観光客が戻るにつれて、好調な数字を上げるハノイに比べてホーチミンは観光資源が少ない少ない、と言われます。ですが、こんな過ごし方は、いかが?
サイゴンの歴史的な建物
戦争のせいもあってか、ホーチミンには古い建物が少ないだとか、観光名所がないだとか、ネガティブな意見をよく聞きます。
そうですね、ハノイほどのベトナム的な風情や見どころは、ないかもしれません。そして私はどこの国に行っても観光に興味がなくて、興味を持つのは食べ物だけ。
なので、ホーチミンにおいても、いわゆる「観光」ポイントには疎いし、実際これまで紹介してきたのは、買い物場所か、食べ物の場所か。
全くもって色気がなくて仕方がない。
でも…
サイゴンに古く趣がある場所がないわけじゃない。
そして、私なりに楽しめる場所がもっとあるのでは?と思い直して、今更ながらの再探訪。最近、毎朝あちこちに出かけているのですが…
ちょー楽しいよヽ(・∀・)ノ
サイゴン、素敵。改めて。たとえば…?
1880年からそこにある歴史
街に中心にあるオペラハウス。
それを正面に見たら左手にある白亜の建物。
歩道沿いにテラス席がある、Continental Hotelのレストラン。
オペラハウス沿いに見えるこちらのテラス席は、Cafe de la Hienと言って、「ベランダの下のカフェ」という名で呼ばれていたようですが、今は、La Dolce VITA という名前になっており、一日中、ジュースやアイスクリームなどの気軽な喫茶メニューを楽しめます。
在住者のみならず、旅行者さんの多くも、きっと近くを通ったことがあるのではないでしょうか。
こちらのホテルは、1880年に創業されて以来、2023年現在、143年の歴史を誇る、由緒正しきサイゴンの歴史の一部。
入植地への長い旅程揺られてきたフランス人旅行者の方々に、にフレンチ・スタイルのゴージャスなホテルを、ということで作られたのが最初だとか。
その後、所有者は何人か変わり、時にはマフィアの所有物となったこともあったようですが、なんだかんだで、階層を重ねながらも、ほぼ当初のストラクチャを保ち、現在に至る、と。(情報量が多すぎてまとめること不可能w)
なんだったらミュージアムくらいのステイタスがありあそうな建物ですが、ホテルとして、多くの人が自由に出入りできる場所であり続けています。なので、つい、ここが貴重な歴史的な建物だ、ということを忘れがちなのですが…
こんな素敵な観光スポット、なかなかないと思いません?(^・^)
ロビーでひと息
レストランに入る前に、ちょっとロビーで写真でも。
入り口は二つあって、Dong Khoi通り沿いにはレストランの入り口が。ただしこちらは屋内とテラス席のレストラン。もし今回ご紹介する中庭のレストランをご所望だったら…
オペラハウス側の入り口からどうぞ。
もし、Dong Khoi通り沿いから入ってしまっても、こちらのロビーに通じる扉はあるのでいくことは可能です。
その際には、「Graden restaurant」または「PTIO」と伝えたら案内してくれるでしょう。
目指すは、オペラハウス側から入ると正面奥に見える、階段脇のこの扉。
ああ、もうこの階段がクラシカルで素敵よね。決して煌びやかではないけれど、シックで、古めかしいけどよく手入れがされてて、品がある、と、私は感じる。
そして扉の手前の通路に落ちる、シーリングライトの光の窓。
レストランに通じる扉はとてもとても地味だけど、それをこんなふうに控えめに照らす奥ゆかしさとお気遣い。
ちょっと、姿勢を直して足取りを緩、優雅に、入っていきたくなりますね😊
ホーチミンのホテルのウェルカムさ
そういえば、私は日本にいる頃、ホテルの朝食、というのは宿泊ホテルについてる朝食くらいしか経験がなく、わざわざホテル朝食を食べにいく、というようなことはほとんどしたことありませんでした。
そもそも地方には、ハイクラスなホテルが少ないのです。いや、ないケースも多い(-“-;)
では東京に出た時にそれをしようとしたことは?と振り返ると…?
