日本で起きた初歩的すぎる食中毒事件
ご存知の方も多いかと思いますが、つい最近は日本、鶏肉を、たたき的にはしているものの、ほぼ生状態で温かいラーメンの上に乗せて出し、多数の中毒者を出したと言うニュースが流れていました。
わかる人にはその商品の写真を見ただけで「ひいいい!😱」と悲鳴をあげてしまう代物です。
お店側は、「安全な調理法をしています」と掲げていたらしいですが、客をなめんな案件です。言う通りの調理法をしていてあんな見た目、テクスチャーになるわけがない。
他所とは違ったものを出して一眼に立ち、話題になって売れればOK、な利己的ポリシーしか見えてこない愚かな所業。
飲食というよりビジネスコンサルタントが絡んでの、あまり色に詳しくない方が飲食業に参戦した結果、多数の人間が絡んでいるのにその危険性を指摘する例がなかった末の悲劇。
カンピロバクターの怖さ
鶏肉の怖さについては、以前こちらの記事で書きました。
今年だけが暑い分けじゃないと思いますが、食中毒と思しき事案が頻発しています。自宅はもちろんですが、外食においても、非常にたくさんのお声が寄せられています。
先ほども言いいましたが、場合によってはカンピロバクターの被害は、一生に関わることであったり、下手をすれば命に関わることで、食品衛生の指導でも日本では相当しつこく言われることであるはずなのに、その上で尚、こう言う事故が起こるのです。
確かにその他の食中毒(よく目につく牡蠣のナマ食によるノロウイルスなど)からすると件数自体は多くないのかもしれませんが、被害は甚大。
危険だからこそ、流通過程でものすごく厳しい基準がある分けですが、そこが優れているが為に、利用者が気を抜きがちになって事故が起こる、みたいなパラドックス。
鶏肉、家で扱う場合もですが、外で食べるときにもお気をつけて。
ホーチミンでは自衛が有効?
ただ日本の場合は、(被害に遭われた方はお気の毒ですが)被害申告があれば保健所が動き、ある程度特定までできます。しかしベトナムでは…
食中毒かな?と思ってもお店を特定する術も(特に外国人であればなおのこと)なく、確証がないのでお店に伝えることもはばかられる、という状況が続いているようです。
同時に複数の中毒者が出て、彼らがほぼ同じ病院に行き、病院側から問題定義がされて該当期間が動く、と言うようなことああってくれたら話は別かもしれませんが、私のような立場の人間に情報が寄せられても、お店を特定して注意喚起はできません。
結果として、危ない調理をしているお店があっても、食べた人の自己責任で野放しにされており、同じお店が原因だと思われる、と言う方の声が積み重なっていくだけ…。
残念ながら自己防衛が、もっとも有益な手段かな、と言うしかありません。
だからこそ、消費者の見る目が大事だと思います。
本来は食を提供してくれるプロ=飲食店さんで食べるものは安全である、という価値観が通ってくれるのが一番ですが、ホーチミンで数千件食べてきて、そうではないお店も少なからずあることは経験済み。
だから、自衛しましょう。
多くの飲食店さんは、「味」をしたの上だけで感じるものではなく、安全性も含めてもの、という理解をお持ちになって、十分な知識の上で商品を提供されているとは思います。
でも身近なところに、知識がレシピに組み込まれていないメニューがあるのも事実。
だから、食べる側も知識を持って対応するのが一番の近道かなと思うのです。
目に見えないものにどう対処する?
