事情って言うほど大げさなもんじゃないのですが(笑)、
お手軽なローカルフードを楽しめる一方、フランス統治時代の影響を
今も引き継いでか、ホーチミンではフレンチレストランがたくさんあります。
ローカルフードに比べれば、もちろんとても高いのですが、
例えばランチは1500円くらいからあり、夜にワインと一緒に頂いても、
3000円、4000円というお店も多く、日本で楽しむよりはお手軽♪
ってことで、いつもの昼食に、ってわけにはいきませんが、物は試し。
ランチ位には行ってみようか、ってことで偵察して参りました。
今回ご紹介するのは2件。
まずは、Côte d’Azur (コートダジュール)さん。
ホーチミンの中でも名が知れていて、ガイドブックにもよく載ってます。
現地在住者のブログにもたびたび登場し、人気が高いお店のようです。
がっ。
うーん…(^^;
この日のレートで、ランチ料金は1800円ほど。
前菜に出てきたサーモンのタルタルはヴィネガーが強すぎるか長い時間
マリネされ過ぎた様子で蛋白質が固まり気味。その割に鼻腔には生臭さが抜け、
とても残念。付け合せのクルトンは丁寧に上げられてたけど、そんなに食わんだろう、と。
ランチだったから、おそらく注文が入ったらすぐ、セルクルくるで抜くだけで
出せるように、事前に食材と調味料を和えて、長い時間放置してたのかもですね。
これはできれば直前にやっていただきたい。
メインのステーキはレアでお願いしたら、確かに見た目の焼き加減は
その通りだったのだけど、部分によって、内部が今一歩温まっていない箇所有り。
レアって言うのは、単なる生、じゃないからね。火は通ってしないけれども
肉の旨味を引き出す適度な温度は必要なので、表面をカリッと焼いた後に
火加減、時間などが重要なわけですが、おそらくこちらのリクエストを忠実に
守ろうとするあまり、今一歩攻めきれなかったか。。。
ぷにゅりとした食感はエロっちかったし、お肉自体も良く熟成されたもののよう
でしたけど、もうひと攻めが欲しかったかなー。
ソースはペッパー系で中々スパイシー。
お任せしたグラスワインとよく合いました。
デザートはクレーム・ブリュレを頼みましたが。。。ホーチミンのブリュレで
これまで美味しいのに当たったことがないんですよね。。。本場のものを食べた
ことがないので、どれが本流でどれが亜流かはわからないのですが、個人的な
舌で感じて、美味しい!と思ったものがない。
甘味が少なすぎる。
リキュール類が全く入っていない。
食感が固い。
いつもそれらの不満のどれかが極端に強くて残念な思いをするのですが、
こちらのお店のものも風味がほとんどなかった。。ルックス(デコレーション)
もいいし、キスをした感じ(食感)も中々なのに、寝てみたら(味わってみたら)
残念でした、みたいな感じ。
エスプレッソは、深みがあるのにまろやかで、さすが珈琲の産地とばかりに
余裕の美味しさでした♪ 最近ハマってるサイゴン産の、カカオ率の高い
チョコレートも大変美味しく、バター香るクッキーも○。
締めはまずまずだったのですが…
1800円。日本だって安くはないです。でもその価格でキッチリ手を入れる料理人は
たくさんいます。ホーチミン価格で考えると、かなりの高額なのだから、その辺は
もう少し要求したい所かなぁ。
まぁ、ランチで四の五の言うのは野暮ってもんかもですが、残念ながら、
夜のアラカルトに興味惹かれるものはなし。ただし、サーヴィングは丁寧でした。
多少ぎこちないところはあったものの、常にテーブルを伺っているスタッフがいて
料理のタイミングは完璧だったし、短いランチコースながら、デザートの前には
ダストパンでのテーブルクリーニングもあり、テーブルに着くスタッフさんは常に
にこやか。
店内は、コージーでお花があふれており、百合の花の香りは若干、ワインの
妨げになる気もしたけど、ハードがとてもよかっただけに料理がちょーっと
残念な感じ。雰囲気楽しむにはいいけれど、それなら花鍋食べに行ってる
An Vien に行った方が良いかなぁ。料理はベトナム料理だけど、
雰囲気的にはそっちの方がゴージャスだし。
対して、もうちょっとフランクな雰囲気の、Le Bouchon de Sigon というビストロは
フランス料理ながら、面白味が強かった♪ コースではないし、ランチセットも
ありません。更にいうなら、お値段もちょっとお高めでしたが、非常に興味深い
お料理だったかと♪
まずは、コート・ダ・ジュールさんにも出てきたサーモンのタルタルですが、
こちらはお見事な仕上げでした。
生き生きとしたハーブとの相性も良く、うっとりするような舌触り。
鼻腔に膨らむスモークの香り。白ワインがとても合いそう♪
スズキのポワレは、皮がカリッと焼きあげられてて身はジューシー。
深いトマトソースと合わさり、ベトナムに来て久しく味わっていなかった
お魚の風味をフックラと堪能させていただきました♪
とても面白かったのが、ウサギのシチュー。
どんなコッテリした仕上がりのものが出てくるのかと思っていたら、これが
意外にあっさりどころか、ソースには薬膳の様相さえ感じられるライト且つ、
アジアンな香り漂う意外な仕上がり。しっとりと仕上げたウサギの身には、
滋味良く、体に優しそうな風味が沁み込んでいて、いやぁ、これは大変好み。
ちぇりの乏しいフランス料理のイメージからは、かなり離れた感じでしたが、
これはこれで嬉しいサプライズだったのでした。うん、美味しい♪
仕上げにアップルクランブルを頂き、ドリンクをそれぞれ一杯ずつ頼み、
こちらは、一人2000円超えくらいだったかな? ……そう考えると、
前者の価格とそうは違わないわけか。。。だったらちぇり的には、後者推しかも。
あ、ちなみに一皿の量が、かなり多いです。
二人でこの量は、けっこうポンポンぱんぱんだったかも。
一皿を二人で分け分けしながら頂くというのは、マナー的にどうなのかなって
思ったけれども、サーモンのタルタルにしろ、スズキにしろ、ウサギにしろ、
一皿で十分一人前のランチになるボリュームがあった気がします。
ただ、一人で出向いて、一品だけ頼むというのも野暮な感じがしないでもない。
できれば3人~4人くらいで行って、1人1皿位の算段で料理を選ぶとちょうどいいかも。
お店のスタイルも料理の内容も全く違う二件ですから、単純比較はできませんが、
ホーチミンフレンチの幅の広さを体感するには、良い対比♪
まだまだ他にも興味惹かれるお店はあるので、ボチボチ開拓していきたいと思います♪
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