まさかまさかのこんな場所に、こんなに美味しいフレンチがあるなんて!
友人が泊まった地味ホテル
Ho Con Ru 、亀公園と呼ばれるロータリーが、サイゴン大聖堂からほどないところ、戦争証跡博物館につながるエリアにあります。
ロータリーの真ん中は池になってて、そこを歩けるように路地が渡され、中央にはちょっと変わった塔があり、それがトレードマークとなってたり。
以前は夜になるとたくさんの出店が出て、大勢の若い方達が集い、賑やかだったのですが、最近は規制が入ったのか、出店がなくなってしまいました。
その代わり続々このロータリーを取り巻くようにカフェや飲食店ができてるのですが。。。
その一角にホテルがあるんです。
Bach Suites、と言います。
チェーンではなく、おそらくはプライベートのホテル。あまり名前聞いたことなくないです?
ヨーロッパのクラシックな要素と現代的なデザインを融合させた、ブティックホテルのような雰囲気。
レジデンス機能もあって、長期滞在者も使える様子。
あまり自分の身近には名前が上がってきてなかったので、正直、友達が泊まるってなるまで、自分の中では存在が薄かったのですよ😅
洗練デザイン
エントランスも「ホテルでーす!」って感じじゃないので、ホテル名を探していかないと見逃しそう。
さらに建物に入るまではちょっとスペースがある。入り口にはガードマンさんというかコンシェルジュ?の方がいるので、チェックインしたいのかレストランに用事があるのか告げると丁寧に案内してくれます。
で、入るともちろんチェックインカウンターとかがあるのですが、まぁ、おしゃれ!
白を基調にして、シンプルな濃茶の枠取りが施された壁や窓枠。
待合と思われるスペースもとても洗練されていて、上品な感じ。
え、このスペースでくつろぎたい(笑)
奥の方にはラウンジがあるんだけど、そこは宿泊者専用みたい。ただし、泊まるとお茶の用意や、時間帯によってはお酒なんかも飲めるんじゃないかな。
残念ながら、一般の人は使えません。
ただし、一般の人はトップフロアにあるレストランが使えます。今回ご紹介するのが、まさにそこ。
Stair way to Restaurant
まずはエレベーターに向かいます。
エレベーターの最上階は確か9階だったかな。そこまで上がったら後は階段で登ります。
エレベーターを降りると右のほうに矢印があるのでそちらの方へ。
とてもゲストが通るドアではないのではないか?と思われる、まるで非常口のようなシンプルな扉なので、見逃さないように気をつけて。
そのドアを開けると、こんな階段があるので登っていきます。そして、目の前に現れたドアを開けると?
こんな通路が。こちらも右側に向かっていきます。
すると、左手に小さなジムが見えます。これをそのまま通り過ごして、
進んでいくと、こんな階段が。
ちょっと曇っている日だったので、画像的に暗いですが、これ夜になったらきっと素敵なんだろうなぁ。ライトアップされているはずなので。
そして、ドアを開けて入ると、レストランなのですが、受付カウンターのようなものがあります。
予約をされた方はここで名前をつけましょう。してない方は食事をしたいとつければ、席の空き状況と案内をしてくれます。
そして、レストラン会場までも、一頑張りちょっとだけ階段を上ると???
そこにはレストラン会場が!
店内
えっ、わっ、なに?!
この屋根裏、というにはあまりにゴージャス。でもこじんまりした空気感も無くさず、とびきり可愛いじゃないか!!
窓側の席はもちろん素敵なんだけど、フロアのお席もすごいかわいい!というか、フロアから見える全体のデザインが可愛いのか、ええええっ、こんなところがあったのーーー?!
窓際の席にされますか?と聞かれたけど、いやいや、ダイニングテーブルのあるエリアが見通せるのもいいし、窓際の席とのパーティション代わりの仕切りも凄く可愛い!
ええええっ、テンション爆上がりなんですが!!
でもちょっと遅い時間だったとは言え、この日は他にゲストが1組だけ。もったいないってっ。食べる前だけど、こんな素敵な空間使わないなんてもったいない!と1人、フンカフンカ憤っていました(笑)
ランチメニュー
と言うわけでランチメニューです。
セットメニューが2コース270k、3コース320k。ホテルのセットランチとしてはお安めですね。
アペタイザーはスープとサラダか、メインコースはローストチキンレックかエビのケサディヤ。そして、デザートにはココナツチョコレートムースが付くそうです。
どのくらいの頻度でこのメニューが変わるのかは不明ですが、まずは食べてみないとですね。
ちちなみに月曜日はセットランチがないようで、火曜日から金曜日までのメニューとなっているようです。
と、思ったら、ここ月曜日定休日になってますね。
ホテルに連動したレストランではなく、インデペンデントなのかな。
セットランチ
と言うわけで、まずは焼きたてのサワードゥ。
このパンも美味しかったのですが、
バターがうまあああああっい!!!
