ミシュランの星を獲得したレストラン、なんて、なかなか手が出るもんじゃありませんが、ミシュランさんがたゆまぬ努力で世界各地の料理にまで、その対象を広げてくれてるおかげで、東南アジアに住んでいると、たまに手を出せたりします。
今日は、世界一安い、ミシュランの星獲得屋台の料理のお話。
世界一安いミシュランレストラン!
さて、何の情報もなしに、チャイナタウンのホーカーに遭遇し、狂喜乱舞だったちぇりさん。慌てて事後にネットで検索。どんな評判のところだろう?と見ていると?
何とこちらには、ミシュランの星を獲得したお店があると言う!えーっ、ミシュランさん、ホーカーセンターも回っておられるん?!(笑)
別にミシュランの評価のみが絶対だと言うつもりもないけど、やはり彼らの調査力ってのは、個人のそれが叶うものではありません。なので大いに参考にするだけの価値はあると思うんですよ。
と言うわけで、混雑必至。夜遅い時間だったらどうだろう?と9時半くらいに行ったら、もうほとんどのお店がクローズ。。。あれ?ネットでは2時くらいまでやっているとの話だったんだが。日曜日だからか?(・∀・;
まぁ良い。翌日のために場所を抑えておこう。方向音痴なので、2周したくらいでは各お店の位置を把握しきれないんであるw
ネットで見たところによると、ここのブース番号は、02-126。各店のお店の看板の端っこにその番号が掲げられているので、それを目当てに探しますと…?
あつたあった!これだな。確認。周囲に昼間食べたお店もあったので、目印も確保。10時半開店と聞いたので翌朝10時前に来てみると…?
なめたらあかんで、ミシュラン店
お店前ガラガラ。そうよな、流石に有名になって何年も経つと聞くし、そこまでは…と思ってのんびり飲み物なんかを買ってプラプラしてたら、なんとー!
お店前の通路を挟んだ反対側に、Q up From here !のサイン。え。
念のためにお店に聞きに行くと、そのサインの後ろの空いてる机に座ってる人たちみんながすでに並んでるという!?え!?(・∀・;
日本人的には並ぶと聞くと、無条件で立って並ぶのだという固定概念が判断を鈍らせた…。そうよな、まだ開いてるお店も少ない=客も少ない=必要とされるお先もまだわずか。使われてない席があるなら、座って待てばいいじゃない?ということの様子…さいですか…。
普段並んでまで何かを食べることは少ないので、一瞬諦めようかなと思ったのですが、開店まであと20分。その時に並ぶ人数を見ても、場合によってはそんなにかからなさそう。
ならば、とりあえず並んで様子を見てから抜けてもいいんじゃなかろうか、とジャッジし、最後尾に着いて並ぶことしばし。
観光客も多そうですが、地元方も結構おられる。こういうのって大体よそ者の集まる場所、になりがちですが、こちらのお店に限っては、そんなこともない様子。
いやはや流石のミシュラン店。目算が甘もうございました(。-_-。)
面白かったのは、かあたんと同時にみんなが立ち上がり、並び続ける方の中に座って待つ人はいなくなりました。徐々に動くからというのもありますが、お店に対する敬意みたいなものも感じる。
列の進み方は遅かったんですけどね。どうもローカルの方は持ち帰りの方が多いようで、ご家族分かお仲間の分か、5食10食と買っていかれる。そういえ方が多いと、列の進みがかなり遅い。そこで食べたく、1人一食のパターンだと早い。もうこれは時の運ですね。
結果、開店から30分くらいで、今回はありつけました。開店前の並びと合わせると50分くらい。自分的には滅多にないこと。さて結果は…?
ミシュラン店のローストチキンのお味はいかが?
長い時間待たされた時、二種類の人がいるような気がするんです。ひとつは、こんなに待ったのだから美味しいに違いない、いや美味しくなかったら自分の苦労はなんだったのか、自分は報われるべき。だからこれは美味しいんだ!となる方と、待ったが故に期待値が上がり、思ったほどでもなかったかも、と思う人。
私多分、後者なんです。本当にあそこまで労力を費やす価値があっただろうかと考えて、点数が辛くなるタイプ。底意地が悪いんです(苦笑)
ましてやチャイニーズローストチキンですよ。ミシュランの方が鶏飯(カイファン)を食べたのか麺を食べたのかは存じませんが、そのソースといい、西洋には少ないタイプのお料理だから、単に驚かれただけではないか。だって汁なしのワンタンミー系のヌードルなんて、不味く作る方が難しいだろ。どんだけの数食べて評価したんや。
と、天下のミシュランを疑う勢いで、かなり斜めから見てたんですが…
はううううううっ!!!
