おもてなしのためのお店群ってあると思うんですが、ここはまだ入っていない、という方も多いのでは?
お味だけでなく色んな面から、ここ、リストに入れておいて損はないかと思います!
程よくレア感のある立地
まずね、場所もいいんです。
何を持ってよしとするかはそれぞれかもしれませんが、旅行者さんや出張者さん相手なあ、ここは在住者が連れてきてこそ、というか…
街中からもそんなに離れていないのですが、目的がないとこないエリア。そして良いお店がちょいちょいできてるとこなんですよね。
これ見よがしに集まってるところ、人目につきやすい大通り沿いは、ぶっちゃけ旅行者さんの目に入ることもあるわけじゃないですか。その気になれば行けるし。
案内が必要そうに感じる場所にあるお店。
これ、おもてなしする際に、メンタルリードを図れるのでとてもだいじ。
去年10月にできたばかり
2024年3月時点では、まだ半年も経っておらず、知らない人が多そうなのも魅力の一つ。
出張で何度もいらっしゃる方や、ホーチミン在住の方だと「おもてなし」ともなると同じお店に何度も連れて行かれがち。
実際よく聞くのです。
出張でいらした方が、3日連続で同じ店に連れて行かれそうになった、なんてお話。
仕方ないですよね。
落ち着いていて、個室じゃなくともプライベートスペース感のある場所があり、価格帯はさほど高くなく、でも居酒屋、とは行かない場合の場所。
欧米系でおもてなし系の…2,000k前後のお店となると、案内するにはその店をよく使いこなせていないとオーダーするのがちょっと大変。相手の好みも加味してコースを組み立てるの、慣れてないと大変ですもんね。
おまかせなどのコースならそこは気にしなくていいけど、本当にお任せできるお店はそう多くはなく。(あれはほんと、言葉だけが先行しててどうかと思いますが、致し方ないですね。。。)
程よいお店がかなり限られる、というのが、今のホーチミンの飲食界隈に対する私の印象。
なのでこちらのようなお店がリストに加わってくれるというのは非常に心強い。
ご覧いただいたように、お店の様子も高級すぎず安すぎもせず、広すぎもせず窮屈すぎず。
アジアをモチーフにしたお料理に合わせて、インテリアも、どこか日本風なところを感じたり、竹モチーフでベトナムを感じたり。センスの良い落ち着き感を感じます。
メニュー
お料理メニュー
メニューは巻物的な様子で提供されました。
10品で 1,480k++
8品の方は、10品の中のハーバルダックと焼き菓子的なものがないものとなってるようですね。
個人的な意見としては、200kの違いなら絶対ダック食べといた方がとは思います。
それにしてもいろんな食材を満遍なく使ってる感じですね。いろんな種類を楽しめそう。
ちなみにこのメニュー、3〜5週間ごとに変わるそう。
なので今回ご紹介したものも、程なくして変わる可能性があるので悪しからず。
ただそれをあえてご紹介したいと思ったのは、全編に通されたこちらのシェフの技術とポリシーをお皿の上に感じたから。それらがあれば、何を出すかというよりは、「シェフの味を楽しみにいく」という表現が取れるので。
ちなみに基本路線はアジアで、都度、香港だったりベトナムだったりと、テーマを変えての内容になるそう。
ドリンクメニュー
こちらのお店のモチーフは、ファーメンテーション=発酵。
ということもあって、日本食の技術も大変レスペクトされています。
だからかどうかはわかりませんが、日本酒がワインより先に紹介されているという珍しいドリンクメニュー。
ワインもかなりお手頃なものを揃えてくださってますね。
あとベトナムの飲食店さん、いいなと思うのは、ノンアルのドリンクも結構揃えてくれてるところ。
ジュースとかお茶、だけではなく、モクテルとか、飲まない人もお酒の場を視覚的にも近しい雰囲気で楽しめる、みたいな。
元々ビールや自家製造酒以外のお酒はかなり高かったし馴染みもなかった、という時代が作用してる部分もあると思いますし(この10年でそれもかなり変わりましたが)、最近の飲酒検問の厳しさも手伝って、今後はノンアルセクションの充実が期待できると私は見てて。
アルコールじゃないとお金が取れない、なんて言ってるのは、店にも客にも勿体無い話。お金を取れるノンアルドリンクを用意すればいいじゃないかというお話で。(簡単でないのは承知ですが)
日本にある私の大好きなお店でも、下手をするとアルコールよりも料理に合うんじゃない?というノンアルのペアリングをしてくれてるところがあり、料理に合うのはアルコールだけではないということをひしひし実感している次第。
お料理開始
アペタイザーのバンズ3種
というわけで、お食事開始。
え、いきなりバンズ?