フレーバードの端なのですが、しっかり塩もきいてて、思わずワイン頼みそうになったわ(笑)
そして今日の前菜は、スープをチョイス。トマトとパルメザンチーズらしい。
私が好きなタイプのスープザラで出てきて、すでにご満悦。
そしたらあなた、これが中身も素晴らしい。
スープなので、トマトの形状を感じることができませんが、トマトらしい丸みと濃厚さ、程良い酸味とトマトが持つ旨味がしっかりと凝縮されていて、それでいて、塩には頼らないおいしさ。
スプーンのひと掬い、ひと掬いがご馳走。
え。待って。
こんな味を出せるフレンチがまだ市内にあったっていうの???しかもこんな身近なところに???え????
戸惑ってる間に、メインが到着。
チキンレッグのロースト。。。。とのことでしたが。。。
なんだ。この香りは!
ドラムスティック1本が醸す香りでは、ない!!!
運ばれてくる時、テーブルにつく前にすでに香りが私に届いてた。そしてその香りはチキンがもちろんのこと、使われている香辛料がほどよく香るバランスの良さ。
ただ者では、ない。
そんな予感に震えながら、ナイフを入れると…
うひゃー!!!
プリンプリンのジューシーさ!
肉汁がこぼれだすような事は無い。肉汁はしっかりとその身に留めたままで届けられてる。すばらしい。
あまりに美味しくて、グレービーをかけることをうっかり忘れていたのですが、後半もちろん使ってみたら、これがまた素晴らしい。
待って待って。
こんなフレンチを見逃してたとか、私の目は節穴か?
なんてこった!と、心地よい敗北感を味わいながら、たった1本のドラムスティックにすっかり心を奪われました。
ああ、付け合わせのババガヌーシュも素晴らしかった。
これ、付け合わせだけの位置に甘んじさせておくのは勿体無い。単体の「料理」として素晴らしい。
なんなら私がこれまで食べてきたババガヌーシュの中でトップクラスにおいしかった。延々食べたくなったし、この時点ではすっかりパンを食べ終えていたのですが、このババガヌーシュを食べるためにパンを追加しました。
ブロッコリーニのゆで方も完璧。
皿の上のもの、全てが素晴らしい。
仕上げのデザートはあ、チョコレートムース。
これも重たすぎず軽すぎず。ココナツクランチが非常に心地よい歯ざわりで、ふんわりと空気を含んだチョコレートムースとのコントラストが好ましい。
320k。
税金とかサービス料を入れたらもうちょっとするのだろうけれど、とてもそんな価格帯での味ではない。
いや、ほんとになんで私はこんなお店を知らなかったの?!
ととても悔しい思いをしながらシェフの素性を尋ねたら。。。?
あのシェフの店だった!
ベトナム人シェフの方なのかなぁと思い、ずっと私のテーブルについてくれていたスタッフさんに聞いてみたら、
「いえ、フランス人の方なんですよ。Chef Sakalと言いましてね」
はあああああ?!
ちょっ、まっ!!!
Sakalさん、ここの店のことなんて言ってなかったけど?!1ヶ月前ほど、話もしたんですけど?!
しかし言われて納得。
だったらあの味になるわなあと。
Chef Sakal。
我らが、Le Cortの総料理長にして、ホーチミンのフランス料理業界を牽引する重要人物。そりゃうまいわ!!
ってか言ってよ!
知らずに行っちゃったじゃない!いや予告したかっらって何ってわけじゃないけど、こっちの気持ちの構えがだなあ!!!(笑)
全く知らない、とんでもないシェフがいたのに見落としていたのかと思ったよ。でもSakal氏の手がけてるお店ということだったら納得。なるほどな。
というわけで、ここ、要注目のお店です。
ホーチミンらしさのある、お店に辿り着くまでの探検感も素敵だし、何よりお店の様子がチャーミングで、料理も美味しい。
こんなホーチミン的魅力のあるお店、ある?!
いきなり夜はハードル高いだろうから、セットランチをまず試してみて。火曜〜金曜にやってます。これは素敵よ、楽しいよ!!
お店情報
The Palm Restaurant & Bar
10A Phan NgocThach. Q3
Time: 11:30 – 14:30 / 16:00 – 23:00(火〜金)
16:00 – 23:00(土日) 月曜定休
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