鮨山治
こちらのお寿司屋さん、もともと築地にあった老舗の仲卸「山治(やまはる)」が名前を使うことを許されているお寿司屋さんとのこと。
仲卸の山治さんは、1958年創業の、現在は豊洲市場最大級の仲卸業者。
つまり、ここで使われている素材は、プロ中のプロの目利きによるもの。信頼感が半端ない。
よく目にするメディアの紹介でも、ここの素材の質の高さについては多く言及され、圧倒的な鮮度とものの良さで、高級店のそれと遜色ないものとの触れ込み。
スタイルとしてはおまかせコースのみなのですが、これが税込み5,500円と言うお手軽さ!
こんな価格ならちょっと行ってみようかって気になりますよね。
内容は、握り10貫、小鉢3種、玉子焼き、お椀など、全15品程度。え、十分じゃない?ちゃんと知ったお寿司食べようと思ったら、町の寿司屋でもそのくらいはするのでは?
一斉スタート
一斉スタートなので、時間に関しては、ぜひ遅れずに行きたいところ。
今回私たちはすぐ近くのお店で0次会を楽しみ、予定の10分ほど前に移動と言うスタイルを取りました。
諸事情おありになるとは思いますが、せっかく築地に来るのだったら周辺のお店を見て回りつつ、楽しみながら待つというのも、アリかもしれません。
位置的にはわかりやすいところ。しかし。。。
なんとこの隙間に入ってきます。
なんてホーチミン的なw
時間的にもう午後だったので、閉まっているお店も多い通路。入ってすぐの右手に…
山治さんの表札が。
看板、というにはあまりに密やかw
そしてかなり年季の入った建物ですね。
そこに階段がありますので、登っていきます。
そして扉を開けると。。。
急に近代的なキッチンが!キッチン、というか、冷蔵庫がざーっと並んでる。
その横の通路を入ると、待合スペースがあります。
そこがまた風情があってですねー。
予約は絶対した方が良いのですが、もしかしたらウォークインで入ってこられて、「お席はあるんですが、あと30ほどかかりまして…」なんてこともあるのかもしれない。
そもそも一斉スタートなので、お時間に遅れないように早めに来られる方も多いでしょうしね。
ちなみにここにお手洗いもあります。
というか、食事スペースはこの上になり、上にはお手洗いがないようなので、事前にこちらで済ませておいた方が良いかもしれません。
こういう戸にある格子とか、昔からここにあったものなのかなあ。風情があるなあ。
新しくすべきところはしてるけど、路地から感じられた「年季もの」の語るものとかは大事にされてる感じ。素敵。
鮨場の様子
時間が近づくと、予約の名前と人数の確認。
そしてみんなが一斉に3階のお席に案内されます。
満席でも16席位とのこと。
この時は、見事に満席。
どれくらいだったかなぁ、カウンターに8〜10席。カウンターから少し離れたところにグループがまとめて座れそうな6〜8人ぐらいのテーブルがあったかも。
本当に満席だったので、この日は全体の写真が撮ることが叶わず。
でも、こじんまりとはしていたけど、窮屈な感じはなく、本当にデザインが素敵だった。
メニュー&ペアリングの妙
料理に関しては、基本お任せ。
アレルギーとか苦手なものは事前に聞いてくれますが、お伝えする必要があれば、できれば予約時にお伝えするほうがいいですね。
こういうの、お店のために、客がそこまで気を使わなくても良い、と言うご意見もありますが、事前に仕入れておいた方がお店も余裕を持って準備できます。
余裕を持って接客してもらうのと、余裕がない状態で接客してもらうケース。どちらが客にとって良いかを考えてみたら、自分のためでもあるんですよね。
ちなみにこちらはお酒のペアリングも人気みたい。1800円だったかな?なんかすごい安かったです。
内容は3種類。コースが大体3セクションに分けられていて、それに対応して違うお酒を出してくれるらしい。
この時説明をしてくれる大将が、頼りになりそうな様子ながら、気さくな感じでとっても雰囲気が良かったんです。
食事が始まる前に、大将の人柄が垣間見えて、それがあまり緊張しなくて良さそうな感じだとほっとしますよね。お寿司屋さん😁
かといって気安いだけでも、お鮨屋さんは通らない。
それらがなんだかちょうどいい感じで、私はすごく和みました😊
ちなみに、こちら朝8時からやっていらっしゃるそうなのですが、それだけに、お酒のペアリングだけではなく、お茶のペアリングがあるのも魅力!
