さて。。。
先日、緊急報告と言うことでお知らせさせて頂いた
Bruno Menard氏のディナー会。
MGalleryさんの上層階フレンチレストラン、
Social Clubにて行われました。
日本で良くあるディナー会のように、司会を立てて、
「はいっ、ではこちらがシェフのMenard氏ですーっ、
わーっ、パチパチパチ!」
みたいなのは全くなくて、予約時の名前が
冠されたネームプレートがあるテーブルに通され、
歓迎の意こそ、スタッフさんから伝えられますが、
サラリと料理が運ばれディナースタート。
メニューは、板の様なコストのかかったベースに
金刷り。こう言う所にお金かけますよね、ベトナム。
贅沢だわ。
店内がかなり良い雰囲気=灯りが暗くて、修正
かけても色味等がイマイチなのが申し訳ないですが…
こちらは、チリクラブとレモンシャンティ。
え。
どこがチリクラブ?(笑)
スクリューボトルの蓋の様な容器に、まるでデザート
のような飾り付け。違う。ワタクシの知ってるチリ
クラブと違う。手も口の周りもデロデロになるあの
チリクラブと違う。
しかし食べ進むとそれは確かにチリクラブ。
チリの部分はやわらかで、むしろ甘めなソースと
ゴロゴロ贅沢なカニの身。そして爽やかなシャンティ。
えーっと…
OSが違う(・∀・;
メニュー読んだだけじゃ想像もつかなかった。
なるほど、ウデを誇るフレンチのお店がメニューに
写真をつけないわけだ。様子が全くわからない状態
からの心地良い不意打ちをくらうのもフレンチの楽しみ。
Marouを使ったフォアグラのヌガー。
なんと。
この土地柄に敬意を示してくれてる一品ですね。
フォアグラと、Marouのチョコレートをあわせた
一品で濃厚たることこの上ないけど、カカオの苦味、
刺激と深みがマーブル状にヌガーに混ぜ込まれて
いるために、濃厚な中にも緩急があって飽きることがない。
逸れられてる無花果と梅干しのチャツネがまた良い
口直し。「梅干し」って、日本語そのままをメニューに
生かしてくれてるの、さすが日本でも活躍されたシェフ
でらっしゃるし、何より嬉しい。大変光栄。
美しい。
ロブスターのマッシュポテト&イクラ・グリンピース添え。
ソースはロブスターの殻から取られたもの。エスプーマ
仕立てかな? もう言葉が無い。
食材としてはけっこう荒くれ者だと思われるロブスター。
これが品良くまとまってる上に、それが勿論ものたりない
ということはなく、優しいソースに補強される事で全体の
美しさが強調されて、それに目をくらませてる間に、
夢うつつで皿が終わる。
グリーンピースといくらの粒が揃ってて素敵。
その場に一枚と同じ物がない絵を見るかの様。
なんというか、食感も味も香りもなにもかもが、
ギリギリの線上にあるバランス。すげー。
そもそも最初のチリクラブ→フォアグラ→ロブスター
っていう流れが美しい。
どのくらい美しいかというと、その流れの中に自分が
乗せられていると言う事に気づかない程自然で心地良く
しかし振り返って見ると、確かにその軌跡があったと
確信出来る余韻があるというね。
人間、圧倒的なもんを目の前にすると、自分の立ち位置
なんてものは見えなくなるもんですわなぁ。。。
そしてメインディッシュ。
これのピンをキッチリ合わせられなかった事が悔やまれる。。。
もうね、圧巻。皿が運ばれてきた瞬間、というか、
卓上に置かれる前から素晴らしい芳香のアタック。
パアッとそこに花が咲く様な華々しさ。
フレンチダックの胸肉、味噌とオレンジ・グレイズド、
ヴェルジュソース添え。
ここでも「MISO」がそのままの音で使われてる。
最近でこそ日本の調理料をフレンチに取り入れるのは
珍しい事ではなくなったけれども、本当につい最近まで、
そんな事は頑に認められない世界だったのに。。。
嬉しい事ですよね、自国の食文化が海外にも取り入れ
られて認められると言うのは。
そして華やかな印象の多くはヴェルジュソースが
担っていて、これはまだ熟していないブドウを
圧搾した果汁を使ったソースである事が常。
だけど今回のは色も鮮やかで香りもブドウだけでは
ないように感じたけど、実際はどうだったんだろう。
恐らくはスロークックで仕上げられた鴨の胸肉の、
シルクの様な舌触りと、穏やかなふりしてガツッと
ボディブロー効かせてくる様な野趣。それと華やかな
ソースが合わさるともう美味しいを通り越して高貴
でしかない。
酸味タップリのフランボワーズにキリリとジンジャーを
きかせたアイス。薄氷の様なアイシングをかけた
オレンジ香るマドレーヌ。鴨がかなりの量だったので、
もう入らないと思ったけれども、うん別腹。
キレーに平らげちゃったよね( ̄ー ̄)
なんというか。。。
ディナーと言うよりは Sensational Experience としか
言えないひと時。もうすっかり夢心地。
光栄な事にシェフにテーブルまで来て頂いて、直接
お話をできたり、あまつさえお名刺まで頂けると言う
事態に相成り、もう自分良くその場で叫び出さずに
いられたと、今になっても自分を自分で褒めている。
サービスのスタッフさん達はいつもと変わらず丁寧
だけどもフランクで、やっぱり愛さずにはいられない
こちらのホテル。普段の場でも、今回の様なスペシャル
な場でも居心地良くすごさせてくれる素敵な空間。
はふ。
一週間唯今でも幸福なタメイキにまみれております。
幸せなり(*´ω`)
Special Event at Social Club – MGallery
76-78 Nguyen Thi Minh Khai Q3
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