ホーチミンでフレンチや、もうちょっとカジュアルなビストロは珍しくないけど、だからこそ新店にはいろんなものが求められます。さてこのお店は…?
Covid-19の社会隔離後の街の様子
社会隔離後に無くなってしまったお店もあるけど、この機に新規なお店も続々出てきてるホーチミン。
国内に1億人弱いる上に購買意欲旺盛な世代がまだ圧倒的に多い状態ということで、内需だけでも相当持ち返せるんじゃないかという予測も目にします。実際、みるみる元気さを取り戻してますね!
もちろん、大変な状態の方がいるのも事実ですが、そしてローカルの言語から遠いので実情とは違った印象かもしれませんが、少なくとも私が見る限り、そして私の周辺にいるベトナムの方を見てる限りは…
元気。めちゃくちゃ、元気。
こっちが(うかうかしてらんねぇな!)とハッパをかけられるくらい、元気。若いって素晴らしい。。。
で、こちら、以前ご紹介した、
⬆︎のお店の姉妹店!
ビンビンに尖ってた印象はなく、文面にある通り穏やか…もしくは言い方があまり良くないかもしれませんが、おぼこい感じのフレンチって感じで、そんなにその後頻繁には行ってなかったのですが…
姉妹店ができたと。またそれを教えてくれたのが、私ととても舌の合う方だったので早速行ってきましたよ!
「他にない」ビストロ登場
ビストロで最近のオススメといえば、
中心街からちょっと離れているので、周辺には馴染みがない日本人の方も多いかと思いますが、そのレシピのオリジナリティ、美味しさ、そして価格の手頃さで、私的には超絶面白いと思ってるお店。
お店の取り組み方なんかを見てても、とても興味深いし、自分の息子のような年齢の方達に教わることが本当に多い。
そして今回のこちらのお店も、面白いですよーっ。川沿いにある Hoang Sa 通りから程ない、3区内。と言っても3区、広いですけどね(・∀・; そのヘムの中に…?
うお、結構広い。
もっとこじんまりなお店を想像してた。まずはこの塀の中にテラス席があるんですよ。
日差しは防げる屋根付きで、オープンスペースにレッドクロス。やーっ、年中暖かい国ならではですねっ。電球がセッテイングされてるから、夜はちょっと素敵そう(^・^)
屋内席もちゃあんとあるので、暑いのが苦手な人も大丈夫。
って、店に入ったら知ってる顔が!!
私が好きだった、今はもうないお店で働いてた方がマネージメント?オーナー?をやってるっぽい。以前のお店でもとても熱心に働いておられるなぁとは思ってたのですが、なるほど、独立を見据えていらっしゃったのね。
ところでこのつく立こまれた内装。ウォールペイントは5〜6年前からホーチミンに急激に増えたデザインの一つだと思うのですが、ここもそこに相当力を入れてるようで…
ご覧の通りの作り込み。どこか別のお店も手がけたアーティストさんの作品かと思ったら、なーんと、お店の方が全部自分たちでやったという?!(´⊙ω⊙`)
ストラクチャに関しては建築基準とかもあるだろうけど、内装に関しては契約時にオーナーに了承してもらえてれば結構自分たちでやっちゃうってお店もあるのは知ってますが、彼、そんなこともできたんだ?!
そういえば先ほどご紹介した、別のお気に入りのビストロ、Cuc Thanさんもご自身たちで内装を全部やったと言ってたなぁ。バイタリティが違う。。。
わかりやすいメニュー
まずはビールで飲みながら、メニューをじっくり読みましょうか。
オススメされたのがこちら。
ハニービアですって。
糖分はアルコールに昇華されるので別にハチミツの味がする訳でも甘い訳でもないのですが、軽やか且つ線の細いクラフトビールで、あまり個性が強すぎるのは苦手だなーという方にはいいかも。
サラッと飲めます。
飲めました。それはビールの味のせいなのか自分のせいなのかは不明( ̄ー ̄)
メインメニューは、写真入り。そして1ページに数品という見分けやすさ。
英語、ベトナム語と並ぶと、日本人としてはどうしても「面倒臭さ」が先に立つ。
それは彼も前のお店で十分知ってて、一緒にメニューの日本語化をやったりしたので、外国人にもわかりやすい=ローカルの方にも訴求力が高いものを作る利点をご存知なんだろうな。
以前のお店ではシンプルな文字だけメニューだったので、私が知ってた彼のアイデアが多分に入っていると思われる。
本店と同じメンバーだったらこうはならなかったかもしれない。ほんと、人で大きく変わるなぁ、お店の仕様。
で、お肉が自信あるらしく(それは本店も同じ)上記以外にもいろんなステーキがありました。ただ他のメニューもたくさんあって、
ウェブ情報では、マグロのタタキ的な一品が結構目立ってたな。ビーフカルパッチョはホーチミンではまだあまり美味しいものに当たったことがなく、あまり良い印象がないので…(Yazawaさんのユッケとかは別次元で美味しいけど)
おっと、ダックコンフィがありますよっ!!
