ホーチミン市内に住んでいて楽しみなのは市場でのお買い物。
英語などあまり通じないので、中々ハードルは高いのですが、
日本では見た事が無い食材が沢山並んでいますし、あの活気が良い。
ちょっと高いけどベンタン市場は生鮮食品の品揃えが豊富だし、
タンディン市場はローカルの生活感がありつつも、まだ街中なエリアにあるので
気軽に利用しやすいし、アンドン市場は生活の生鮮用品を買うって感じじゃ
ないけど、乾物系が充実していてその辺の物が欲しい時には、
とてもクオリティの高い物が買えますよね。
これらの市場は割とお手軽に行けるのですが。。
「ちぇりさん、夜中からやってる市場があるの知ってます?」
と、最近ちょいちょいご一緒させてもらってるUさんからの情報。
なんですか、夜中からやってる市場って???
聞けばどうやら、ホーチミン市内の市場や小売りをやる人が買いに行く中央卸売市場
のようなところらしく、なるほど、小売りの人が朝からお店を開こうとすれば、
夜中に仕入れる必要があるわな。日本の市場だって似た様なもんだ。
特に暑い日が殆どのホーチミンでは、日が昇ってからでは扱いが難しい。
ってか、そんな時間にマゴマゴしててはモノがダメになる。
生鮮市場は楽しいけれど、一般客は日が上がってからの買い物になるので
青物などはほぼ全滅に近いんですよね、日本人的に。調理法を選べば
充分活用できるのですが、上物か、といわれると。。。
ふむ。
で、その市場には一般の人は行けるのだろうか?と思ったのだけど、日本のように
許可制ってことはなさそうかなぁ、と勝手に予測。しかし。。。地図で見ると車で
一時間くらいかかるところ。結構遠出。しかも行った事の無い場所。慣れた繁華街
ならまだしも、真夜中にその条件の場所に1人で行くのはさすがにアカン。
でも興味あるなぁ。。。と思ってたら。。。
「以前一度行った時はもう朝10時くらいでモノも無くなってて、
見に行っただけになったから、買い物に行ってみたいんっすよねー」
などと、Uさんが言われるではありませんか!!
間髪入れずにワタクシ。
「行きたい!!!行く!!!連れてって!!!」
他所様の旦那様を夜中に借り出すと言う蛮行に及ぶちぇりであった。。。
奥様がご理解のある方でよかったわよ、ほんと(^^;
2時頃がピークであるとの事だったので、ちょっと早めの12時着くらいを目指して出発。
どういう所か皆目見当が突かなかったのですが、漠然と、広大なエリアに市を立ててる
東南アジアによくある光景の青空市場だろう、と思い、多少の照明はあるにしても、
詳細を見るにはこれが必要っ、と、
ペンライト持参( ・`ω・´)b
かしこいわー。ちぇりさん、準備万端だわー。さすがやわー、とか自画自賛しながら
意気揚揚と向かいましたらば。。。。
うお…????
うおーーーー!!!?(・∀・;
ちょーぜつ、立派!!!!ハロゲン並みの照明もバンバン!!!
ゲートから市場に入るまでも、こんな感じのスペースが。
ちょーーーーキレイ。。。。
マネーチェンジャーや薬局なども完備されてて、おいおいおいおい。
こんな近代的な卸売り市場、日本の地方でもそうは見らんぞ。
ってか、日本でいま話題の関東の某市場、比べ物にならない。。。。
まぁぢか!!!ペンライトの出番なんてねーじゃねーか(・∀・;
ちなみに「D」と書かれてる上の写真のような大きな棟が、6棟くらいあったんかな?
