【日本・銀座】鰹出汁のおいしさを教えてくれた庶民的蕎麦屋 ~ そばよし

関東はそば文化。そして鰹出汁。西の私にはあまり馴染みのない味だったのだけども、こちらのお店でその良さを教えてもらいましたよ！

西の昆布、東の鰹
馴染んだ味ほど美味しく感じる
偶然の蕎麦朝食
鰹節問屋がやってる蕎麦屋
入店後右にある食券機で食券購入
うどんか蕎麦の意思表示
キタキタきたー！
暑い季節に冷たいやつも
ちょっと気になった但し書き
複数店舗あり
お店情報

西の昆布、東の鰹

和食は「出汁」がベースになっていることは日本全国共通かと思うのですが、地域によって、そのお出汁の種類が違いますよね。

大きくざっくり言うと、西の昆布、東の鰹、などと言われます。
背景として、北海道で取れる昆布の集散地が大阪であったことから西には昆布が広まって、高知や駿河で獲れる鰹は、江戸に集まりやすかった、と言う物流的なことが一つ。

そしてこれはどう言う偶然か、昆布は西、特に関西地方に確固として存在する軟水にその旨みが溶け出しやすく、鰹のお出汁は関東の硬水により引き出されやすい。これは科学的にも証明されている、料理をする人の間では、周知の事実。

しかし軟水だから昆布を引き寄せたわけでもなく、硬水だからカツオが近くで収穫されたと言う話ではないと思われる。

美味しいものにまつわる采配。
神様は、なんとも親切なことをされる（^・^）

馴染んだ味ほど美味しく感じる

さて、昨今では非常に多様な味わいが世にあるし、流通も発展しているので、遠く離れた土地の味を、近辺で探すことも可能です。

もちろん、産地までの距離で味の優劣が生まれることはありましょうが、その昔はよその味に触れる機会はグッと少なかった。

そして人間が「美味しい」と感じる際には、絶対値的なおいしさを感知できるかどうかと言うこともありますが、「慣れ」も大変大きな要素。

昆布の味にしか慣れてなかった自分は、鰹の出汁が大の苦手。カツオに限らず、煮干しなどの魚系のお出汁に銅の馴染みがなく、まずい、とまでは思わないまでも、好んで食べることは少なかった。

インスタントのね、粉末の鰹出汁、なんかはありますけど、あれは別物。あれは多くの人が美味しいと感じられるように、あれやらこれやら調整された上でできたお味ですから、あれを鰹出汁、と言うのは憚られる。言うならば、カツオ風味の調味料。

それは普通に食べられてたけど、まあそれでも昆布ベースを好んでましたな。もしくは、昆布だしにちょっと、その粉末の鰹を足すことがある、とか、そんな程度。

東の方にしてみても、昆布の出汁がなんか頼りなく感じたり、輪郭がボケて感じる、と思われてる方も少なくはないのではないかと予想。

そんなこんなで、関東のお出汁がメインを張る蕎麦・うどんには、あまり積極的に近付いていなかったのですが。。。？

偶然の蕎麦朝食

調べてみたら、もう15年も前のこと。
旦那さんと東京旅行に来た時に、朝ごはんに食べに入ったんですよね。「せんねんそば」と言うお蕎麦屋さん。

https://tabelog.com/rvwr/000071542/rvwdtl/B111938417/#2293102
（現在営業状況は不明なようです）

名店、とかではなく、安い、なんなら通勤前にささっと食べに立ち寄るようなお店。なのにもうお出汁の香りが素晴らしく、苦手と思ってた鰹出汁を、その香りだけで好きになった！

もちろんいただいてみたら、さらに思った。
鰹出汁、美味しい！と。

そこから、まああまり高いところは行けないので、その、せんねんそばみたいな手軽な立ち食い蕎麦屋のようなとこを関東に来た時に巡ってたのですが。。。

出汁が鰹だ昆布だと言う話以前に美味しいところが見つからず、しょんぼりしていたところに見つけたこちら。

鰹節問屋がやってる蕎麦屋

最初に行った時は、全くのノーインフォで、単に泊まってたところの近くにあったとか、そういう理由で行ったのではなかったか。あれは日本橋の本店だったかなあ。

今回は京橋店。
宿が、近かったんですw

開店は07:30。
07:40くらいに到着したら、すでに10人くらいの、おそらくは出社前の朝食にいらしてたのかな。

満席だったら、時間のある自分がその時間帯に割り込むのもどううかと思ったのだけど、お席もあったし、お邪魔することに。

入店後右にある食券機で食券購入

食券を買ってキッチンカウンターまで持って行くのですが、その食券のメニューの並びがとてもみづらく、なかなか欲しいメニューを探せず、ここが非常に鈍臭かったので、二人ほどの方に順番を譲るw

ワタワタしすぎて、食券販売機の写真はなし(苦笑)