私の大好物!
サラダも美味しそうだ。ってか、本店の、Chef Thienさんでもサラダ、美味しかったものなあ。セットランチのサイドについてたサラダだったけど、書いてて力が入った記憶。
デザートには、意外とホーチミンでもっと取り上げられてもいいんじゃない?って思ってる、フォンダンショコラが。
それより、バナナフランベ気になるわーっ。何よ、80kってw ビストロにしてもずいぶんリーズナブルな(・∀・;
いやいや、デザートの価格で驚いていてはいけません。
飯、行きましょう、飯のこと。
やっぱり穏やかだけど、生き生きしてる?!
全体としてはやはり穏やかな印象なのですが、いやーっ、その一定の幅の中で、本店よりも格段に生き生きしている気が!
最近はすっかりご無沙汰だったので、もしかしたら本店も味が変わってるかもしれません。
レストランというのは安定した一定の味を提供するのを使命とすることもありますが、シェフの体験やお心持ちの変化があれば、同じ材料を同じ分量使っていても劇的に味が変わることがあり、しばらく伺っていない間にそれがなかったとも限らない。
マッシュルームスープ
パンプキン・マッシュルーム・オニオンとあるのですが、59k〜79kというお手軽さ!!しかしキッチンはビストロ仕様なので、とても、美味しい。
今回はマッシュルームスープ。
たっぷり量があって一人で食べるとこれだけでおなかっがいっぱいになりそうなので、お行儀悪いと知りながらもスープをシェア。
でもそれができるのがホーチミン。店員さんも察してくれて、小さなお椀とスプーン2本を持ってきてきてくれるなど。
相変わらず、塩気は結構ギリギリまで抑えていて、マッシュルームの旨味と野菜の甘さで柔らかくまとめてる感じ。もしこれ一人でいただいても飽きずに飲めます。
ってか…本店、Chef Thienさんとこでのパンが私はあまり好みではなかった。のでこちらでも期待していなかったのですが、全然レシピが変わってました!
一見フランスパンですが、ベトナム式に、多分ちょっと発酵時間を長く取るタイプの軽めのパンで、ハーブが練りこまれており、塩気もギリギリを攻めてきてる。断然美味しくなってたし…。
それを優しいスープといただく至福よ。
ブランチだったら、このスープとパン、サラダとかでも幸せかもしれない。
サーモンカルパッチョ
これ、全体像の撮り方が下手くそだったので、旦那さんの写真を拝借。
エディブルフラワーも散ってる中に、黒はキャビア。佇まいが大変可愛い。
そしてもう一つ気になるものが…?
これです。
花???
いやいや、食べて見るとサクサクしてる。油で何かを揚げている?
ケーパー???は、サーモンカルパッチョにつきものですが、食べてみても微妙に自信が持てなかったので確認したら、やっぱりケーパー。
でも油で揚げてるから塩気が油にブロックされてて穏やかになってるし、フニフニしたメインのサーモンと一緒に食べると、食感的にもとても良いアクセント!
えーっ!ヨーロッパとかではよくあるのかな。私は始めていただきました、フライド・ケーパー!おっもしろいなー!!!
スモークサーモンも自家製らしく、これはキャビアやケーパーなどの塩気のあるものと合わせることを前提にしているのか、かなり塩は抑えめ。
もうちょっとパンチが欲しい人もいるかもですが、私これ一皿食べたい人だから、この塩加減でちょうどいいかもしれない。(いつか食うぞ、こいつ。一人で一皿)
アスパラ・サラダ
野菜の手入れやバランスってのは、結構シェフやお店の色が出るもの。本店とは味の様子が多少違っていたとしても、方向性で大きく変わることはなかろうと踏んで頼んだこちらは…
やっぱり美味しい!