とちょっと面食らいましたが、結果と知ってこれ、あとに響かなかったんですよね。
最初に炭水化物を入れたらどんなに後が辛いだろう、食べられなくなるのでは?と思ってたのですが、小さいのと軽いのと、あとはバンズに合わせるものが、実に興味深かった。
そういえばバンズ類も発酵の賜物ですね。
プラス、自家製仕込みの調味料を使ったあれこれ。その調味料も自家製だったり。
バンズも三者三様で、しかも一つ一つが相当練り上げられレシピ。それがちゃんと伝わるので、お座なりには食べられない印象。
各種ソース類がとても興味深く、でもなんだかとてもしっくりくる味。アジアをテーマにしているからということもあるだろうけど、この「しっくり」感は、結局この日のコースの最後までそばにいてくれるものとなりまして。
ところでこの黒いバンズ、中華の包の蒸しパンなんですが、めっちゃ美味しかった。このサイズなのに、指に触れた時の質感と言ったらなかったですよ。
指先で美味しい。
まずここで嬉しい驚き。
ホタテの巻物
と、聞くと、ホタテ「を」巻いていると思うじゃないですか。
その通りで、この包ものの中身はホタテなのですが、なんと、周りの白い生地も、ホタテでできているのだそう。
ペーストにして作られているのでしょうか。この発想はなかった。
そして色使い。
なんとも爽やか。
同じ緑でもソースとオイルを共演させているのがまた面白い。
みめ通り爽やか且つ、滑らかな口当たり。強すぎないが、ホタテの旨みを品よく湛えた一品で、私はこういう料理を食べた記憶がほとんどないが、でもとてもしっくりした美味しさ。
トマトのサラダ
モチーフは卵とトマトの炒め物のようでしたが、トマトは炒められておらず、その素材のストラクチャを借りたひと皿の様子。
こちらもオイル使いが気が利いていて、なければ物足りないかもしれない、でもありすぎるとくどくなる、というのを踏まえて、食べ口によってそのバランスを微妙に変えて楽しめるようになっている。
とかなんとかいうとややこしく聞こえますが、あまりに統一感がある一品というのは、時に「簡単な味」に感じるもの。
これはまさにそれで、複雑に味わおうと思えば味わえますが、トマトのサラダ、と思って食べればスッと口に入ってきます。食べやすい。
蒸し魚とカボチャのソース
これが素晴らしかった。
いえ、これまでも素晴らしかったのですが、魚の手入れが完璧だ。青物だったように思うが、特有の匂いがふくよかさに替えられていて、実にみずみずしい。
それに対して、カボチャの花の天ぷらがサクリ、とした食感で対比され、まろやかなカボチャのペーストと、しっかりとした味わいのある醤油ベースの甘味のあるタレ。
うおおおおお。美味しい。
手が込んでる。でも。。。
多分日本人はとても素直にこれを楽しめるんじゃないだろうか。
日本食を思わせるアイテムを組み合わせた、日本食にはない料理。そのコンビネーションが醸す味わいに「この手があったか!」とは思うかもしれませんが、美味しいわーこれ。
鳥料理
これも美味しかっったなー。
タイトルは麻油鶏(マーヨージー)となってましたが、台湾で食べたそれとはもちろん大きく違う。
グリルしたもの、マッシュルームの旨み前提で仕込まれたもの、添えられたお野菜。
どれも仕込みがとても丁寧で繊細だ。
お料理がわかる方には、「ふえ〜!」となるほどの手間が見て取れるのだが、最終的な味わいとしては、とても美味しい鶏料理。
お口直し
で、こちらがメニューになかったお口直し。
なんて愛らしい。
しかしそこはアジアモチーフ。