私はこの日、飲まないつもりでティーペアリングをいただきました。これがまた素晴らしくてね。
お茶自体もとても良いものでおいしいのですが、ただお茶を入れるだけでなく、少し手を加えた。軽い印象的。
それがとてもお鮨と合うんですよ!
普段からお寿司を食べる時は、温かい緑茶でいただくのが1番好きなのですが、なるほど、こういう風に合わせると、こんな風になるのかと言う新しい発見。
お寿司屋さん、多くの場合は、お酒が飲めないとお茶がソフトドリンクとなり、お金を払いたくないわけじゃないのに、払うところがないところが悩み所。
ですが、こうしてきちんとお金を払えるメニューを作ってくれるのは本当にありがたいですね。
初手からおいおい
ところで、前菜が出てくるよりも早く、大将から、
「これ!名刺がわりに!」
と、メニュー外のお寿司が一貫、提供されました。
ちょっ、まっ…(笑)
焦って撮影の縦横間違えとるやないかw
ウニー!えーっ!!!
あのね、やらしいこと言うと、これも店としては料金内かとは思うのですが、だとしたら、さらに料金がお得に感じる。
でもこれ、その日の仕入れにもよるから必ずあるものかどうかはわかりませねん。万が一にも、これがなかったからといって、文句を言ったりしないで下さいね。時の運ってやつです。
っつーか、小川のうにじゃん。。。。
道内各地厳選の「うに」だけを使ってるはず。確か丁寧に人の手で詰められてるんだよな。良いお寿司屋さんがよく使ってる。。。
それを、メニューのメインでもなく、締めでもなく、コースが始まる前に、この上質なウニ。
ウニってかなり濃厚だから、一般的には初手に出すものじゃないと思うのですが。。。
それをあえて出すところに、自身のほどが伺えますよね。
ただウニが嬉しかっただっけではなく、コース外のサプライズも嬉しかったけど、大将の、
「今日はあお任せください!」
と言う声が聞こえるようで、実に頼もしかった。
なんという演出。そしてメッセージの伝え方か。カッコいいなあ!
前菜
そして、こちらが前菜の3品。
と言いながら、美味しいガリとかちょっとした味噌とかもあって、それだけでも結構飲める感じ。(海外にいると美味しいガリに出会える確率が低いのだ。。。)
ごま豆腐、菜物の和え物、赤こんにゃく!
関東の方は赤こんにゃくよく召し上がるんですかね。先日紹介したお弁当の中にも、赤こんにゃくが入ってた。
最近の流行でないのなら、西ではあまり見かけなかったので、個人的にはとてもうれしい。
ティペアリングも美味しいし楽しいが。。。
揺らぐな。この前菜、めっちゃお酒が飲みたくなるw
後ほど出される予定のマグロの温度を少し戻すために、先に切りつけて寝かせていることを伝えてくれる大将。
お寿司屋さんて、おいしいお寿司を食べさせてくれる事はもちろんなんだけど、お客さんとの兼ね合いというか、もてなしもしくはエンターテイニングも味の内。
そこも含めてすごくいいお店だなぁと、本文のお寿司のコースが始まる前からもう大好き。この店(笑)
鮨うま!!
そして肝心のお寿司。これは季節によって変わると思うので、今回ご紹介するものを必ず食べられるとは限りませんが、まーっ、見事でしたよ!