そもそもとても綺麗なお野菜を使われてるし、カットの大きさや組み合わせも絶妙。
アスパラのグリルは間違いなく美味しく味が濃いので、ドレッシングもかかってはいるものの、野菜で野菜を食べる感じ?
トロトロのポーチドエッグとチーズを合わせたら、野菜の味もさらにヴィヴィッドに。結構量があるから、2〜3人でシェアでもいいかも。3〜4人いたら違う種類のサラダをもう一つ、って手もあるけど。
ラムラック
さて、ラムです。
私も旦那さんも大好物。メニュー見てて、二人ほとんど同時に「あ、ラムがある」と呟いたので即決。
ぐはあっ。
ラムはこのお店の中でも結構お高い領域で(なんならこれより安いステーキもある)かなり肉厚。
火入れの指定はせず、お店のデフォ状況をと見て見たら、見た目はそんなに色気のある感じではなく(ミディアムレアとかではなく)、もちろん焼きすぎてはいないものの中までちゃんと火を通してました。
これもベトナムの方をメインに据えて考えられてる感。
ではつまんないかというとそんなことはなくて…
すごいしっかりとラムの風味が。
いわゆる、「臭みがなくておいしぃ♡」ではなく、ラムがラムのままで居られて尚且つチャーミングである状態。
特に脂の部分は濃厚な風味があって、且つジューシーで、ラム好き垂涎。
中心部、脂の少ない部分はパサつきはしないものの、脂がある部分に比べると少し水気が少ないので、そこは…
下に敷いてある紫芋のほんのり甘いピュレとコクのあるソースと合わせて食べると至福。水分を足すならソース状のものだけでも良いと思ってたのですが、緩やかな芋系のピュレがあることでソースを肉にしっかり乗せるし、食べ心地もまろやかに。
ポレンタとかを合わせてるケースはよくありますが、そうか、紫芋。これが普通のさつまいもでもまたちょっと変わったと思うのですが、紫芋。そしてそこに色味と食感のコントラストを出す枝豆。
人参はソースの味をたっぷりと含ませて柔らかく潰しながら、これを芋のピュレと合わせてラム肉と口に入れるとこれまた…( ̄¬ ̄)
ただこれ美味しいのは間違いないけど、一人だったら食べられるかなー。他の料理も食べたいならなおのこと、どなたかと行った方が良いかもしれないw
3ヶ月間限定・驚きの、ビーフブルギニョン!!
そしてもう一品を、パスタメニューの中から選んでたんですよ。最近美味しいパスタ出すとこ増えているので期待を込めて。
そしたら…
メインとは別の特別メニューのなかの、Beef Steakのところにある、上から三番目の、Beef Bourguignonをゴリ押しされまして。自家製のパスタもついているから、パスタ食べるんだったら是非それを!と。
まだよく知らないお店の方がいうことは、まずは聞いて見る。個別の客に向けてどういうものを勧めてくるかでもお店の技量ってのは見え隠れするし、ホーチミンでは下手なものを勧められることは少ないと思ってる。
(突拍子もなかったり、余り物を掃かすだけが目的ではないように思える。
で、出てきたのが、これだ!
うおい!!!!
これパスタってよりガッツリ肉料理じゃねーか!!!なんだよこの肉の塊は!!!www
実は注文時に私はメニューをしっかりみてこれに決めたわけじゃなく、旦那さんがお店の人に口頭でゴリ押しされてたのを聞いてただけで、あまり内容までしっかり聞いてなかったのよねw
ラムを頼んでたから、最初にこれ持ってこられた時、あれ???これラムじゃないよね???と、お店が肉料理を間違えたのかとか思っちゃったわ。
よくよく煮込まれたお肉はホロリ。最初にナイフを入れた旦那さんが(うわ…っ)と声にならない声を発したくらいの柔らかさ。(我が家では粗相をする確率が低い旦那さんが取り分けてくれる)
ご覧のように繊維はあるのですが、それがしっとりとまとまっていて、実に美味しい。お肉の旨みを、よく煮込むことで一旦外に出して、他の材料と旨みを交えてそれをちゃんと肉に戻してる。
それでいて…
くどくない。
この辺はベトナムの方の好みを踏まえた上でのことと思われるのですが(塩っぱかったり洋式の油っけが強すぎるものは好まれないというのをよく聞く)結果的に、ワタクシくらいのお年頃の胃袋にも優しかったり(๑•̀‧̫•́๑)
いやほんと、見た目すっごいボリュームで、聞いたらお肉は160gくらい使ってるとかいうんですが(一人なら、もうこれ一品でお腹いっぱいやろ)こちららの塩脂分上限にはなかなか満たないため、スルスル入る!