ただのソルベではなくて、白木耳をベースに近い、白い可憐なおはなに見立てたトッピングは、梨。
お口の中をさっぱりとさせ、また魚や肉が続くところへのインターバルとしての役割を完璧にこなす組み合わせ。
フレンチも含め、最近いただいた「お口直し」では、ルックスも含め、ダントツに好きでした。
香港式焼豚
さあ出てきましたよ、小さなクレイポットに入っているのは焼豚。香港式で且つ、シンガポーリアンのシェフ手にかかったものとなると俄然期待値が上がるのですが、
手前の白いのものはお豆腐。
かなりの濃度で止めてはあるけど、とろっとろの濃厚豆腐。
なるほど、甘辛チャーシューとなると白飯が恋しくなるところですが、濃厚な、豆腐。
黒いのはリークを焦がしたものと思われるけど、こんなに真っ黒になってる割に味わって食べられるから不思議。
これ、つまみとして出す時にはいいなあ。
かなり美味しい甘辛ダレのチャーシューは、口に運ぶと蕩けるようで、思わず拍手したyったわね。
シュッと口を洗う四角豆に乗ったピクルスも良いアクセント。
過去最上級に品の良い鴨麺
そしてお次がカモ麺。
でも相当に小さなポーション。美味しかったので個人的にはもちょっと食べたかったかもw ←鴨好き
テーブルの上でスープを注がれて完成なのですが、やーっ、薬膳鴨スープ。これもまた実に実に品が良い。
そんなに薬膳臭さはないので、ハーブが苦手という方にも多分受け入れられやすいお味。
トッピングのカモの方がでかいな?(笑)
もうこのソースのグラデーションと脂の艶で察してほしい。美味しかった。。。
締めのご飯
ベトナムの器を多用されてるのも可愛かったな。
そしてこれ、窪みの部分の径は小さいけど高さがあって、可愛いんですよね。
聞くところによると、昔貧しかった頃、小さな器しか満たせない食料しかなかった頃でも、上から見た時の表面が広いものに入れるとたくさんあるように見えるから、と言ってこういう形ができた、なんて話もあったな。
たくさんに見えるかどうかは別として、チマっとした量のものを入れても様になるのは確かだな。
ご飯はクレイポットで炊かれたものが出てきて、薬味と一緒に供されます。
はい、ご飯美味しそう!
テーブルでスタッフさんが具材とタレとを回しかけ…
軽くポットの中で混ぜ合わせてからお茶碗によそってくれます。
黒いタレはブラックソースのようなもので、東南アジアでよく使われる調味料。塩気の少ない溜まり醤油のようなもので、香ばしさが添えられます。
付け合わせはこんな感じ。
ラプスン、焼豚、ピーナツの炊いたもの、そしてヤマクラゲ。
ラプスンは日本人に馴染みがないかもですが、中華圏では定番食材。アジアらしい逸品と言えますよね。
焼豚は日本人も大好きだろうし、ピーナツも、炊いて食べることは少なくても抵抗のある味ではない。
そして、ヤマクラゲ。
私大好物なんですよね。でも意外と日本でも食べる機会が少なかったり。
デザート
こちらはグリルしたマンゴーと餅米。
いわゆるタイの、カオニャオマムアンをモチーフにしたひと口デザート。
黒いお皿もモチーフはマンゴーで下はココナツミルク。ですが、お米は入ってなくて軽い口当たり。
似た食材の組み合わせでありながら、全く違った味わいで、どちらかだけだと物足りないかもですが、どちらもあることでいろんな要素を補い合って満足させてくれてる感じ。
おいち(*´꒳`*)
ハスの花のお茶
嬉しかったのは、デザートと一緒に出てきたこちらのお茶。
ホーチミンではなかなか見ることのできない、ハスの花のお茶!
