ホーチミンの中でも独特のスタイルを高いレベルで提供してくれていた「あの」お店の新規業態。さらにパワーアップしててびっくり♪
あの店の業態変更
ORYZ、というと、オールラウンドだ。料理のテクニックを駆使して、アジアをメインにテーマを決め、ダイニングテーブルの上で旅をする、をテーマに定期的に内容を変えるテイスティングコースのお店でした。
東南アジア各地の伝統的な料理や食材を現代的な解釈と独創的なアプローチで再構築した内容は、他のお店では味わえないこの店ならではのお楽しみでした。
さっきから過去形で言ってるのは、そのORYZが、状態変更を行ったから。
とは言え「旅」がテーマになっている事は変わらず、また注力していた。発酵調味料や熟成技術に関してはさらに磨きをかけている様子。
完全なら、容体変更と言うよりは、段違いいのアップグレードしたと言う感じでしょうか。

お店の場所は同じです。
しかし、趣がずいぶん変わりました。

店内に入っても、最初はウェイティングバーの代わりというか、お茶のスペースがあり、そこでいろいろ説明を受けながら最初の1杯をいただくと言う感じ。

まだ私が行ったときには使われていませんでしたが、奥の方にはこんなカウンタースペースも。
今回の取材をした時点では、このスペースの使い方に関しては、まだいろんな可能性を模索中といった感じでしたが、非常にコージーな空間で今後が楽しみ。

しかし、美しいデザインだな。ライティングの名も加わって、非常に落ち着く空間。

実実はノーインフォメーションでこちらに来たので、どんな展開になるのかもワクワクしながらこちらでお茶をいただきました。

パスポート
お料理ほどの説明を収めた小冊子は以前と変わらず。
しかし、この日は、このパスポートをなくさないようにと言う注意を受けました。
無くす???
単純に演出として、そう言っているのかしら???

と思ったら、お料理のお皿を重ねていくにつれ、いろんな国をテーマにしたり、いろんな食材やテーマにしたりと言うのは以前と変わらないのですが…
なんと今回の「NOM」と言うお店のコンセプトでは、物理的に場所も移動してお料理を楽しんでいくんだそうです。
以前はテーブルの上で旅をする。
今回は店内を移動しながら旅をする。
なんかさらに大掛かりなことになってますね😅
いざ旅へ
先程の町屋のようなスペースから、なんと一旦外に出ます。
入ってきた玄関とはまた違い、玄関の横に外に抜けるドアがあり、1歩外に踏み出した向こうのほうに、スタッフさんが待っています。

突き当たりまで行くと、右のほうに細い路地があり、そこを通る際には、ベトナムには珍しく漢字が連なっています。

ベトナムの方のお名前によく使われている文字もたくさん含まれているそうです。

以前は漢字を使われてたんですもんね。今でも言葉の音に、その名残りはありますが、こんなふうに、大々的にデザインに使われる事は珍しいかも。
そして、導かれて入ったスペースがこちら。
第一の間。

こちらは完全予約のお店なので、時間帯などをコントロールし、ほんの少数の人たちだけをここのお部屋に通すことになるのでしょう。
ほぼオープンキッチンに近い環境で、お仕事の様子も間近に見ることができますが、シンプルなデザインの中にベトナムらしい装飾や、この日使われている食材などが展示されています。

テーブルウェアも雰囲気ありますね。

このスペースでは全体的なものを提供するため、おそらくは8割、9割位の仕上げは別のところでしており、このスペースでは提供直前の整え事をする感じ。

料理の細かな説明は、こちらの「パスポート」に書かれてあるので、言葉ができなくても何とかなるかも。

日本語はありませんでしたが、今はスマホで写真を撮ればすぐに的確な翻訳をしてもらえますもんね。便利な世の中だ。

こんな感じで前菜登場。

ちなみに、3ヶ月に1度位のペースで内容は変わるので、細かくは割愛しますが、非常に繊細。

あと組み合わせがとても楽しく、みどりのお米のライスパフを直感のアクセントにしたこちらのフィンガーフードなんかは、口に放り込んだ直後、あまりに楽しくて「むふ♪」ってなっちゃったw

最近、トマトウォーターを自分でも初めてやってみたけど、そういえばここでも出てきたな。
爽やかで、どれも食欲をそそる、小さなお料理たち。

そして、お茶もこんな感じで淹れてもらいます。
風情がありますねえ♪

それにしても、いろんな食材がディスプレイされている。
そして、その質は、どれも高そうだ。
日本人に見られたものもたくさんあるけど、見慣れないものもあったりするので、旅行者さんも楽しめたりするんじゃないかな。特にお料理が好きな人。

スパイス類や、独自に作っている発酵調味料など、こんなふうに見せてもらえるのはちょっとうれしいかも😊

このマッシュルームとかめちゃくちゃ綺麗だったなぁ。

他のお店にはなかなかない。趣向だなと思いました。
美術館
さて、全体を食べたら次の場所に移動するのですが、その前に。
中地下というのか、次の場所に行く通路上ではあるのですが、少し下がったところに小さなミュージアムがありました。