市場エリアのゲートを潜ったからってすぐにタクシー降りたら大変。お目当ての棟が
端っこにあった場合、凄まじい距離を歩かなくてはならなくなる。感覚的には
幕張メッセくらいの勢い。誇張無しで。暗くて全体を把握できてないから、
ヘタしたらそれ以上の面積があったかもしれん。なんてこった。。。(´Д` )
今回のお目当ての棟はシーフードだったのでこの棟に来たのですが、さすが豊富な
魚介類を誇るホーチミン。シーフードも魚棟と貝・蟹類棟にザックリ分かれていて、
且つ、別棟に日ものが集められていたと言う。。。広大すぎる。。。。
12時くらいはまだ市場内に空きスペースもあって、準備中なのかなーという
感はありましたが、長距離用らしいトラックもガンガン横付けしてる。
これは気を引き締めないと行けない。とりあえずゲートはノーチェックで通れた。
多分このまま中には入れそうだけど、こちらは言葉も通じないド素人。
且つここの市場の作法もわかっちゃいない。明らかに迷惑な存在でしかないわけで、
加えて自分のみの危険も回避しつつそこにいなければならないわけで。。。
戦場〜(・∀・;
いや、そうやわな。市場なんか目利きと売り場、そして客同士の攻防戦のみが
繰り広げられてるとこだわな。そこにノコノコおジャマしているのだから、
よくよくメイワクにならないように気をつけなければなりません。
とはいえ。。。
見て下さい。ちょっと写真ブレてるが、もう貝がさ、すげー単位の袋に
どっちゃー!!入ってるんですよ(笑) モノ自体も珍しい品物多かったけど、
普段ちょっと見られん様な光景に沢山遭遇してあっちキョロキョロこっちキョロ
キョロ。どうやったって注意散漫になってしまう。。。でも。。。
市場の人らな、お客さんも業者の方も、怒鳴ったりしないの。
築地のターレットみたいなんがガーッとは知ってくる時とかは「どけどけどけー!」
くらいは言うけど、それはあくまで自転車のベルみたいなもんで、言うてくれる
方がこちらも避けようがあり、ありがたい。
貝売り場では、ザルにハマグリ乗っけてジャラジャラやってサイズ選別。
アッチコッチでその作業してるのでそこら一体、巨大な雀荘みたいな音になってるわ、
見た事ない様な種類の貝は山積みになてるわ。。。
カニなんかももう、ある程度処理がされてるんだけど、この処理も手作業だからな。。。
気が遠くなる。。。小売りの市場の軒先でも色々手入れをしてて、それ見ただけでも
あまりの手数の多さにクラ…っと来てたもんだけど、ここはその量の比じゃないからな…。
もともと料理好きと言う共通項があったUさんとちぇりさん、もう大興奮。
ただ。。。
心配なのは、みんなもうこの写真のカゴ単位で買ってってるんで、素人が
キロ単位、ってか、1キロとか言うても売ってくれないんじゃないかと言うこと。
実は翌日にBBQの予定をしていて、今回はここで仕入れた物でシーフードBBQに
しよう!ってことになってたんだけど。。。
(やべぇ。何も買って帰れなかったら明日どうするよ)
という一抹の不安が。。。
いやいやいやいやいや、市場にはまだ来たばかり。
とにかく全体を把握してから考えよう。他の物ももっと色々見てみねばっ。
大体この棟には貝が多い、みたいなのはあったけど、明確な種類分けがされてる
わけじゃないようで、青物もこの棟にあった。ほいで結構イケてたんよなー。
八つ墓村みたいな並べ方されてたけど。
汽水の魚とかもおるんかな。
完全川生息ではなさそうなナマズっぽいのとかもいっぱいあって、それを人海戦術で
バンバンさばいてる光景とかね。お仕事途中をお写真バチバチ撮るのもどうなんかな、
と思ったのだけど、むしろ笑顔でこっち見てくれたりとかして協力的www
彼ら、若いけど充分職人さん。
そりゃ毎日何百、ヘタしたらもっとの数をさばいてたらプロにもなるわな。
そんな彼らが戦場で戦ってるさなかに、物見遊山な客が来たら鬱陶しい!
と怒られても然るべきなのにこの余裕。。。すげーな。
私なんかクーラーきいてるカフェで、しかも好きでやってる書き物してる
ときにチョッカイ出されても「えぇいジャマ臭い!」とか思ってしまうのに、
なんだこの寛容さはっ。どんだけ懐深いんだっ。
そして床で作業をしている光景を見て、「不潔」と思われる方もおられるかも
しれませんが、要は作業台が床、というだけで、水も氷も豊富にあって、
状態としては日本の市場とあまり変わりない。
そして驚くなかれ。商品近くには大量の氷が常に補充されつつ置かれている為、
床から20cmくらいの高さまでが、まるでドライアイスを炊いているかの様な
冷気に覆われてるんですよ。そしてヒザ上くらいまでの空気もヒンヤリ。
アレにはビックリした。
そしてバンバン水を流すからか、クサくない。
ほんっとにこれ不思議なんだけど、市場特有のクサさが無い。清潔大国と
言われてる日本ですら、市場の一定の時間に行くと、かなり生臭い。
それをどう処理しているのかわからないけど、ほんっとーに臭いが無い。
魚からの臭いはありますよ?もちろん。種類によってはそれを頼りに鮮度を
見極めたりしますから、それも無いようだと困るし怖い(笑)
ただウロコや内臓を処理した後の作業場が、ってか、市場全体が殆ど臭わない、
というのは、ものすごく気になる。どうしてるんだろう????