ハノイだったら見かけるんですけどね。
ガラスのティポットというのも素敵。
そんなに色こく出るお茶ではないのですが、ここまで食べて、胃の腑が落ち着いた頃にはちょうどいい感じ。
そして茶菓子は、パイナップルケーキとエッグタルト的なもの。タルト、お花で見えなくなってるけど。
デザートは、さっきのマンゴーのやつで終わりちゃうんけ?と思いつつも、お茶を飲みつつ、なんだかんだと話していると、時間をゆっくり過ごしてしまったので、合間につまめるものがあると吉。
何より、可愛い😆
最後の時間のみならず
ふと気がついたのですが、お茶を飲みつつ話し込んだとかきましたけ、今回のお食事の間中、まーよくおしゃべりいたしました。
SNSではずっと知ってて食の情報交換をしていた、食に関わるプロの方だったもので、まー喋る喋る、食に関してw
ですがこれ。。。
あまりに目の前の料理に気を取られ過ぎてしまうと、こうはならないんですね。目の前の料理についての分析ごとは喋るけど、他の話が広がらない。
そういえば、会食時にはそういう空気感が必要なこともあるんじゃないかなと。
美味しくてもあまりに難解な料理だと、料理に気を取られ過ぎて他の話に気を割けない。それもまた自分みたいな人間だったら楽しくはあるのですが、おもてなしの場では、それが目的じゃないことも多かろうと思われる。
でも、まずいのは論外。
雑だったり、基礎知識のない料理ももってのほか。
これはなかなか難しい。
正直、そんな条件のお店、他にどこがある?と聞かれたらかなり考える。
おもてなしの機会が多い方は、こちら、一度チェックされっておくことをおすすめ。先にお伝えしたように、3〜5週間ごとにメニューが変わるということなので、ご予約の際には内容を確認されることをおすすめ。
や、ほんとに良きお店でした😊
あと、入り口付近のお席だとキッチンの様子がよく見えるのですが、シェフのコンダクトが非常に行き届かれており、みなさん実にスマートにお仕事をこなされていたことも付け加えておきます。
高いばかりのおまかせの時代、変わりつつありますね。
今後のホーチミンの飲食界隈が楽しみになるダイニング体験でした♪
シェフのインタビュー
Kamereoさん(ベトナムの B to B フードサプライサービスを提供している会社) が、こちらのレストランのオーナーさんのインタビューをされていました。
とてもシェフの人柄が伝わるご様子だったし、お店の雰囲気もさらにわかってもらえそうなので、
この投稿をInstagramで見る
このインスタポストの転載許可をいただきました。
お店の様子は、一人の人間からだけ聞くより、いろんな方からの情報に触れた方が楽しいですもんね。
これからも、もしすでに書いてるお店についてのインタビューがあったらご協力いただくことになったのでお楽しみに(^・^)
格段にグレードアップ(inago会)⬅︎NEW!
新しいスペースができてた!
お久しぶりのこちら、今回はinago会で伺いました!ちょうどいい具合に6人集まったので、2階の新しいスペースに通してもらいました。
予約名もセットされてた。
というか、他にもたくさん予約が入ってて、さすが Michelin に名前があがっただけのことはある。
前回来た時も素敵だったけど2階のお席はさらに素敵で、プライベート空間こそないものの、とても落ち着いた空間で、雰囲気も良い。
そして撮影にも助かる照明のセッティング(笑)
最近は大事よねー。
これは自分みたいに発信する側のわがままなんだけど、お店の雰囲気重視すぎて、写真のセッティングや修正が大変なところはつい、後回しになってしまいがち😅
正直、助かる(-人-)
メニュー
さて、一定期間ごとに変わるこちらのメニュー。この時は、南洋、と言うテーマでした。シンガポールやマレーシアとかがメインかな?