実際に使われていたベトナムの昔のコインとか(今はコインは無い)

金印なんかもある。
福岡の人間には、ちょっと馴染みのあるものですね。

私は普段あまり美術館などには行かないタイプの人間ですが、これはわかるドンソン銅鼓。レプリカカとは思うのですが、歴史博物館なんかに行くとよく見かける代物ですね。
中央のマークは太陽で、それを取り囲むように飾りをつけた人々や、羽ばたく鳥、鹿、船をこぐ人など、精巧な模様が帯状に刻まれています。

楽器の一つらしいのですが、単なる楽器としてだけでなく、祭祀(雨乞いや豊作を祈る儀式)や戦争時の指揮、あるいは権力者の権威を示す象徴として使われていたものなのだとか。

私はこういう遺跡とか、そういったものには詳しくないのですが、趣があって良いですね。
次の間へ
次の間に行くと、パスポートホルダーが置いてありました。
うん、これがあると、確かに見やすい。

前菜のところでもドリンクを頼むことはできましたが、ここからペアリングが始まるようです。もちろん任意なのでので、頼まなくても良いのですが、アルコールとノンアルコールが用意されていて興味深かったです。

こんっどのスペースはkんな感じで私たちはカウンターに座ったのですが、テーブル席もあったようです。

贅沢な造りですねえ。
この日は2人で伺ったのですが、とてもゆったりとした雰囲気を楽しめました。

役目は、こんな感じで提供を。

このアイディア、いいなぁ。
客人が来られた際など、薬味とか調味料も提供するのにいいかも。

調理途中に発生する雑誌を提供してくれたり、するところは、日本人の心をくすぐりますねえ。
もちろんベトナムの方も好きな味だし、趣向だと思うけど、これ欧米の方なんかにはどういう風に感じられるんでしょうね。

コンディメント(調味料)が入ってる器も素敵なの。
この龍のがついた蓋、いいな。かっこいい。

コース全体が、テイスティングコースなので、前菜も1口ずつのものでしたが、このお部屋に来てからもそんなに大きなお皿では出てきません。

しかし、出汁をベースに、それぞれの食材の特徴がよく馴染んだお皿ばかりで、何を食べてもチャーミングな驚きがあって、楽しく、美味しい。

このセンスは本当に凄いし、以前のお店と比べてもさらに磨きがかかってる感がありますね。
少なくとも家では作らないし、そもそも思いつくことができないレシピ。興味深い。
ドリンクのペアリング
お茶の説明には日本語があったなw
以前のお店の時から日本人ゲストがとても喜ばれてて(私に対するリップサービスかもしれないけれどw)

このペアリングは別に強制ではないので、メニューを見てみて、気になったらお頼みください。ちなみにSodaなどの単品もあります。

ふふふ。
これ、可愛くない?
アミューズの一つとして出てきたんだけど、スイカをモチーフにしたゼリー菓子のようなもの。
白いお花はジャスミン。。。じゃなくて、エルダーフラワーか?!可愛い♪

ドリンクのサーヴィンぐもすごくチャーミング。
本当に、想像もつかないものが次から次に。

お食事の続き
↓これ、中心にあるのは豚の角煮的なものだったのですが、エスプーマを使った軽やかなスープ。

淡い暖かさと旨みがふわっと口に「触れる」感じで、夢心地。

風情のあるハーブと共に供された、このお部屋でのテイスティングの句読点とも言える一品。

他のお料理の味と同じように、これも決して強い味じゃない。でも凛として、一旦ここで区切りがつくことを味わいで主張している。

お料理が逆に対してちゃんと会話を仕掛けてくる。そんなお料理の数々しかもそれがたったひと口、2口のサイズで成立しているんだから、すごい話ですよね。
最後の間
というわけで、最後の間に。

そこまでの道のりは、割と時間管理がしっかりされていて、ほとんど人と顔を合わせる事はなかったのですが、最後の場所ではゆっくりするのが結構人がいらっしゃいました。

割と高額価格帯のレストランになると思うんですが、女性ばかり6人だったりとかご家族らしい方とか皆さんベトナムの方でしたが、結構な盛況ぶり。
賑わう事は良いことなのですが、平日だったしちょっとびっくりしちゃいました。
ドリンクのペアリングは、前の場所から続いてこちらにも引き継がれます。

やっぱりこちらも器が可愛い。
それにいくつもあるので、何が出てくるのかワクワクしますね。

正直、2つ目のお部屋での料理を全て食べても本当に小さなひと口ずつのお料理だったので、お腹には結構余裕があったんです。
最後まで食べてもちゃんと満足できるのかな?という感じだったのですが、そこはきちんと計算済。

もちろん個人差はあると思うのですが、そして3番目の最後のこちらの間でも、一つ一つの料理のポーションは決して大きくないのですが、それは物理的なお話。

味のボリュームが非常に戦略的に調整されている。
最初からこの味わいだと疲れてくるし、ここまでの味わいがずっと最後まで、続いても、きっと物足りなさが残ったでしょう。