代わりにお店の外にあったメニューで、大体の価格感を。
お安いなあ。ここのお出汁、本当に美味しいんですよ。ご馳走レベルの立ち食いそば。

うどんか蕎麦の意思表示

食券買ったら奥のカウンターに食券を渡しに行くのですが、お蕎麦かうどんかの選択をその時点で口頭で伝えます。

半券をもらえるので、そこにある番号を呼ばれるまでいい子で待ちます。

ちなみに、一応座れます

そもそも立ち食いそばカテゴリーのお店なのですが、こちらの店舗は座れます。とてもシンプルで簡易なお席。スペースも詰めつめですが、居心地良くして長居されちゃ困る店なんで、ここはそう言うものと心えるべし。

いや座れるだけありがたいって。

番号が呼ばれたら撮りに行きます。

キタキタきたー！

と言うわけで、こちら。
うわーっ、久しぶりだ！覚えてる覚えてる、この香り！

この日はおお揚げさんのせて、きつねそばにしましたん♪
そしてここ、お蕎麦も美味しいのよなあ。

もちろん専門店のそれのようには行きませんが（価格安いし）、同価格帯の立ち食い蕎麦屋さんに比べるとちゃんとお蕎麦してるし（ちゃんと蕎麦してないところがあるのか）何よりお出汁と、合う。

夢中で食べた。
お狐さんを乗っけてたのを忘れて2/3くらいになるまで食べちゃったw

やっと七味をちょっと入れてみる気分になったけど、その時に「あ、お狐さん、無視しとったw」と気付いた次第w

あ、もちろんお狐さんも頂きましたよ。
ふんわりと柔らかくて、少しだけ甘く煮付けてるのが、鰹のお出汁ととってもよく合う。

これ、おうどんでも美味しいだろうなあ。
でもやっぱりここのお出汁の香りを嗅ぐと、蕎麦が食べたくなるな。

幸い、自分の後にはそんなにお客さんも入ってこなかったので、お出汁を飲めるだけ、ゆっくり堪能させてもらいました。

うん、やっぱりこのお店、こう言う気軽なスタンド形式のお蕎麦屋さんの出汁の域じゃないと思うわw

美味しい。
そして鰹出汁を好きにさせてくれた御恩は一生忘れない。

単に私が鰹出汁に慣れていなくて、おいしさに付加価値をつけてる可能性はあるのだけど、とっても美味しい。通勤途中にこのお蕎麦屋さんがあったら、’しょっちゅう行ってるだろうなあ。

暑い季節に冷たいやつも

ちなみに、今はとっても暑い時期なので、冷かけもあるらしい。

この日も歩いてお店まで行って、えらく暑かったので、この張り紙にめっちゃ惹かれたんだけど、お出汁が食べたくてグッと我慢。

そして昔のログがあると思って、そこの写真を流用しようと頼まなかったんだけど、さすが鰹節さん。おかかごはん、ってのがメニューにある。

前回は食べた記憶があるけど、今回はお昼の都合があったので自粛。
でも美味しいのですよ、だって鰹節問屋さんなんだもの。

ちょっと気になった但し書き

でも注意書きがあって。。。
これ、おかかは共用部分にあって、それをご飯にかけて食べるスタイルだったと思う。

でも極端に多くかける人ととか、お蕎麦やうどんにもガサっと入れえちゃう、みたいなことがあったようで、取りすぎる人を牽制するメッセージが。

そういえば牛丼屋さんでも紅生姜を、ケースが空っぽになるまで乗せてる人とか見たことあるな。。。すごく日本的な感覚なのかもだけど「ご自由にどうぞ」を「やりたい放題していいよ」と受け取るのはどうなんかいな？と思うかな。

でもまあ、「適量」って個人によって違うから、「自分の適量はこの量なんです」と言われたらそれまでなんだけど、そうなるとお店が自衛策として量を制限せざるを得なくなってくるんだろうな。

線引きをあえて言葉にするなら、共用するものはそれを望む人がなるべく多く楽しめるように、とか、極端な不公平感をあえて与える量なことをしないように、って感じかなあ。

まあ曖昧よね。
日本人的感覚。そんなのわかんないよ！必要ないよ！と言う向きもおられるのだろうけど（実際日本人でそう言うことをされてるケースも見たことあるので）お互い気持ちよく楽しめるようでありたいものですなあ♪

複数店舗あり

そばよしさんは都内に３店舗ありまして、神谷町店はまだ行ったことがないのですが、こちらは完全立ち食いだそうです。

店舗名	所在地	営業時間（平日）	席数・特徴
日本橋本店	三越前界隈	7:30–19:00	カウンター12席、立ち食い＋椅子あり
京橋店	京橋エリア	7:30–19:00	10席前後・立ち食い
神谷町店	神谷町エリア	10:00–19:00	立ち食い