アルコールペアリングもあって、ワイン2通り、日本酒2通り。お手頃プライスなのがありがたい。
今回はワインの数が多い方にした。
ペアリング、と言うもので、心から楽しめたことがあるのは過去にそんなに多くはないが、ないからこそ、あれこれ数を重ねるのは大事だな、と思ってるんだが、この金額で経験を積ませてもらえるのだったら、結果がどうあれ御の字だ。
技巧アイデア、豊かなコース
BREAKFAST
やー、最初に言っておくと、本当に楽しかったです。
コンセプチュアルなコースにすると、それに囚われすぎて味が二の次になったり、無理が見えたりすることがあるのですが、今回の実にチャーミングだった。
まずは、南洋の朝食、と言うタイトルの逸品で始まるのですが、コーヒーオニオンのソテーを挟んだトーストに温泉卵、マッシュルームフォームに、対塩性乳酸菌発酵調味料、それにマッシュルームXOソースをかけて食べるもの。
ハワワ。確かに朝食的なアイテムではあるけど、これ、凄まじく手のかかった食材、調味料を何層にも重ねたような料理だわね😅
美味しかったし、驚きもありつつ、違和感は感じない良い驚きでの幕開け。もうこの時点で前回とは違った予感が広がります。
でも美味しかっただけにえ、最初からペアリングの酒は出して欲しかったw
「朝食」って言うタイトルの料理に酒をつけるのは憚られたのか、ペアリングスタートは次の皿からでしたw
たとえば会食なんかだと、日本人はまずビール!が必須な場面もありましょうから、なんだったら最初に1杯頼んでからスタートしてもらうのもいいし、ペアリングではなく単品でドリンクを頼んでいくスタイルでもいいですね。
FRUITS ROJAK
Fuits Roojakは、マレーシアとかインドネアモチーフですね。
Rojakってのはマレー語で混ぜる、と言うニュアンスがある単語で、フルーツやや野菜、その他をカットして辛めのブラックソースなどで和えてる代物。
それを全く再構築した料理には、食べ慣れぬ人への新鮮さを弾ませながらも、量をギリギリ絞って食べやすいだけでなく、なんなあ足し身を感じさせる魅力がある。
ASSAM LAKSA
はーい私も大好物なのですが、、ラクサ。
ええ、あれはボウルで出てくるものじゃないのか?(笑)
美しく形を整えられている各食材。
それに別添の薬味を足していただくと、まーっ、これ、ラクサだ!その見た目ねいは到底落差の片鱗はないのですが、
蓮華に添えられたソースの中にそれは見出されるし、元の料理を知ってる人には、見た目との落差に楽しい驚きが感じられるはず。
やーっ、あれこれ食ってて楽しいのは、こう言う時に比較や連想、モチーフのストラクチャを知ってることでの工夫の素晴らしさを推しはかれること。楽しい♪
CHAR KUAY TEOW
クイティヤオ、はマレーシアやシンガポールの代表的な庶民食の一つで、類似のもので言うとタイのパッタイ、なんならベトナムの Pho Xao なんかも仲間っちゃ仲間かもしれない。
要は米の炒め麺なのですが、確かにその要素は使いつつ。。。いやこれは流石にクイティヤオじゃないやろーと思いつつ食べるのですが…
やー、スロークックのホタテの貝柱にラードやダックの卵を効果的に使ったソース、そして添えられた芽ねぎみたいなのがめちゃくちゃ美味しい。
どうやら今回は、料理があって、それに薬味や調味料をプラス、しかも食べる人の加減による、みたいなパターンが多くて楽しかった。
LAKS LEMAK
端的に言うと、ココナツミルクを使ったカレーのようなもの。
だからか、ナチュラル大きあなココナツシェルを焼いてるのかな、これは。それに小さなココナツシェルで作った食器を埋め込んだ容器にて提供。
これ、外側のやつは水分を含むフレッシュなやつを乾かして焼いて。。。るのかな?衛生面も気にしてくれている上に、デザイン性も生み出してるもののように感じました。
海老がこの料理の骨子になっているようで、しかしながらエビのドヤドヤ感はなくて、あくまでさりげなく。
ちゃんとエビの主張というか、その存在感はアピールしつつもやりすぎは制御して、でも窮屈感は与えてないコントロールがすごかった。
