直近の残念な実例
医療機関、どちらを使うかを考える時、言葉の壁のことはどうしても外せませんよね。なので、日本人医師を選ぶ方は少なくないと思います。
私も、メインで相談させてもらってる医師は、日本の先生です。ですが、直近でこんなことが起こりました。
FBに見つけた、私の友人の投稿です。
彼女はアカウントをオープンにしていないので、ここでは内容だけを掲載させてもらいます。(ご本人承諾済み)
そしてまずは、そのような目に遭われた方のご回復をお祈りします。
その上で、貴重なお話として共有させていただきますと…
このようなことは、ホーチミンに限ったことではありません。
日本でも起こりえることです。
検査が詰まっていることと緊急性がないと診断されて検査は数日後に…と家に帰されたらその日の内に悪化。ご家族が悪化に気づけ、即救急搬送などの手段が取れたので良かったのですが、一人暮らしで気づいたら動けなくなっていた場合なども考えられます。
ただしホーチミンは、診断に違和感を感じても選択肢が少ない。そこは事実として受け止めて、ではいつ患者になるかわからない立場の私たちにできることを考えてみました。
患者側に何ができるか
私の日本での経験
本題に入る前に、私に起こったことを聞いてください。
渡越に際しての予防接種を受ける際、複数種類の希望を出したら、
「あなた、この肝炎の予防はいらんでしょう。女性だし」
と言われてびっくりしたことがあります。
確かにその肝炎は性的接触で感染する「ことがある」のですが、ほかの要因でも感染します。
例えば歯科医療とか、タトゥ、場合によってはネイルアートの作業中にも不衛生な器具を使った場合、可能性としてはあり得ます。
しかしその先生(と呼ばれてた人・私には先生ではない)は、その感染経路が性的接触に限られる前提で、ほかの要因を勝手に排除し、私には必要ないと言ってきた。
なんなら女性は誰ともそういう関係を持たないという前提のようだ。真摯に付き合う相手がどういう素行かまでは調べられないというのに。
ポリコレって美味しいの?という世界に生きているドクターが、資格を持って患者に接していることもある。これは大変危険な事態、と、危惧したことを覚えています。
また同じ症状に対して全く違う対応を指示されたこともあります。
一人は、ろくに診もしない雑な感じで「はい手術、今すぐ手術、それしかない」。その態度に不信感を持って別の先生に診てもらうと、手術は必要ないとのこと。実際様子を見るうちに症状は消えて無事だったということがありました。
もちろん手術をして「も」よかったのかもしれません。むしろその手術を望む人もいたかもしれませんので、前者の先生が全く間違っていたとは言いませんが…
選択肢をくれなかったのはフェアではなかったと今でも思ってます。
それらでわかったのは、
お医者さんにもいろんな人がいる、ということ。
自分をよく観察する
ということは、こちらが同じことを尋ねるにしても、選ばないと、あらぬ答えが返ってくるということ。それはときに、症状を悪化させたり治療や、目指す方向の選択肢を与えられなくなる可能性があるということ。
それを避けるために私がやっているのおは、診断を下した人に違和感がないか感じ切ること。
上記の友人も言ってますが、不調を感じたら、お医者様の言うことをよく聞くのはもちろんですが、細かな状態や症状とその診断の違和感は、ご自身でしか感じることができません。だから診断に対して自分が納得しているかどうかも、私は大事だと思っています。
もちろん、お医者様は膨大な知識を身につけ、大変な状況を切り抜けた上での経験をお持ちです。基本、素人判断で安易に反発するものではありません。
しかし、お話ししたように、過去のパラレルワールドに生きてるような人や、診断もそこそこ自分がやりたい治療しかしたがらない人もいます。
いろんな、お医者さんがいるのです。
よしんば正しいことを言ってても、相性ってものもありますしね。そしてそれを知るには、自分がどう感じるかをきちんと感じ取れないといけません。
これは普段から訓練がいる。
結局のところ、人を見るときは、まず自分をよくよく観察できるスキルがないといけないなと思っています。
