CMなんて鬱陶しいわ、と常々思っていたのだけれど、たまにこちらのお店のように、見た瞬間にピンときて、知って5分後には店に向かう、なんてこともあるから結構有用。
面白そうなお店に呼ばれました
Instagramの広告が、食べ物屋さんばかりである。CMを、鬱陶しいと思うことがあまりない。行ったことがあるお店のものでも、知らないメニューを知れたりするし、知らないお店は言わずもがな。
こちらのお店も、これまで全くノーインフォだったけど、見た瞬間にピンときて、5分後にはGrabに乗ってた。
行きたい行きたいと思っていても、ずるずる伸びて、半年一年経つ店もある中で、5分。こういうお店は大抵相性が良いものだ。
行ってみると、おそらくみなさんもなんだかんだと通ったことがあるんじゃないかと思われるロータリーのすぐ近く。
でもこんなお店があったとは知らなかったなあ。
ネットのレビューなんか見ても、バックパッカー街が近いからか、外国の方のレビューも多い。もちろんローカルの方のそれも多い。そして概ね好評だ。
ベトナムらしさとモダンの間
ロゴや、壁にかかる写真や絵は、ベトナムらしいものだけど、なんとなく作りがモダンな感じで、こじんまりだけど、気楽な感じで立ち寄れそうなのがいいですね。
奥の方は幾分落ち着いて過ごせそう。でもドアのすぐ近くの席も悪くない。
ドリンクカウンターがあるのはいいですね。
グッとモダンな感じになる。
奥に階段が見えるってことは、もしかしたら2階席もあったのかな。今度来た時行ってみよう。
そう、これを書いてる時点=食事をした後で「今度行こう」と思ってるってことは、何かしらのポテンシャルを感じてるってことですね。
ここ、ちょっと未知の可能性の気配を感じる。
メニュー
メインはフエ料理っぽいです。
サトウキビにエビのすり身を握りつけたもの、揚げ春巻き、と、定番が来たかと思うと、オックステールのレモングラス風味とかある。
一見大勢で来た方が良さそうでもあるけど、一人で行っても気軽に食べられる麺料理もある。ああ、Com Henもあるな。しじみご飯。日本みたいな炊き込みじゃないけど、たくさんの具材とシジミの身を混ぜたりシジミのスープをかけたり。
マムトムが嫌いじゃなければ、足すと尚良し。
シジミの麺もある。
雷魚のスープの麺は、日本人は苦手な向きが多いかもだけど(川魚だし)、
最初にこの店が目についた理由の、ベトナミーズ・ロコモロ、なんてのは、結構興味がそそられるのではないだろうか。
ってか、デザート。
ココナツゼリーはわかるけど、ストロベリーフラン、だと…?
これは今度食べに来ねばっ(๑•̀ㅂ•́)و✧
ちなみにドリンクはカフェ並み。
なんならお店の様子からすると、カフェ使いなどしてもいいかもですね。
そろそろ流行りが過ぎようとしてる KOMBUCHA にも、エルダーフラワーを香らせるなど、ちょっとオサレね。
お目当てはピュア牛骨+骨髄アレンジのブン!
で、今回食べたのは、これ。
初めて見るビジュアル。
丼の中は、ブンボーフエ的なそれですが、手前にあるのは…Bone Marrow?!牛の骨髄。
Quince以降、ちょっと高級なお店で見ることが増えた骨髄ですが、割とクラシカルなベトナム料理のお店で見るのは初めてのこと。
この麺は、他のローカルに比べると高いとはいえ、190k。骨髄が出てくる値段じゃない。。。
そしてこの骨髄には仕事がしてある。
なんか最初、練り物なのかな?と思ったのだけど、食べてみると、マターっとしてる。特に強い塩気もなければ、何か肉の練り物って感じでもない。
後で聞いたら、骨髄をスパイスと一緒に練ってるらしい。なんと。
溶ける感じのテクスチャでもないけど、これを麺に入れて食べるのだそう。ほぅ。
で、麺は…
色が、深いですね。そして結構表面に油が浮いてる。いや、浮いてる、というよりかは、蓋をしている感じか。
そんなに熱々ではないし、この国では日本の北国のように「冷めないように」という意を込めての油の膜は必要ないので、滅多に見なかったな、これまで。
麺は若干太め。一本一本がちょっとだけ太い感じなので、写真のように複数本、一緒に啜ると、お口の中でのボリュームがグオオ!と増えて感じられるので、最初は控えめに食べましょう。
スープは…うぉ…。これ、豚骨のバックアップがなさそうだな。路上の安いブンボー屋さんのスープは、牛骨+豚骨でわかりやすい旨味にしていることが多い。
違う方向性の旨みが2レイヤー構えになれば、当然旨みの感受性の幅は広がり、旨みを感じやすくなる。しかし…
やるか?専門店でもなく、アラカルトを置く店で。その中の一品でしかないこの麺に。
牛骨を扱った人、もしくは食べ歩いてる方はご存知のことと思うが、牛骨だけで、わかりやすい「美味い!」を引き出すのは難しい。丁寧にとったお出汁にキッカケを与えて美味しく感じることができる、というか…
食べる方にも技術と経験が求められるブロスの一つと思ってる。