そもそも市内の市場も、東南アジアに於いては驚異的に臭いが無い。
ホーチミンが東南アジア初めてだ、という方は「クサい」と言われる方も
おられるようですが、そもそも日本のスーパーと比べているフシがあり、
それを比べるのはフェアじゃないよねってことが殆ど。
香港、台湾、シンガポール、マレーシア、タイランド、フィリピンくらいの
ものですが、個人的な経験からいくと、それらの市場は必ず臭います。
しかもかなり臭います。
マレーシアに至っては、(こういう言い方をするとマレーシアにお住まいの
方に失礼に当たるかもしれませんが)市場だけでなく、屋台街でもかなり臭う。
それがお洒落なショッピングモールが横にある様な街中でも、(おっと…)と
思うことが度々。まぁ私がそう言う所を巡ってるからだって話もあるんだけど。。。
ベトナムの市場の臭わなさ加減、引いては清潔さ加減と言うのは何か特別な
ことをしているのか、彼らの性分なのか。。。未だに謎です。そしていつも
感心してます。
ただまぁ、歩く場所でもある床なので、「生鮮食品でも使う時は洗って使え」
というのには納得(笑)日本だと、特にパックに入ってる様なお魚はそのまま
使うことができますが、ベトナムで肉魚を使う時は水洗いしてから使えと
言われてて、スーパーに商品が並ぶまでの経緯がわからんので従ってたんだけど、
うん、芯から納得(笑)
しっかし、活気がすごい。
屋内はとても涼しく保たれてるのだけど、活気と熱気がすごい。
もとより市場が大好きなので楽しいのだけど、とにかく気が抜けない。
屋内にもバイク入ってきてたしなぁ(笑)
でも。。。騒然とした中にある活気と明るさと思い遣りと興奮と。
なんというか。。。ホーチミン市内に感じるプラスの要素を更に凝縮した様な
パワフルさっ。久しぶりに細胞レベルでワクワクした!!(≧∇≦)
こう、丹田のあたりから沸き上がって来るようなテンションなっ。
周りの空気に呑まれない様、内側からそのテンション張って精一杯突っ張らかって
平気なふりしてるんだけどビビってる部分もあって、そのビビってる部分を
自分自身で(うっわ、しょっぼ!ビビってやんのwww)とか嗤いながら、
でも何事でもない様なふりしてるのwww
子供頃とか若い頃はさ、いろんなことが未体験で、初体験に遭遇する機会
ってのが沢山あって、こういう緊張感を楽しめることがいっぱいあった気が
するんだけど、もうこの歳になってこんなことも、なんだったらあーんなことも
十分過ぎるくらいに経験して来ると、なかなかそういう「初々しい」気持ちに
なれることがないんよな。なんでも「なんとかできるし」って図太さができ
ちゃってて。
だからすごい久しぶりだった。今思い出してもワクワクする。
ってか、これ数週間前の事なんだけど、このくらい時間置かないと書けなかったの。
思い出すともう興奮して完全に頭がトリップしちゃって書き物なんかできやせん(笑)
そのくらい大興奮で楽しかったんだけど、ただそれも圧倒的過ぎたんで、
Uさんなしでは絶対負けてしまってたと思うけど(・∀・;
日頃は図太い事この上ないちぇりさんも、この時ばかりは、すがる…までは
なかったけれども、横にUさんがいるって事実で何とか持ちこたえてた部分あるw
信頼と、こっちはこっちで相手に危険のないようにって気配りと、1人じゃないって
安心感と。ダイビングでバディ組む時ってこんな感じなんかね?とか思って見たり。
1棟見ただけでも結構な広さでグッタリだったんだけど、まぁ魚も見てみないと
始まらない、ってことで、次回は後半戦。もう一回、この市場の話、続きます。
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