以外の要素も凝固にあるのかもしれませんが、自分で作ろうとすると大変骨が折れる代物です。
これが、テト前のご自宅用、ご贈答用として、日本ハムさんから上の写真のような包装で、今年から売られることになったのだとか。
日本ハムが普段から卸されているお店にもあるのかな。私が見かけたのは、高島屋さんの地下でした。上の写真のような装飾のお店にですね、
専用ショーケースが置かれて、そこに並べられてました。でもこれ、中身がどんなのか袋から出して横に置くとか、小さくカットして試食を置くとかしないと、まーず日本人の目は滑る。そもそもスーパーにあっても、日頃から食べている人、少ないんじゃなかろうか。
日本人をターゲットにしていないのかもしれませんが、そもそも馴染みのない食材を隠してしまっていてはなおの事、日本人枠は広まらんだろうな。。。勿体無い。。。美味しいのに。。。
それに日本ハムさんだったら、品質も信頼が寄せられるじゃないですか。例えば日本人からベトナムの方へのご贈答としても使えると思うんですよね。ちょっとしたお心付け程度に、軽い知り合いの方にお渡しするとか、実用的なものだし、いいんじゃないかと思うんですけどねー。
超簡単オードブル
もしも人に差し上げようとするのなら、やっぱり自分が食べて見てからじゃないと渡せないものだと思うんですが。。。
これ、美味しいのはもちろんのこと、食べるのが超簡単。だって切るだけでオードブル。
食感はミミガー(軟骨質)なものなども入ってるので、所々で小さくコリコリ。全体は弾力があってキョルッキョルしており、厚めに切るとなかなかの歯ごたえっぷり。そして所々にカリッと胡椒。塩はそんなに強くなく、全体をまとめるコラーゲン部分が、じんわりと溶けて旨味を滲ませます。
うん、うめーじゃねーか。ビール焼酎日本酒洋酒、なんでも来いな感じである。
この手のものは開封したらなるべく早く消費する、が鉄則ですが、まぁそもそも保存食。切り口をぴったりラップで覆って、冷蔵庫で保管してたら、一人暮らしの人とかでも食べ切るまで保たせられるんじゃないかなー。
あとね、これコラーゲンでまとめられてるってことは…
お湯で炊くと、ほどけるんです。Gio Thu 内の比率によってはほどけないかな?と思って試して見たら、ちゃんとホロホロになりました。
これ、実験しただけだったので少量ですが、玉ねぎの薄切りと一緒にお湯で炊くだけでスープベースの出来上がり。これにお好きなスープの素をちょっと加えるとか、シンプルに塩コショウだけで、かすかにとろみを感じる中に、コリュコリュとした具材がたっぷりの胡椒がきいたスープになります。
玉ねぎ、面倒だったら、この Gio Thu だけでも良い。
ちなみに焼くのはオススメしません。フライパンにはコラーゲン部分が溶け出して粘つき、焦げるだけなので。火を通すとしたら、スープが一番余すとこなく、この食材を生かせるかな?
もっと外国人に取り入れられて良い食材
Gio Thu との初めての出会いは、知り合いのベトナムの方のご実家からもらったものでした。葉っぱに包まれていた Gio Thu が何か全く知識がなかったので、恐る恐る包みを開けて見たら、なんだよ、冷蔵店の前でよだれ垂らして見てたあれじゃないか!!
こんなに洒落たオードブル食材がとても手軽に買えるのだから、日常の食卓に活用しない手はありませんよね。もっともっと楽しむ人が増えて良いし、ベトナムの方へのテト前のちょっとした贈り物として、活用できるくらいの親しみを持ってもらえるといいなぁ。
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コメント
さっそくハノイのBIG-Cで探してみました。
名前を失念していたので正確には分からなかったですけれど、
似たようなものが200g、32,500VNDで売ってました。
今度、試してみようか、どうしようか・・・うーん悩み中(笑
>くにさん
ふふふ。無理にとは言いませんが、そんなに高くありませんし、ぜひお試ししてみて欲しいです♪ そのまま食べるのがあんまり、ということだったら、さいの目に切ってサラダに混ぜても良いし、そんなに突飛な味でもないので、使い勝手良いと思いますよ♪