少しおさまってきた、Omakaseブームですが、あまり良い印象がなく遠ざかってたんですよね。でおこんなお店もあるのね、と元気もらえました!
ホーチミンにおける Omakase
今ももちろんまだあるのですが、ホーチミンではOmakaseってのが随分流行った。
Omakaseが、「お任せ」であることは割と無視されてる感じ。
確かにメニューのいっさいはお店に任される定型コースではあるのだが、
「店を信頼して任せる」
という意味合いはあまり伝わってないようで、店都合のコースを示す記号になってしまってる感がある。
まあ価値観は人それぞれで、料理の質より、環境や派手な演出に重きを置く人がいるということも心得ている。
が。
少なくとも自分は、2万円も3万円も払って、一皿たりともまともな料理が出てこない店を支持するつもりは全くない。
実際にあった話です。
その金額で、本当に1皿たりともまともに食べられるものがなかったどころか、砂糖水で作ったようなシャリや、グラグラと煮立てられてカプチーノのように泡立った味噌汁を出された時には…
本当に殺意が湧いた。
あの場で吐き出さなかったのは、ここ10年で最も努力を要した場面だったと思う。
そしてそんな経験が数回続いたので、Omakaseを避けるように。
しかし、ここしばらくで多くの人に「ここは行ってみ欲しい」と言われるお店が。
おまかせのお店だ。
なんなら店名に「Omakase」と入ってる。しかし普段は「食べに行ってほしい」ということを言ってこない方までもからリクエストが。
幸いにもかなり価格が抑え気味。さらには、お店のPR動画をみる限りでは、なかなかよさげ。
Phan Xich Longの一角に
中心街からはちょっと外れますが、10数年前から多くの飲食店が集う通りで、若い方からは大きな支持を得ている通り。その一角にお店はあります。
左隣には、Susu Bao さんがあるな。
着実に店舗を増やしておられるみたいで喜ばしい。

予約していきました。
こういうお店はウォークインで入るもんではないですからね。
すると、そんなに広いお店じゃないけど、いい感じの雰囲気。

カウンターもいい感じ。
下駄置くところが上がっていない寿司屋、最近結構見るよね。

お店には、まずホールに日本語ができる方がいて、カウンターの中の大将も、ある程度の日本語ができるようでビックリ。
ほんと、店内にいる間、会話はほとんど日本語でした。
「ひ、久しぶりの日本人のお客さん、ちょっと緊張します💦」
みたいなことも日本語でおっしゃるw
可愛いw
いや、可愛いというのは失礼か。
この大将がなかなか頑張っていらっしゃいまして。
メニュー
これが基本メニュー。
一番下のコースが800k。
地元の魚も使いつつ、日本の食材も取り入れてることを考えると、十分にリーズナブル。
この金額も、しばらく避けてたOmakaseにトライしてみようかなと思った理由。

そしてお寿司だけのコースもある。1,200k 。
プラス、細巻きや握りの追加メニューもあってリーズナブル。

お酒類もかなりリーズナブルで、お茶に至っては、(いやもおうちょっと取ろう)と、客から言いたくなるくらい😅

日本酒も楽しみやすい範囲で揃えられてる。

あと、日本酒は、温度までサジェストされてて驚いた。

とりあえず、この日の気分は熱燗だったので、Hot Sakeをお願いしてみた。
グッとくるぞ、この熱燗!
で、出てきたのがこれ。
うおおおおっ!
い、意外とホーチミンのこれ系のお店で見かけなくないです?日本盛(笑)
オーソドックスすぎっるというか、トレンドではないよね。
だがそれがいい!