で。
こちらのスープも最初に一口味わっても、凡庸にしか感じないかも知れない。ただ薄いだけの凡庸ではなく…感じ取るための感覚がないと凡庸に感じる、というか。
そこをぶった斬るように…
すんごい量のお肉が入ってて、こちらを圧倒してくるんだけど😅
このバランス、面白いなー。
肉を食べたら、スープの旨みがわかるかも。
もしもスープがつまらないただのボンヤリさんなら、肉とのタッグは組めないからね。ただここのお肉とスープはガッツリ腕を組んでる感じ。つまり肉と拮抗できるポテンシャルがあるということ。
でももっと旨みを楽しみたい時には、トリガーを引こう。
調味料で。
この素敵容器に入った調味料は、右からライム、サテ、酢漬けっぽい唐辛子。こいつを少しずつ足して自分の好みにしよう。
まずは酸味。ライムを入れると味蕾が立って、このマッタリした幕に包まれたようなスープの旨みの解像度を上げてくれる気がする。
次は絡み。
この麺のベースには、何かしらのスパイスは入ってるものの、辛味はあまりない。のでSateを入れてみる。
このサテがまた辛味というより旨みと香味なので、さほど効かない。もっとシャープな絡みが欲しい時は、左の酢漬けのチリの…チリではなくて酢の方を入れてみる。
どんどん旨みがVIVIDになってきます。
そしてこちらのBone Marrow。
これ自体はそんなに美味いってものでもない。塩味も少なめで、それ自体を舐めて「美味い!」というものでもない。
少しとろけた脂のような食感と食味。それを練ったこちらも、そんなに強い味があるわけじゃない。
のでこれをスープに入れる。
溶けはしないが、細かく潰して他の食材に絡ませるようにして食べる。かなりマロみが増す。ただマロみがすぎるとくどく感じたり、満腹値がすぐに頭打ちになる気がするので、自分は少しずついただきました。
この骨髄に多大な期待をしたら拍子抜けになります。これはあくまで、スープや具材とのバランスを引き上げていくもの、としましょう。
ライム、追加。
骨髄を入れると、またマッタリガードを強めるので、酸味で中和。都合、4片くらい絞ったかなあ。
でー、これは麺料理なんだけど、肉の方が圧倒的な存在感を誇ります。これ、全体で下手したら100gくらい入ってるんじゃないか。
かなり厚みのあるスライスで、面積も広い。1枚食べても結構満足感があるというのに、こんなのが4〜5片入ってた。だから食べても、
食べても、まだそこから肉が顔を出す。
いやもうこれは肉料理でしょう。
焼肉でもない、ステーキでもない、でもなんか肉が食べたい、と思った時は、これ頼むといいと思うよ。肉食欲は十分満たせてしまうと思う。
そして骨髄は、スルッと溶けたりしないけど、それでも溶ける成分があるのか、スープの表面を覆ってた脂がさらに厚くなったような。Sateの油かな。
あ、まだ肉があった。
いやほんとに、中華料理の肉皿1品分くらいは入っていたのではないか。
肉だ。これは肉料理だ。
脂の少ない…これはスネ肉かな。食べ応えがある。脂っこくもなく、旨みもあって。
そういえば麺の量はかなり控えめだった気がするな。最初は、オーダーストップきわきわに行ったから「ええいめんどくせい!」って感じで残ったやつをぶち込んだのかと思ったけど(笑)、麺と量を睨めっこさせてる感じがあるので、意図的なんだろうな。
すぐにはわからぬピュア牛骨
ぶっちゃけ、万人ウケはしないかも。
牛骨経験値をあまり持たない人は、どなたかとこちらのお店に行って、何品か頼む中の一品としてこの料理を頼むのがいいかも知れない。
味的ボリュームと、肉の量はすごいので、もし口に合わなかったら損失が大きい。でも複数人で味を見るくらいならちょうどいいかも。もしも口に合わなくても、そのくらいなら許容できよう。
でもピュア牛骨はとても貴重。骨髄つけるところは他に知らない(スープに炊き出しているところは多かろうけど)。そこには確実な価値があるので、楽しめる楽しめないとは別にして、経験を作るために食べるというのもありかも知れない。
他に色々あったフエ料理陣も悪くなさそうでしたしね。まだこの一品だけしか食べてないのでなんともいえませんが…近くまた行ってみます。
ちょっとこれまでになかった味の方向性を持つお店のような気がします。
そそられますなっ(๑•̀‧̫•́๑)
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詳しい使い方はこちらへ⬇︎
ttps://cheritheglutton.com/cherimap-manual/
お店情報
O Tinh House
a36 bis Con Quynh, Q1
Time: 10:00 – 21:30
Spent: 222,000vnd / person
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