CHILLI CRAB
チリクラブ。
シンガポールに行ったら食べたい料理の筆頭ですよね。
もちろんこちらの場合はそれをそのまま小さなポーションにしてるわけじゃなく、
ふふふ。
これは食べてのお楽しみやなあ。もしかしたらもうこの記事リリースする際には、メニュー変わっちゃってるかもだけど。
見てー、木優里のスライスとか使ってるの。
面白い。
小さな小さなポーションなのですが、世界観がある。
美味しいので、小さな一口にも満足感がある。
つまりはこちらのお料理を食べるというのは、幾つもの世界を食べるということ。いや、楽しい。
HERBAL DUCK CNOGEE
ハーバルダック粥???
え、粥、どこにあんのん???
前回のこちらのお店のご紹介では、こちらの料理は優しくて美味しいけれども、素直に染みるのでえあまり邪魔をしない=気持ちを乱さない、みたいなことを書いたと思いますが、
今回はこの辺になると、みんな料理に直球集中。
Congeeって、え、粥どこ???などとあっちこっちをめくってみたりしてるw
で、正解は、こちら。
おおお、そらどこ探してもないわw
あとがけだった(笑)
しかもこの滑らかさ。
なるほど、こんなふうに使うんか。。。
味わい自体も緩急があって面白かったのにまとまっており、且つ、日本人にも馴染みの深いアジアンなストラクチャ。
素直に美味しい。
でもこんなの食べたことない。
食べたことのない料理を素直に受け入れられるというのは、かなりすごいことだと思う。
FARMEENTEED RICE
発酵米、というタイトルだから何かと持ったら、お口直しのソルベでした。
そういえば、ベトナムにもお米を発行させた、Com Ruou という食べ物があります。南部の食文化で、端午の節句に食べるもののようで、もち米を発行させた甘酒のようなもの。
しかしそれがソルベになっているので爽やか且つ、丁寧に手入れされたトマトのスライスでさらに爽やかに。
なんとフレンチのグラニテのような存在感をアジアの要素で表現されてる。よその国モチーフのコースの中に、ベトナムらしさも忘れずに。このバランス感覚よ。
SAMBAL FISH
サンバルというのは、マレーシアやインドネシアで日常的に供される辛味調味料で、さまざまな料理の付け合わせとなりますが、こちらの場合はからすぎず、サンバルの旨みの要素を抽出した感じのソース。
ってか、添えられてたこの四角豆の美味しかったことよ。
ウイングビーンとも言われるこちらの豆野菜は、日頃ガーリック炒めにされることが多いのですが、こんな手入れもあったのか!という驚き。
そしてシンプルな見た目に讃えられた穏やかさがそのまま味に現れたような逸品。
ただし、素材の味はいきいきとしており、動と静、みたいな表現が頭をよぎります。
NYONYA CURRY CHICKEN
今回Nコースの中にはカレーという要素がいくつか出てきましたが、どれも違うスタイルだったので飽きるようなことはなし。
まあそもそも、アジアの「カレー」が指すものの幅広さは果てしないのでご理解いただけるかと思いますが。
チキンは肉の中でも鮮度が命と言われる部位類ですが、もちろんドライエイジング的な処置を施すことは可能で(面倒臭いけどw)こちらはその手法を用い、旨みをギュッと凝縮したグリルド・チキンが添えられてます。
や、これ美味しかった。
NYONYAというのは、その昔、マレー半島に移住してきた中華系男性と現地の方の間に生まれた、主に女性を示す言葉で、またその女性が作る料理やお菓子などの名称に用いられる言葉。
その様子は中華とマレーの文化が絶妙に入り混じり、融合されたものとなっており、マレーシアのものだし、どちらもアジアンでありながら、個性豊かな要素が融合した結果、別の1ジャンルが作られているものなんですね。
そもそもベースにココナツクリームが使われてますが、さらにマイルドにするために、各人の好みで足すことも可能な仕様になってました。
PONGTEH BEEF
そしてここへきて、ビーフ。メイン料理ですね。
素晴らしく美味しかったのですが、まあ付け合わせの隅々まで、これがよくよく手入れされてる!