やっぱりなかったですね。
特にハイエンドなホテルの朝食はお高いし、ラフな移動装備が常だった自分には不釣り合いにも思えたし。
しかし…
ホーチミンのホテルは寛容です。
東南アジアの気やすさもあって、5つ星でも実にカジュアルに迎えてくれます。かしこまった格好をしなくても良いところが殆どだし(自分がその場にいることを楽しむために、好きなお洋服を着ていくことはとても推奨しますが)接客もフランク。
そして何度も言ってきてますが、ホーチミンのホテルレストランの質は高いことがとても多い(ダメなところももちろんあるけど)。
なので私は、フラッとお茶をしに行ったり、食事をすることもあります。一般のレストランよりは、そりゃぁ少しは「いいところ」という認識にはなるけど、とても使いやすいので、ぜひ体験してみてほしい。
悠久の中庭で
で、以前人を案内したことはあったのですが、自分がゆっくり楽しんだことがなかったことに気づいたので、早速こちらへ。
先ほどの階段脇の扉を開くと…?
わお。なんという空間。
日が直接当たらないように屋根が設けられて入るけど、ホテルの建物に囲まれた中庭。
建築当時からそこにあった大樹はいくつもあって、私は今回、この真ん中にある木のすぐそばにあるテーブルに。
私は自然に触れて何かを感じるような風情のある人間ではないけれど…
朝の爽やかな空気、心地よい静けさ、風にそよぐ緑、そして堂々たる枝ぶりの大樹。
古くから続く時間だけが醸成できる、柔らかくて堂々とした空気の感触。なんてことだ。これを私は10年以上もこの街に住んでいながら、体感してこなかったなんて。
ビュフッの朝食を頼んだのに、しばらくは席を立つこともままならないくらいに感激して、周りの様子に見入ってしまいましたよ。素敵。
お食事は意外にお手軽 350k
有名なホテル朝食ともなると「お高いのでは?」と思われる方がいるかもですが…
こちらのビュッフェは350kと意外な価格。
もちろん、値段なりであることはお伝えしておきます。ゴージャスな5つ星ホテルの絢爛なビュッフェとは比べ物になりません。でも…
ご覧の通りほどほどの品数はあるし、パンも豊富。
うん、レシピは素朴だったけどw
でもチーズやコールドカッツを欠かさないのは、さすが元フランス系。
ベトナミーズなテイストもあって、こちらはレモングラスいっぱいのチキンカレー。アジアン系のココナツミルクを使ったカレーで、スープとしてとてもおいしかった。
この辺は定番。ハッシュドブラウンとグリルド・トマト。
野菜炒めなどもあり、アジアンニーズも満たしてくれてます。
ふかしたサツマイモは、素敵ホテルには似合わない、とお感じでしょうか?
私的にはこれは実にベトナムらしい一端を見せてくれるお品だと感じました。ローカルのビュッフェに行くと、よくあるんですよ。
旅行で素敵ホテルに泊まった方から見ると「なんじゃこら?」と思われそうですが、素朴で実に、ベトナムらしい。
そしてデザートにはSu Kem(シュークリーム)が。
パンは素朴で、Banh Miスタンドも別にありました。コールドカッツは流石の実力。
あれもこれもとガツガツ食べたくなるようなそれではなかったですが、ゆっくりと、なんだったら他のテーブルの方のように、本でも開いて、優雅にゆっくりいただきたい朝食。
この埋め込み型のウォーマーは、一体いつから使われてるのだろう。古めかしい。でもそれが良い。
もちろんヌードルスタンドもあって、こちらは流石においしかった。この日はブンボー。牛肉の米麺。
ペロッと食べて写真がないけど、乗ってた牛肉が偉く良い質のものだったな。
そしてこの日のMVD(Dish)は、こちら。
最初にちょこっと味見をしておいしかったのでお代わりを。
ゆでおきのパスタなんて、と思われるかもですが、マッシュルームたっぷりのチキンクリームソースがとてもおいしかった。
ええ、給食のソフト麺や、長期保存にゆでパスタで育った昭和生まれには、こういうパスタも許容範囲内なのですw
多分この手のメニューはその日によって変わることが多そうだから、次回にも同じものがあるかはわかんないけど😅
それにしても見飽きない。
この中庭、本当に素敵。
奥の一角には、こんな落ち着いた佇まいの一角も。
ちなみにコーヒーはマシンメイドだけど、都度挽きタイプ。なかなかおいしかったけど、アメリカーノよりベトナムコーヒーとしていただくほうが向いてそうだったので…?