味だけじゃなく、食べ心地ってのも大事よね。ヘヴィすぎると食べたい欲はあっても、体が受け付けてくれなくなるもの…。
ペロペロパスタはニュートラル。そりゃお肉がこんだけ存在感あったら、ちょっと引いてそれを受け止めてくれるくらいがよろしいわな。でもそこにチーズのチュイルを割って絡めると、また表情を変えたりするので侮りがたし。
上品、というのともまた違うのですが、ひっじょーに食べやすい。これ、好まれる日本の方、結構多いんじゃなかろうか。
でね?何がすごいって、これ。。。
149kなんですよ。。。
メニュー見てなくて、お支払いも旦那さんがしてくれてたから、帰ってレシート見てみるまで私、知らなかったんです。ラムが400k超えだったから、300k近くはするかなーと漠然と思ってたのですが…
149k。
これを記事にするに当たって間違いがあっちゃいけないと思ってお店にもう一度確認しましたもん。約700円。ウソやんこんなの。。。。
「このエリアは、外国の方にはまだあまり馴染みがないと思うので、まずは店を知ってもらうためのサービス品です!3ヶ月間はこれ、やって行こうと思ってます!」(2020年6月6日時点)
とのこと。
それにしたってあんた…大丈夫かい(・∀・;
いやいや、プロモーションとしてやっているなら、ここは客が要らん心配をするとこじゃないな。客がすべきは、美味しかったら人に勧めるっちゅーことや。
3ヶ月限定ですって。
早よ。このお店に行く予定を、早よ。
意外な味わいチーズケーキ
もーお腹いっぱい!!と思ってたのですが、これまたお店の方にゴリ押しされて断りきれずに頼んでしまったチーズケーキ。
運ばれてきた時、旦那さんはお手洗いに立っていたので眺めるだけで待ってたんですよ。見た感じから、NYチーズケーキ的に重そうだなーと思いつつ。そしたら…
これがね。チーズのあ味わいはちゃんとあるんだけどひんやりしてて、アイスクリーム的な側面も持ってて、軽いとまでは言いませんが、想像していた重さには遠く、あれれ?あっという間に食べちゃった?私の満腹、どこ行った?ヽ(・∀・)ノ
お店の方も、内容的に満腹になりやすい料理が多いのは心得ていらして、「これだったら入ると思って勧めました!」と言われてて、色々考えておられるのだなぁと。
ローカルポジションだけどナイスなビストロ
あ、そういえば。
旦那さんが、Cafe Da(アイスコーヒー)を頼んだのですが、これ、すごい鋭角な輪郭のコーヒーでハッとしました。
ベトナム的濃すぎるコーヒーが苦手な方はやめた方が良いと思いますが、普段は苦手なナッティなフレーバーがあるように感じるコーヒーで、ひっじょーにエッジが効いている。
ボリュームある食後にはエスプレッソをいただくのが好きなのですが、なるほどこれならアイスでも良い。
ガムシロが別添えでくるので甘さも調整できるし(このコーヒーに甘さを加えないという選択肢はあまりないけど調整ができるのは嬉しい)最後の最後まで「ほー!!」と思うものばかり。
とても、ナイスな路線だと思います。
誠実で、且つ、お料理を楽しんでいらっしゃらるのが目に浮かぶ。そしてお客さんの分析も、決めつけすぎずに丁寧にされているという印象。もしくは自然にそれができてしまえる人なのか。
社会隔離で失速してないどころか、ますます勢いをつけてる感じのこちらのシェフ。最先端で丁々発止やる感じではありませんが、じっくりと付き合っていきたいナイスなビストロ。
ローカル気分も味わえつつという絶妙なお店です。写真映えもするでしょうし、おすすめですよっ。
ってか、ビーフブルギニョン、食べて。
お得価格の内にぜひ食べてみて。
私も他の料理開拓に行きます。マグロ食べたい。Tボーンステーキも食べたい。オニオンスープも試したいしフォンダンショコラも食べなくては(๑•̀‧̫•́๑)(義務感)
いやーっ、本当に楽しいですねぇ、ホーチミンの飲食事情!ネタが尽きないどころか追いついてくのが大変だ!
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お店情報
Saigon Chef’s
7 Ky Dong, Q3
Time : 10:00 – 22:00
Spent : 550,000vnd / person (相当お腹いっぱいでした)
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