実に繊細。
そして味わい的にはしっかり満足できるのですが、この控えめな量がアジアンには心地よい。
フレンチのコースだと、ここでどかーん!とした量のお肉が来るところ。このタイミングでそれ来られたら、もはや食事を楽しむどころではなく、修行、またはバトルになってしまう😅
PEEPPER STULE BAK KU TEH
そして、肉骨茶!
Pepper Styleということは、シンガポール式なのでしょう。
メインに肉料理が二つくるのも目ずらいしけどw、先ほど言ったように控えめポーションなのでできる技だわね。
ペッパー別ぞえで、強調することも可能。
そしてそうめんを想起させるような細い麺に肉骨茶のスープを注いで一応のお食事の句読点が打たれます。
やーーーー、文章でサクッと紹介しようと持ったけど、端折って端折って書いてもこれだけの長さになる。楽しかったー!
またこの日集まってくださってる皆さんが、とても食に興味を持ってくれてる方達だったので、あれこれ話せて余計に楽しかった!!
と和み始めたところでデザート。
チェンドルは、マレーシアでとてもポピュラーなデザートですし、ベトナムのチェーにも通じるものがあります。
さらにはこの手箱。
かわいいわねえ♪
で、4種類のお菓子が入ってる。
これも最後までバリエーションに富んでて面白かった。
格段のグレードアップ
以前最初に行った時、私は、
「料理が素晴らしいけども会話を邪魔しない穏やかさがあって…」
みたいなことを書いた。
今回もちろん、客を右往左往させるようなエッジーなものではなかったが、前回よりも格段にグレードが上がっている気がする。英語のはやりの言い方をすると、
Another Level
ってやつですな。
いえ、この店が変わってしまったというわけじゃなく、骨子もコンセプトも、この店のものとしてよく伝わるのですが、料理への技巧、客へのアピール、楽しませ方の慎ましやかさなど、実に実にチャーミング。
そして同一線上で優劣を競えるお店がない店だと思う。
こういうユニークなお店は得てして、そのポジションに甘んじがちだけど、ここは違う。少なくとも今のところは、キッチン、フロアサービスともに、チーム一丸となって、という様子が伺える。
一定期間は同じメニューなので、そう頻繁に行くお店でもない。ただ金額は清水の舞台から飛び降りるほどでもないので、
「メニューが変わったらまた行ってみるかな」
と思わせる程よい距離感までもが、この店のサービスのような気がする。頻繁にこの金額の食事をするのは負担だ、とは言わせず、
「メニューが変わったら行こう」
というエクスキューズをくれる仕組み。常連がたくさんつかないとそれでは店は成り立たないので、店にとってはリスクなはずだが、今のところは奏功してるしているように見える。
そしては私は、前回からはちょっ怠惰が開いたものの、これだけの変化と店の上昇を感じられる変化があるなら、ぜひまた次回のメニューの時も行きたいと思っており、まんまと相手に術中に、といったところw
や、素晴らしいですね。
強豪多きホーチミンで、唯一無二のポジショニングを築くお店。まだ未経験の方で、お料理や食べることが好きな方には、きっと楽しんでもらえると思います♪
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Oryz Saigon
51D Tran Nhat Duat Q1
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