もちろんね、超高級店に行けばもっとおいしいお寿司はあるのかもしれません。私はそういうところになかなかいけないので、存じ上げませんが…
私が食べに行ける範囲のお寿司、そして食べてきたお寿司の中でかなり上位っ。
赤頭を使いながらもシャリは出しゃばりすぎず、ひとつぶひとつぶの輪郭は凛としており、それでいて口に触るほどでもなく、ひと度、寿司を口に入れるとネタと溶け合って、米の1粒1粒がそのネタと絡む感じ。
これぞお寿司だ。美しいお寿司。江戸前の仕込みも非常に凛々しい。
途中で、どうにも辛抱たまらず、お酒をいっぱいだけいただく。
しかも自分が頼んだわけじゃなく、隣でペアリングを楽しんでいた方が、あまりにペアリングがリーズナブルで申し訳ないから、単品でもいっぱい頼もうと頼まれたものを横取りしました( ̄▽ ̄)
基本お茶とお寿司の組み合わせがやっぱり大好きなのですが、ここのお寿司はちょっとお酒が飲みたくなる味。
そして、お酒を口に含むと?
っかー!!!😆(食レポ放棄w)
キンメとか諸々おいしかったのですが、驚きだったがメカジキ。
食べたことがなかったわけでは無いのですが、意識してもしくは意図的に食べた事はあまりなかったかもしれない。
そんなにおいしいおいしいと言われているのを聞いた記憶もそこまでない。だからそんなに珍重すべきお魚ではないと思っていたのですが…。
めちゃうまっ。
めっっっちゃうま!!
え、こんなに美味しいお魚だったの?
お魚のポテンシャルもあるでしょうが、これは仕込みがいいんだろうなぁ。
お話を伺うと、やっぱり魚体が大きいこともあって、そんなに気軽にあちこちに出回るものでもないらしい。
同時に、大量に出回るものでもないらしく、定期的なネタにするのも難しいと
そういうレアなお魚を入手できるのは、仕入れ元が大きいからと言うこともきっとありますよね。
げに、鮨屋の味は仕入れから。
こればっかりは売ってくれる先との信頼関係がないと店に出せない、客も味わえない。ありがたやありがたや。
あ、トロね。
凄まじいです。
こんなちんまりとした可愛らしい形をしていながら、インパクトすごいです。
マグロにそんなに価値を感じない、なんて言ってた若い頃の自分は、単に良いマグロを知らなかっただけだったと言うことを思い知らされているここしばらく。
うまいマグロが凄まじくうまい。ほんとに。
あと、これも感動だった!
アナゴ!!!
まるで新雪がほどけるような、軽やかでなめらかな口どけ。
それがシャリの1粒1粒と絡み合ってもうなんか、私今何食べてる?!と混乱するぐらいにおいしかった…。
え、こんな素晴らしいお寿司の数々を食べて、5,500円とか、おかしくない?!という戸惑いを、甘ーい江戸前の卵で締めて、心を落ち着かせる。
出てきた汁物は貝のお味噌汁で…っていや、蓋、閉まってないやんw
なんという充実したお寿司のコースか。
このお店に行くべき理由
新店だからアーリーステージカスタマー
築地の中でお店をそんなにたくさん知っているわけではないけれど、ここはオープンされてからまだ間もないと言うことで、今後行く時にぜひ試してみて欲しいお店の1つ。
今年オープンしたばかりと言うことなので、ぜひ体験してみて、もしよかったら人に伝える立場になれるのも嬉しいところ。
隠れ家的なロケーション
ご紹介したように築地と言うとってもメジャーなエリアでありながら、ここの店の佇まいはとても隠れ家的。
行きにくいと言うわけでは無いのですが、ホーチミンの古いビルのカフェを訪ねる時のようなドキドキ感があります。
行ったことがない人と一緒にドキドキ感を楽しむのもいいし、経験しておいて、自信たっぷりに誰かを連れて行ってあげるのも良いかも。
コスパ良すぎ
ご紹介したようにめったとない仕入れ先をお持ちのこちら。確実に素材は良いし、腕も良い。
実際おいしかったし、コスパがよすぎ!