ああ、なんて幸せな重み。
練乳をタプタプ湛えた容器を抱えて、コーヒーの器に。
実際には「好きなだけ」と言われてもそんなに量を使うわけじゃないけれど、この「いくらでも好きなだけ持ってってええで?」と練乳を差し出される悦楽というのは、実はベトナムに来るまであまりなかった気がします。
で、デザートを食べに行ったのですが…おりょーん。。。最初に見かけたSU Kemがなくなってた。。。ショボーン(´・ω・`)
としてたら、「お食事どうでした?」と受け付けてくれたスタッフさんが様子伺いにきてくれたので、とても素敵な時間を過ごしていると伝えつつ…
「ね、もう今日のSu Kem、終わっちゃった?」
ときいたら、速攻ベーカリーに連絡してくれてて…
持ってきてくれたー(*´꒳`*)
うふふ。見た目だけでわかる、ものすごく素朴なシュークリーム。クッキー生地的なものはおろか、日本のスーパーのパンコーナーにあるやすいシューすら期待してはいけない。
この生地は…まるで…
お小遣いでバターがふんだんに買えなかった頃、マーガリンとサラダオイルで代用していた小五ちぇりが作ってたシュークリームのようだ(・∀・)
カスタードは、作って冷やしただけのもの。ここから何度か濾すと滑らかでポッテリとしたクリームになるのだけれど、それをしていないと、まるでプリンのようだ。
プリンは美味しいものなので、だからこれはこれで美味しい。
つまりはとてもレシピが素朴。
ローカルの Su Kem でも進化があってる。
それを彼らが知らないわけはない。つまりこの素朴なレシピは、意図的なもの…?
この中庭の楽しみ方
古建物、古い大樹。古い設備に穏やかなサービス。
こんな空間にいきなり現代の巷で流行りの最新レシピが出てきたら、ちょっとびっくりしちゃうもんねw
だから、現代のホーチミンの最新の美味しいものと並べて引けを取らぬ斬新さや、煌びやかなホテルビュッフェを夢見る人には不向きです。
ご飯も、諸々ほどほどに美味しいけれど、’特に特別なものじゃありません。
でも…
この雰囲気と空気感。
清らかでゆったりとした時間の流れは、何者にも代え難く。観光名所に疎い私の乏しい経験から言うと、この澄んだ感じはまるで伊勢神宮に参った時のような(主に下宮ですが。食べ物の神様の豊受さんがおられるので)
というか…
普段そう言うものには全く興味がないのですが、
パワースポット
ってこんな感じのところじゃね?と、ふと思ってしまっちゃうような豊かな時間。(別にここがパワースポットと指定されわけじゃないです。なんとなくそんな感じすらすると言う話ですw)
お手洗いに行く際、付近にはサイゴンの昔の写真も。
そうか、この建物自体が歴史的な観光名所。ホテルという名前に隠れて、泊まらない人は立ち入るものではない、的なイメージもあったけど…
サイゴンのホテルは懐が深いのです。
こうして、ちょっとした食事をしに来ることもできる。しかも朝食ビュッフェはたった、350k(300kの価格に税やサービスなどが込まれてその価格)。
入場料と言われても納得の価格ですが、お食事まで楽しみながら、自由にその場で歩き回れ、お友達と言っていたら楽しくおしゃべりも楽しめるここは、楽しく美味しいミュージアム!
ちなみに、上の価格はビュッフェなので、アラカルトでもっとシンプルにコーヒーと軽いお食事を、という形でもいいかもしれない。
もちろん、宿泊者の方優先であって欲しいので、軽い朝食で済まされる時は、ピーク時間(一般には、07:30-08:30くらい???)は外して、あくまで外部のものがお邪魔させてもらうという姿勢は持っておきたいなと自分は思いますが…
何にしても。
こんな素敵な観光地。
ホーチミンにもありますよ、ということはぜひ声を大にして申し上げたい!!
そして気づきました。
観光地がないわけじゃないんだ。ただ見るだけのものを観光地、として捉えるのではなく、こうやって自分がその中に入っていって楽しめるサイゴンならではの場所がきっともっとあるはずだ、と。
ただただ美味しいばかりの場所を探してしまうことが多いですが、サイゴンを美味しく楽しめる素敵な空間。そういう視点でスポットハンティングするのも楽しいかもしれないなーと思った朝なのでした♪
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詳しい使い方はこちらへ⬇︎
ttps://cheritheglutton.com/cherimap-manual/
お店情報
Continental Saigon Patio
134 Dong Khoi Q1
Time: 朝食06:30 – 09:30(週末は10:30まで)
Spent:350,000vmd / person
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