誰しも、昔は馴染んだことがあるんじゃなかろうか。
それが昨今の小洒落た日本酒ばかりが提供される場面に晒されて、そもそもお目にかかることも少なくなってきたのでは。
ましてや海外。
自分でお金を出して買うなら、なんぞもうちょっと気の利いてそうなものを選ぶことが多い気が。
だからと言って、このお酒を嫌いになったわけじゃない。
嫌いも何も、酒の飲みはじめ時期にしっかり体に染みついた酒。忘れられるわけがない。
いいねえいいねええ、グッとくる!
たとえばこれが数万円するコースで出てきたら興醒めするかもしれませんが、ここくらいの価格帯で気軽にやるなら、これは嬉しいサプライズ。うひひ。
先付け2品
さて今回は、真ん中のコースをいただきました。
まずはバイ貝の含め煮。
でかっ。

そして、一つ一つ、タブレットで素材の紹介をしてくれてる。
日本人だとわかるものも、ローカルの方には馴染みがないものもあるし、こうやって記憶に留めってくれる機会を作ってくれたら理解も深まる。

他の店で同じ食材に接したときに親しみも感じてもらえるだろう。
良いサービスですね。
そして、このホタルイカ!!
素晴らしかった!
エンペラの縁の部分はカリッと隅で炙られて香ばしく、中はしっとり濃厚な味わいが詰め込まれてた。焼き方、神。

炭の音からして良かったんだよ。
ただ焼き刃の詳しい様子は、視線向こうの壁際にあったし、背を向けて焼かれていたので詳細はわからないものの、「絶対に美味しいものが出される」という予感を十分に抱かせる音だった。
その確信があっても、なお驚いた。
まぢか。
そしてもう一品は、鯛の白子。
これ!CM動画で見かけたやつだったんだけど、すっごい丁寧に大手入れされてて気になってたやつ!ラッキー!

この辺は季節によって変わるので、いつもあるわけじゃなかろうと思ってたからめっちゃ嬉しかった♪
清らかに手入れされた白子はプルリつるりと愛嬌よく口に滑り込んできて、クリーミーな様相を繰り広げながら、後半3割くらいのところで、ぐっと旨みを主張してくる。

わーっ、タラとかフグの白子は食べる機会多いけど、鯛の白子!
美味しい!
お刺身盛り4点
お刺身4点。
鮮度を求めるローカルの方が多いであろう中、寝かせを入れて足りますね。
だから物によって、ふわっとしたり、ねっとりとした口あたりのものがあります。最近では受けいれられつつあると思うけど、ちょっと前なら鮮度一番のローカルの方からはクレーム案件。
だから結構勇気のいる選択のはずなんだけども、振り切ってますな。

全てがトップレベルとは言いませんが、意図はわかるし、正しいお手入れではある。むしろ、この金額でここまでの手を入れているのはすごいと思う。
美味しい。
焼き物
そして焼き物だ。
最初の方にあったホタルイカの焼き物を食べて以降、上の白子も素晴らしかったが、焼き物を心待ちにしている自分がいた。
大将の横で、頃合いの良い炭をずっと丁寧にケアしながら、適宜にものを焼いて行く。あくまでたいしょうが主でやっているので、彼の仕事は決して派手やかな様子ではないけど、やるべきことを着々とこなしている様子。
そしてさりげなく、大将の仕事の運びを見ながらタイミングを見計ってる。
この焼き方さん、できるなあ。。。

実際、この日の焼き物はどちらも美味しく、ただ「焼き加減が良い」だけじゃなく、あの焼き方さんの腕があってこそのお味になっていたと思う。
寿司だけを食べに来るのもいいと思うけど、できれば、コースで彼の焼き物が入ってるものを楽しまれることを強くお勧めする。
椀もの
ここで茶碗蒸しを出されることも多く、それはそれで楽しみなのですが、大将のこだわりにより、ここは椀もの。
これがねー、何鯛だったかな。
アラからしっかり出汁を取ってて、まあ美味しい♪

控えめと思われる量も、少し塩を強めにされてたから、バランス取るための量なのかも。
美味しかったです。
そして胃の腑を温めたら、いよいよお寿司。
大将の想いと個性
指拭きから始まるお寿司。
良い方に師事されたのでしょうねえ。
日本にはほんの1カ月しかいたことがないという話でしたが、至る所に、かなり学ばれてることがわかる片鱗が。

隠し包丁が細かく入ったイカが柑橘と合わせられるのはよくあることですが、なんとこの日は、コブみかんを合わせてきてた!