ホームドクターを見つけておく
でも、いざ具合が悪くなった時、ましてや意識がないときに、ドクターを選ぶ余裕なんてありません。選ばなくてもどのドクターも100%信頼できるドクターばかりであってほしいというのが理想ですが、現実問題、そうではない。
ならばその前提で、せめて残されている自分たちの選択は、「どのドクターに任せるか日頃から選んでおく」ことではないでしょうか。
もちろん自分が元気なときに忙しいドクターの邪魔をするのは感心しません。ですが、あまり大事無いような軽い症状で診察してもらう際に以前とは違う病院に行ってみるとか、最近では先生方のウェブの講演会などもあるので参加してみるとかして様子を見てみる、など手段は色々。
最終的に医療知識のない自分が、具体的な治療法をオーダすることはできませんが、「この先生が言うことなら」と、自分が納得できる先生を見つけておくと言うことは大事かなと。
ドクターの国籍を限定しない
厳しいことを言うと、海外に住む限り、英語は多少できた方が良い。
ホーチミンの実情で言うとお、頼れる医療機関のドクターは世界各地から来ていることが多いので、この点に関してはベトナム語よりも英語の方が役に立つことがあるかもだし。
直接コミュニケーション取れる先生の人数も増えるわけで、医療的にも格段に有利。
肌感でいうと、治療法や薬などについての質問もしやすい先生が多いし、極力こちら意を汲んでくれようとする先生が多いです。もちろん、相談に乗ってくれる日本人医師もいるわけですが、そもそもスタンスの違う診断や処方尾があったりするのか、日本で接していたものとは随分違う対応をしてもらえたことも多々。
最終的に日本的な仕様を選択したとしても、数ある選択肢の中から選べたのと、ただ与えられたものを受け入れるだけとは違って感じました。
他の国のドクターなら必ずしも大丈夫なのかと言われたら違いますし、日本のドクターにつ行ってもしかり。どこの国のドクターにも良い先生もいれば残念な方もいるとう話。
ならば、日本人の先生だけに限ると言うのは、(ちょっとドクター達には失礼な物言いになりますが)あえて手駒を自分で減らしてしまうと言うこと。
海外で、医療の手駒を減らすと言うのは相当なディスアドバンテージだと考えます。
でも言葉が…という方に
病院によっては通訳さんをおいてくださってるところもあるし、医療通訳サービスというものに入っている会社もあるかと思います。
実はこれも利用時には注意が必要なんですが、まあ手段としてはある、ということを知ってもらえたら。
言語面で日本人医師に頼るだけじゃなく、どの病院に日本語話者がいるかどうかも普段から調べておくといいですね。
ローカル病院の過酷さを知っておく
実は視察に伺ったことがあるのですが、「何かあった時はあそこに送られる」という、界隈では一番大きいとされる病院でも、おそらく日本人は想像もできない状況です。
医療機器はそれなりにあるのかもですが、それがどのくらい有効活用されているかは謎。それ以前に、衛生面、患者以外の不特定多数が自由に出入りできる環境、点滴は患者が自分で持って高く持ち上げて移動しているケースがあるなど、衝撃が多々。
なので、そこに繋いでもらえば大丈夫、と思っておくのではなく、特に持病をお持ちなら、有事にはどういう対応をするかは段取りをしておくことが大事。
残念ながら万能な病院は少ないと思うので、せめてハブになってくれる病院、信頼できる先生を確保しておくのは大切なことかと。
クリニックとホスピタルの違いを知る
ホーチミンにある日系のクリニック。
言葉の心配もなくて頼りになるのですが、いかに先生がよくても設備に限界があったりします。
私も明確な区別はわからないのですが、クリニックはクリニックの範囲でできることが限られている場合がある、ということは知っておきましょう。
範囲外のケースは、速やかに対応可能な医療機関と連携をとってくれる前提で考えていたのですが、今回はそうでないケースだったので、可能な範囲で、どこがどういうことに対応してくれる病院なのかは把握しておいた方が良さそうです。
各医療機関の設備をどうやって知る?