何このオーラ!手渡された瞬間に、麺と麺の隙間から神々しいばかりの光が溢れているかのような輝き。そこに乗せられた香ばしそうなローストチキン!麺の艶に、そな曲線から見て取れる腰や硬さ。ソースは…ブラックソースやな、これ。
マレーシアやシンガポールではよく使われる、トロッとした、寿司屋のツメ、または蒲焼きのタレのような香ばしさとほろ苦さ、奥にコクっとした控えめな甘さを持つソース。
汁なしワンタンミーだと、オイスターソースを使う場合も多いのですが、ブラックソース。これ見た瞬間に居住まいを正すちぇり僧さん。うまそうやんけ。
で、食べて見ますと…
カーッ!!!!なんぞこの鶏!こんだけ表面香ばしくタレ焼きにされているのに、身がプワップワッ。おそらく火入れ前の仕込みも丁寧。腿と言い胸と言い、繊維の分かれを殆ど感じないくらいに密着しており、だからこそ旨味を含んだ水分の逃げる道がない。繊維が荒けりゃ、その隙間を通って逃げられるものを、密着してるからその余地がない。
と言って水っぽいわけでもない。とにかく、今自分がなんのお肉を食べているのか、軽く混乱するくらいに特徴的。そしてレシピが皆目見当つかないのです。まぢかー!
そしてそこまでのことをされる訳ですから、麺をおざなりにするわけもなく、そのセレクトから茹で方、その後ソースを合わせた時の加減まで、ぷわーふぇくと!ウォーリュウーリュしてて、それは美味しい!
口でモグモグ咀嚼する、というよりは、胃がギュイギュイ蠕動して麺が吸い込まれていく感じ。口や喉は通過点にしか過ぎず、胃という生き物が、ギョワンギョワンと麺を吸い込んでいくかのようだ。
で、2分で完食しちゃったよね。我を忘れるというのはあのことか。この手のドライ麺、数限りなく食べてきて、どこもそれなりに美味しくて、屋台ご飯の安全パイ的に考えてたけど、もういけません。ここの味を知ってしまったら、もうそんな安穏としたことは言ってられない。なんてこった。上には上があるものですねぇ。。。
で、これ、2.5ドルなんですよΣ(‘◉⌓◉’)
シンガポールドルだから、200円ちょっと。
でミシュラン(笑)
世界一安いミシュランとは聞いていたけど、安すぎるなw
別店舗も構えたようです
というわけで、苦手な「行列に並ぶ」ということをやった上で、大満足できたのだから、自分的にはすごい話。そしてもう落ち着いた、と言われるいまですらこうなのだから、星を授かった直後なんかはすごかったんでしょうね。
当然の流れで。このホーカーがあるChinatown Comlexという建物の近くに、店構えのお店も出したようです。
ホーカーはどうしても蒸し暑く、シンガポールにきたばかりのタイミグだったり、そもそも暑いのが苦手、という方には良さげですね。
ただお値段は流石に5割り増しくらいの感覚。元が安いのでいうても大したことないし、エアコン付きで衛生的な環境を考えると、それを好まれる方には安いものかも。
Chinatown Complexのホーカーマナー
さて、ホーカーは以前はどこも食器を片付ける人がいて、どこのお店の何を頼んでもその場に食べた後は気置き去り、お掃除の方がすべて片付けてくれて言ってたのですが。。。
机の角っこにこういうマークがありまして。ちょっとこれ見ただけではわかりづらかったのですが、返却棚に返してくださいね、ということらしい。
ピーク時じゃなくてもかなりの人出が見込まれてるし、ピーク時なんて相席当然、とにかく人がごった返しているので、残飯の処理や机の上が拭けていない、ということがあったとしても、食器がクリアになってるだけでかなり違う。
見てると地元の人でもこれをやってる人、やってない人、半々くらいの印象で、なかなか昔からの習慣を改善するのは大変そうだなーと思うのですが、お片づけをする方がとても大変そうだし、何より自分が席を探すときに、人がいないのに片付いていないことで座りにくいという経験をすると、食器を返却するくらいはなんてことないかな?って思いますよね。
ちょっとしたことをみんながやると、全体の稼働率が飛躍的に上がるんじゃないかな。もしこちらのホーカーに行かれる方がいたら、ぜひ協力してあげてくださいね♪
しかしまぁ、安いところなら手を出せる人が増える=牌が増えるだろうというミシュランさんの目算にまんまとハマってどんぶらこw だけどいいんだっ。美味しかったから。大満足だったんだもんねー♪(´ε` )
|
コメント