え、そんなん想像つくし、と思われました?
うん、7割は想像できていると思います。でもね、これがあまり遭遇しないパターンであることと、鮮烈な香りが非常に楽しいサプライズでした。
イカは塩とライムでしょ or レモンでしょと言う固定概念にとらわれていたのもあるかもしれない。もうしっかりここで心掴まれましたw

白身に青物。
それぞれよく特徴を際立たせているし、ハケで刺す醤油も適宜。
シャリはちょっとだけ固め。
それは「そうなってしまっている」のではなく、大将が意図してそうしてるご様子。
個人の好みとしては、もう少ししとやかな方がネタとの馴染みが良いかな?とは思いますが、そこは本当に好みの話で、「この店の味」として受け入れるかどうかは客次第、といったところでしょうか。

温度にもとても気を使われてて、細やかさは十二分に感じられます。頑張ってるなあ。
マグロはこちらが焼き物を食べ終わる頃を身はからってサッと付けにされてました。

和のもの、越のものを織り交ぜてのお寿司。
私はこれがとても好きだ。
日本の魚は素晴らしい。
しかしベトナムのお魚のポテンシャルも素晴らしいと思ってて、でも生食用の〆や流通が少ないために、過小評価されがちなんだ。
でも「仕事」のできる方の手にかかると、これが俄然光るのよなあ。
ああ、なんだろう。このワクワク感。これは。。。
O
Sushi Hung さんが初めてお店を出された時に感じたワクワクに似てる。
あのお店も、当初は筋の通った江戸前だった。
移転してからすっかり様相が変わってしまって今は行かなくなったけど、あの店も、一部は日本から仕入れてて、地物の魚にお仕事をして出してくれてた。
ワクワクしたなあ。
あの感じが、この店にもある気がする。
どんぶりは焼き物で楽しみます。
まあ本当に寿司の握り1貫分くらいのシャリの量で、小さな小さな丼なのですが、このタイミングでの、この店の焼き物、たまらん。

ウナギは、ほぼ白焼きみたいなフワッフワの状態のものを丁寧に握っておられて、これはかなり美味しかった。

たまごは、山芋や魚のすり身を加えた甘フワ江戸前仕上げ。
や、お見事。美味しい。

留椀は青さをたっぷり入れた風味豊かなもの。

ちょっと、塩が強い。
ただこれも大将は意図してやっている様子。
キリッと最後にこの強さで〆るスタイルなのかな。

最後まで、美味しかったし、「こうしたい」という「意志」がしっかり伝わってきて気持ちいい。
意志を感じる料理
好き嫌い、良い悪いは横に置いておいて、見るべきは、これら全てが、「大将が考え、選択肢、貫いている」っという姿勢。
結果は客足に現れることと思いますが、「こういう寿司屋をやるんだ」という姿勢がこんなにまっすぐ伝わってくるお店も珍しい。
しかもそれは、大将の国の料理ではなく日本の料理。

嬉しいじゃないですか。
ただ単に日本の料理を作れる、ではなく、そこに大将自身の意志や、なんなら哲学まで載せて提供してくれるお料理。
生半可ではないと思うし、今時点でこのレベルなら、今後もどんどん成長されていくことかと。
私に勧めてくれたみなさんが、口を揃えて「なんか応援したくなるんです!」と言われてた意味がわかりました。
価格的にも、月に1回くらいならって感じだし、またぜひ行ってみたいと思います。
少し外れた場所にあるけど、ご予算許すなら、ぜひ行ってみてくださいませ♪
インスタとかから、予約できるようです😊

お店情報
Omakase Yuu
254 Phan Xich Long, Cau Kieu
Time: 17:00. – 22:30(月曜定休)
Spent: 1,700,000vnd / peson



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