各病院にはHPなどがあるはずなので、どういう設備があるのかだけでもざっくり調べておきましょう。
たとえば今回のことで、ファミリーメディカルの1区の施設には、CTスキャンがあることがわかりました。技師さんも常駐されておられるとのこと。(2区、7のブランチにはないとのこと)
くだんの症状から、脳梗塞の疑いがあるということは、私も含め、お年頃の人なら疑うところでしょう。であれば、最初からその設備がある病院に行けば、ひどくならなかった可能性はあるのです。
早い段階で適切な処置をすることが結果に大きく関わる、という事も、みなさんご存知ですよね。不覚ながら、CTについては私もファミリーメディカルさんにあるとは存じなかったので、今回、貴重な情報をいただいたと思っています。
もしくは、それらの設備がない場合でも、連携を取ってもらえるのかどうか。まあ今回の場合は、検査を進めてもおかしくないところ、何もせずに帰されたという話で、本当だったとしたら連携云々以前の話なのでちょっと問題が違うかもしれませんが…
日本のように、ある程度のことならどこの病院でもそれなりにやってくれるはず、と考えるのは危険かと。
いざという時は
まあ準備していようがいまいが、突然の体調不良や体の変化は、いつこないともわかりません。
今回の事案をお教えてくれた友人は、Family Medicalにお勤めで、上記文面にも救急車の呼び方を教えてくれている通り。
✳️9999
で、つながるそうです。
こちらは救急車を呼ぶだけでなく、救急チームが適切なサポートをしてくれるとのこと。
日本語!Japanese! などと言えば、日本人スタッフさんにつないでもらえるそうです。常にいらっしゃるかという確約は私からはできませんが、心強いですよね。
もしどうしても英語しか通じず、何を聞かれてもわからないときは、
・住所(部屋番号まで詳細に)
・名前
・患者さんの年齢 / 性別
・伝えられる範囲の状況
を伝えてから、英語ができる人を捕まえて話してもらうなどしましょう。家族の電話がもう一台あるなら、どなたかにかけてスピーカーフォンにすればその場にいなくても話ができます。
時と場合によっては、初動と処置で、その後に大きく影響する場面。素人の私たちにできることは少ないかもしれませんが、だからこそ、できる限りのことを。
思う以上に準備を
医療に関してのお話は色々聞かれることがあるかと思いますが、私個人が聞く限りでも、日本では全く予想だにしない出来事が起きたり、対応されたりすることが多々あります。
そもそも救急車を呼んだ際の交通事情、ルール、マナーからして違いますし、あらゆる角度から思ってもなかった事態が飛んでくる可能性があります。
脅かすばかりの内容になって恐縮ですが、流石に身近に残念なことが起こったとなると、人ごとではありません。
知っていたら、準備していたら助かったものを、知らなかったが故に悪化させたり長引かせたりしたら、勿体無いじゃないですか。勿体無いで済めばいいけど、そうはいかないケースになったりしたらと思うと、悔やんでも悔やみきれない。
友人も、今回のことを公にするにあたっては相当悩んだと聞いています。ですが、ことがことだけに、公開に踏み切ったとのこと。
私にとっても人ごとではない話なので、彼女に承諾してもらい、こちらで公開した次第。
私はホーチミンライフ、本当に大好きですが、こと、病院ごとに関してだけは、注意が必要と思っています。日本の医療が技術的にも制度的にも優秀なだけに、そのギャップは大きい。改めてみなさんに知ってもらって、ご安全に過ごされることを切に願います。
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コメント
コメント失礼いたします。
文中に「日本人医師のいるRクリニック」とありますが、これほぼ特定されてしまうと思いますので、公開されない方が良いのではないかと思いました。
老婆心ながら、、、
>わさん
すみません!大変遅れました!
そしてご意見、ありがとうございます。
これは発信された方も相当に考えられたようだったのですが、逆にどこであるかが全くわからず、憶測で他の病院にご迷惑をかけるのもどうなのか、という考えと、さりとて直接的な公表もどうかという話で、このような表記に落ち着かれたようです。
その方は私が公表する際にはどのように改変しても良い、と言ってくださったのですが、公表することを決めた時点で、元の記事を書かれた方を尊重することを選びました。
お気にかけてくださり、本当にありがとうございます。リスクはあるものと認識しておりますが、引用元の方の意思を尊重することを、今回は優先させました。