観光地のお店は、何かとお高いだけのところが多かったりしますが、ここはほんとにお得なお寿司屋。
ティーペアリングも魅力的だったし、お酒の揃えも素晴らしい。しかもそんなに高くない。というか、私の価値観からすると、あのお酒のラインナップ、お茶の質からいうと、安かった。。。
敷居の低さよ
またお寿司屋さんて結構敷居高いですよね。知らないお店だとほんとに緊張しちゃう。今回だって大将のお人柄が分かるまでは、私もかなり様子見って感じでした。
でも、その点でもとっても感じが良かったし、腕が確かなことがあらゆるところから見てとれるので安心だったし、何ならとっても楽しかった。
お寿司屋さん、初心者って方にもすごくいいんじゃないですかね。
外国人対応もっかりと
場所柄もあるのでしょうが、外国の方への対応もしっかり。
隣に香港から来たカップルさんがいらっしゃったのですが、彼らのような外国の方のために英語の解説メニューも用意されていたようです。
もちろん、お店側の対応もスマートでした。
鮨をメインに食べたいんじゃ!という方に
お寿司屋さんのおまかせって、焼き物や揚げ物、椀ものなんかもあって、それらももちろん美味しかったり嬉しかったりするのだけど…
寿司だけを食べたいって人には、それらって、そこまで必要じゃなかったりしません?
それにここは築地。他にも食べたいものがあるじゃないですか。また旅行中の方であれば、前後の食事にも胃袋は確保しておきたい。
でもここなら鮨に一直線。
そして量もほどほど。
だから私たちのように、ここの前後に食べ歩きをすることも可能。
こんなに良質なお寿司屋さんを、そんな位置づけで楽しめるってめちゃくちゃ良くないですか?
気をつけた方が良いかな?と思う点
時間厳守
先程も言いましたがあって、こちらは一斉スタートのお店なので、予約時間には遅れないようにするのがマナーかと。
詰め詰めで朝から予約を入れていらっしゃるようなので、申し訳ないというか、おそらく待ってもらえないんじゃないかなと思われます。
もしかしたら、多少の遅れなら遅れた分を急いで握ってくれる可能性はありますが、こういうスタイルのお店には遅れないことが大事。
アレルギーや苦手なもの情報は事前に
お任せスタイルのお店だと、ネタの種類などは絞り込んでいる可能性が高いです。
その場でも聞いてくれますし、対応してくれるとは思うのですが、苦手なものやアレルギーで食べられないものがある場合は、事前にお伝えしておくのが吉だと思います。
食べ終わったら速やかに
朝の8時から開始して、6回転って言われてたかな?
詰め詰めで回転をさせていらっしゃいます。
確か60〜90分ぐらいだったと思いますが、それで1回転。その決まった(爆)の後には、すぐ次のお客様が待っていらっしゃいます。
お酒が入るとついつい話が盛り上がって時間が長引きがち。
ですが、次の方が控えていらっしゃるまたは次の方のためのご準備がお店には終わりになると言うことを考えて、食べ終わったら速やかに退席すのがよろしいかと。
ぜひ行ってほしい!
これらは決してお店の方から言われたことではなく、1客として私が思ったことです。そして、もしかしたら他にも気をつけるべきことってあるかもしれませんが…
出来る限りの形をお店に示したい。
そんな風に思わせてもらえるほど、美味しく感じの良いお店でした。
築地に行った時の良い思い出になると思いますし、何よりおいしい。
そもそもこの金額で、あんなにおいしいお寿司を食べられるなんて、東京にお住まいの方がほんとにうらやましい。
よかったらぜひ行ってみてくださいね!
お店情報
築地 鮨山治
東京都中央区築地4-9-11 2-4F
Time:08:00 – 17:00
Spent: 7,500 円 / person(ドリンクペアリング込みです)
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