とはいえ、菌やウイルスは目に見えません。
どう対処する?って話ですが…
これは完全な対処法ではなく、あくまでやった方が良いレベルの自分が気をつけてる程度このことですが…
加熱すれば大丈夫神話を改める
時々「しっかり加熱調理してる料理は食中毒の心配がない」という言説を聞くことがありますが、そんなことはありません。
確かに多くの食中毒の原因菌は加熱で死滅するものもありますが、死滅島ないものもあるどころか、加熱によってその毒素を増し、中毒の原因を強めるというものすら存在します。
もちろんそれはレア菌で、一般家庭で一般的に作られる料理の食材や環境に含まれにくいものではありますが、
「加熱してるものは大丈夫」
と言うのは危険な考え。
ひいてはそれが、外食でも「ここは加熱してるものしか出してないから大丈夫だろう」につながりかねない。
加熱した料理をメインで出していても、それを調理する段階でナマ物に対する扱いの知識がなければ、菌を撒き散らしたところにある皿を使って料理を提供してたりしかねない。
こちらにも書きましたが…
肉を洗う際に飛ばした飛沫が、まな板、調理台、包丁などについたままで、サラダなど生のものを調理して提供したり、飛沫付きのお皿で料理が提供された場合などは、それだけでも中毒を引き起こす可能性はあります。
とはいえ、あまり神経質になっても疲れてしまいますから、
・一般的に加熱されれば大丈夫とされているものは加熱具合を見る(豚・鶏など)
・生ものを扱う調理場の場合は注意深く料理・可能なら調理場面を観察する
思わぬ伏兵生ビール
信じ難いのですが、凄まじい雑巾臭がする生ビールを出されたことが過去に何度かありました。
当然臭う生ビールを出すお店の生物は怖くて食べられませんし、そこから派生する可能性のある菌の対処など、更にできていないと思われるので忌避。
慣れないお店は少量にとどめて様子を見る
と言うのも、消化機能の大きな役割を果たす胃酸は、ある程度の菌に対してだったら対抗力があるから。
しかし中毒原因が大量に入ってきた場合には戦えない→中毒を起こす。
ベトナムもそうですが、多くの東南アジアの人たちが、少量の食事いやおやつを、ちょこちょこと回数多く食べるのは、冷蔵庫がなく食材が痛みいやすかった時代が長く続いた中での生活の知恵なのではないな、と思ったり。
皿の上を見てわかることも多数あるのですが、それを見極めるにはいろんな知識や経験がいるし、それをすべての消費者に求めるのは無理だと思ってるので…
食べ慣れない食材にも注意する
また食べ慣れない食材に関しては、食中毒とは違いますが、アレルギー問題があったり、単に体が驚いて拒絶反応を起こすことがあるので、これも少量で様子見をお勧め。
また食中毒とは別の問題とはいえ、症状としては胃がムカムカしたり吐き気、下痢を起こしたり蕁麻疹が出たりと、その症状は食中毒に近いこともあり、混同されがち。
どちらにしても気をつけるべき項目ではあると思うのです。
特に海外には日本にはない食材が色々とあり、私なんかはなんでもトライしてみたい方なのですが、初回、または初盤に関しては味わうことを目的とする、と、その目的を明確にしてから挑みます。というわけで、
ベトナムは持ち帰りに寛容なので、持ち帰って問題なさそうなものであれば&美味しければ、そして少量食べた時に違和感を感じないのであれば、あとでゆっくり残りをいただく。これで結構回避できてる例は多いと思われます。
○○な国の料理だから大丈夫、は成立しない
日本は衛生的を確保するためのシステムがかなり進んだ国だと思います。が、それでも事故は起きています。
システムがそこまで確立されていない国であればなおのこと。そしてその注意対象は、どこの国の料理でも、どこの国の人がされていても「絶対安全」ということはありません。
とても残念なことですが、日本人がされてるお店ですら、衛生的ではない、ではなく「危険」と見て取れるところはあります。
逆に、生ものを扱うことに慣れていないからこそよくよく勉強をして、徹底的に安全サイドに振ってるベトナムの方がやっていらっしゃるお店もあります。
当たり前ですが、どこの国の人がやってるから、どこの国の料理だから100%必ず安全、ということはありません。
個々のお店、そのお店を運営している人を見るしかない、というのが自分の中の現時点での結論です。
可能であれば食品についての知識を学ぶ
というわけで、自衛の仕方の一例を書いて見ましたが、本来自衛をするためには敵のことを知るのが第一歩。
なので、身近なところで関係ありそうな食中毒を起こす原因菌とかウイルスとかについて知るのが大事なんですが…
まあ興味ないことに労力を費やすのって大変ですよね( ̄ー ̄)
私はたまたま興味があるから諸々知ってたり調べたりしますが、食べることは好きでも、食品衛生についての知識を得ることは、確かにちょっと別のカテゴリーである気がします。
ただ、事は体に関わること。そして場合によっては一生を台無しにされるケースもあり得るわけですから…
少なくとも行ってみたいと思うお店、よく行くお店についての情報収集をするとか、使いたい食材の危険情報を検索するなど、最低限の対策を持って被害を回避してほしいなと思います。
またお子様の場合は、大人とは比にならない重篤な症状に陥る可能性も考えられます。
身近な人のお店の評判が全てとは言いませんが、その大会の中で耳に入ってきた情報というのは、かなりの確率のものだと思いますし、もちろん噂レベルのことは絶対ではないですが、気をつけるに越したことはないと思います。
そして観察。大事。
本来はそんなところに労力を払わなくても楽しめるのが「プロが提供している」飲食店。
ですが、日本ですら、大きな事故が起こっています。
まだ法的整備が足りていない国でのことならなおのこと。
「美味しい」は安全であることが大前提ですが、そうではないケースが多々あることを念頭において、安全に、楽しく美味しく、過ごしてほしいと思います。
あまりにも最近、外食での食中毒の話を聞くので、老婆心ながら(-人-)
※ある程度問題になっているお店の件数は絞られるので、外食自体を忌避させることが目的ではなく、多勢のお店は誠意があることはご理解いただけると幸いです
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