それも人によって感じ方は違うので、誰しもが同じような満足感を感じられるかどうかは分かりませんが、少なくとも自分にはとても緻密に計算されている加減だと感じられました。

少しお食事のテクスチャーを見てもらっても、その辺を感じ取ってもらえるのではないかと思います。

あと、彩り。
ここに来るまでのお料理も、とてもチャーミングではあったのですが、明らかにこの最後の段階になってから、色が鮮やかになっている。

今回は、北の方から徐々に南部に降りていくと言うベトナム料理がベースになっている流れがあって、最後のこちらでは、南部ということで、色が鮮やかになっているのは、土地柄の話もあるのかもしれません。
しかし、結果として、目にも鮮やかな方が食欲と言うのは刺激されがち。

総合的に、こちらの料理は考えられてるし、実際知恵がつまってる。心理面はどこまで考えてのことかはわからないけど、緻密さだけは伝わってくっる。

何がすごいって、緻密さがあるのに、難しくないところ。何なら日本人でもすんなりと受け入れられる「美味しさ」がある。

難しいことを、より多くの人に抵抗なく伝えることの難しさ。
それは間違いなく、彼らの技量において解決されていることで、賞賛されるべきところなのだけど、おそらくあまりに自然を過ぎて、それがどこまで理解されているのだろう?と言う疑問は湧く。
もちろんそれでいいんだと思う。
食べた人が素直においしいと思える。
結果が全て。
しかし、この評価をしっかりできる人が増えて欲しいとも思う。おそらくは、私もまだまだ見えていないところがたくさんあるのではないだろうか。

とというか、お雑炊に、さりげなくアミガサダケがあしらわれているなんて、ところが素晴らしい。
そして、個人的には、このアタックが出てきて欲しいタイミングを狙いしましたように出てきてくれたことが非常にヒットポイントが高かった。

味覚の上でも、食事を締めくくるのにふさわしく、とにかく品数の多いテイスティングコースなのに、途中で一切緩むことなく、飽きることなく。

そして、食事が終わったからと言って油断することなかれ。
デザートも複数品出てくるので、お楽しみに(笑)

基本的には今回のコースはベトナム料理の流れを汲んでいるので、重たすぎず、甘すぎず。

その中には、こんなボックスに入ってくると言う演出もあり、

こちらの食事の味だけではない、「演出」の部分を最後まで楽しませてくれる仕組み。また、それが押し付けがましくなく大げさすぎないのも良い。

この小さな小さなカップケーキみたいなのおいしかったな。
ありきたりのもののように見えなくもないですが、食べてみると、非常にアジアンで、楚々と微笑む少女のような清らかさがあって良い。

そういえば、お茶にもいろいろチョイスがあってよかったです。ベトナムは、コーヒーが取り沙汰されることが多いですが、お茶文化もかなり高いんですよね。

なんだかんだで大満足満。
一つ一つのポーションは小さいけれども、とにかく無数にも思える数の料理が揃うテイスティングコース。
大変美味しゅうございました。
全体の感想として
ゆっくりと時間をかけて楽しむと言うこともあって、満腹度でも文句なし。それより何より…
ベトナムと言う文化の中での食事の位置づけ、いや、もしくは食事からベトナムを語るというか、絶妙なる文化体験と食事の融合。
前進の ORYZ の時にも感動していたことですが、それにさらに磨きがかかっており、食事を体験として、いやもっと言うなら、ベトナムの体験として楽しめる稀有なお店だと思います。
いや、ベトナム料理は、どれもその存在自体が、ベトナムを語るものではあるのですが、それを再構築してエンターテイメントに仕立ててある。
素晴らしい経験ではあったのですが、全くベトナム料理を知らない人が単独で行くと、少し楽しみ方が小さくなるかも。
何も知らない方が行っても、面白いしおいしいです。
ただ、できれば、ベトナム料理を日常的に食べている人で、ある程度知っている方と一緒に行く方がきっと楽しい。
お店も懇切丁寧に説明はしてくれるのですが、彼らにとってはベトナム料理は日常のもの。生まれた時から傍にあるもの。その前提で、語られても、やはり身近でない人間には、距離がある。
ので、日本人目線からある程度ベトナム料理を身近に食べている人と一緒に行くことをお勧め。
……わ、私、そこそこ役に立つと思います…ヽ(・∀・)ノ
ちなみに、お店側としては、ゲストごとの時間のコントロールなども必要になるので、予約必須です。
Google マップから予約システムにアクセスすることもできますが、私に言っていただけてもご予約代行します。中の人と仲良しなのでヽ(・∀・)ノ
ご旅行時、またはベトナム料理や文化に興味を持ってくださるおもてなし相手がいて、普段とは違う趣向をお求めの方。こちらは唯一無二のお食事体験を楽しめるお店だと思います。
ご興味があるようでしたら、ぜひ一度😊

お店情報
NOM Dining
53 Ttan Nhat Duat, Tan Dinh, Ho Chi Minh
Time: 17:00 – 23:00 ※完全予約制(月曜定休)




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